ヘンタイ教師
二次元世界の調教師:作

■ 8

 その時ふとアタシの頭に疑念がわく。どうしてサヤカは全く自由な身なのに、この私より小柄で吹けば飛びそうな宮本に抵抗してくれないのだろうか。自分はともかく、親友のアタシが手錠を掛けられて口を塞がれて、宮本に「いたずら」されようとしているのに。

(サヤカ、もしかして……)

 アタシは頭に浮かんだその恐ろしい考えを懸命に否定し考えないようにした。きっとこれは悪い冗談に違いない。だって、サヤカはあんなに普通の格好してるんだもの……が、私のそんな淡い願いは、宮本の左手奥の床に転がされているみっちゃんを発見した時、跡形もなく崩れ落ちた。

 みっちゃんは裸でうつ伏せにされていた。手は背中で手錠を掛けられ、お尻を高く上げた格好で固定するように手錠やらチェーンやらが彼女の下半身を拘束していた。そしてみっちゃんのお尻が部屋の中央、そしてアタシのいる場所に向くようにされて、お尻の狭間には黒革のT字帯が喰い込んでいた。あれはサヤカが股間に着けられていた物と同じだろうか。

(みっちゃん!)

 アタシはうつ伏せでこちらにお尻を向けて誇示しているようなみっちゃんの、余りにえっちな格好にショックを受けたが、彼女のよく陽に焼けた鍛えられた肉体美に目が釘付けになってしまった。本当にカモシカのようなスラリと長い脚の上に、不釣り合いなくらいミッシリと肉の付いた大きなお尻が乗っているのがとてもエロティックだ。そして、何だろう、この音は? かすかなブーンと言うくぐもった音がみっちゃんのお尻の狭間に喰い込んだT字帯から聞こえて来るような気がし、みっちゃんはそのプリプリの桃尻をブルブル慄わせているのが、ますます嫌らしくアタシの目を焼いた。さらにショックだったのは、向こう向きでよく見えないが、あの男勝りのみっちゃんが顔を真っ赤にして女っぽくすすり泣いていた事だ。もうそこには男の子と間違えそうな、部活に打ち込むスポーツウーマンの姿は跡形もなく、男を誘うかのようにお尻を揺さぶって媚態を見せるえっちな女性に変貌してしまったみっちゃんが、「女」そのものの濃厚なフェロモンを振りまいているようだった。

「又お友達が来ましたよ。
 良かったですね、サヤカさん。」
「は、はい、ご主人様……」

 ぼうっとみっちゃんのお尻を眺めていたアタシは、宮本の言葉に「ご主人様」と答えたサヤカに、脳天をハンマーで殴られたような強烈なショックを覚えた。何だそれは!

「ははは、ビックリしましたか、山下真由さん。
 今度からマユさんと呼ばせてもらいますよ。
 サヤカさんは、私のかわいい奴隷です。
 あなた達も、私の奴隷になって下さい、いいですね?」

 妙に淡々とした口調で、そんなとんでもない事を言い出した宮本に、アタシはコイツ頭がおかしいんじゃないか、と思った。口が聞けたらそう言っただろうし、手が使えたらぶっ叩いていただろう。が、今の状況では、いやいやと首を振るのが精一杯だった。

「私の奴隷になれば、凄くいい気持ちになれて、毎日楽しく幸せに過ごせるんですよ。
 そうですね、サヤカさん。」
「はい、そうです、ご主人様……」

 一体どうしたと言うのだろう。そんなあり得ない言葉をボソボソと話すサヤカは、まるで魂を操られている人形のようだ。宮本はどんな手を使ってサヤカを洗脳してしまったのだろう? 何か危険な薬物でも使ったのだろうか? 脅迫されて嫌々そんな言葉を言わされているのか、とも思ったが、どうもそんな感じには見えない。サヤカは明らかに自分の意志で、ためらう事なく宮本の奴隷である事、そしてそれが幸せな事なのだと語っているのだ。洗脳されたのでなければ、気が狂ってしまったのか? でも親友の気が触れてしまったなどとは絶対に思いたくはなかった。

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