舐め犬
二次元世界の調教師:作

■ 5

邪魔なテーブルをどけて、すぐにも私の股間にむしゃぶり付いて来そうな勢いの山田さんに、私はしかしストップを掛けました。

「すみません、ちょっと待ってください。
 トイレに行かせて下さい。」

 こんな格好なので下半身が冷えてしまい、尿意が高まってヤバい状態になっていたのです。

「でしたら、僕の口をトイレにして下さい。」
「い、いえ、結構です。」

 そう言えば彼のして下さる行為の説明にはそんなのもあったな、と思いながら、さすがにそれは遠慮することにしました。もう少し慣れてからならいいかも知れませんが。すると山田さんはとてもがっかりした様子でしたが、私がトイレに行こうとソファーを立つと、お願いします、と頭を下げられました。

「オシッコの始末をしないで、汚れても構いませんからそのパンツをはいて帰って来て下さい。」
「あ、あの、もう1つ言っときますけど、私のアソコ、とても臭いんですけど……」
「最高です!
 生きてて良かった……」

 一体何てヘンタイ趣味なんでしょう。でも本当に大丈夫なんでしょうか? 私は自分じゃ良くわかんないんですけど、アソコの体臭が異常に臭いらしいんです。だからこれまでの男性の方は一度口を付けると二度として下さらなかったですし、それも嫌々吐き気を堪えながらされたもんですから、ちっとも良くなかったんですね。そこで慣れた専門の「舐め犬」さんに依頼する気になった、と言うのが本当の所なのです。もちろん認めたくはありませんが、以前親に見合いを勧めれて半ば強制的に結婚した男性と別れることになった最大の原因も、私のアソコの臭さなのではないかと疑ってるくらいです。元「主人」は私のアソコを嫌々舐めてしまった後から、私に対して男性自身が使い物にならなくなったんです。私の方は特に彼に強い愛情はありませんでしたし、経済的には実家で一生遊んで暮らしても何の問題もなかったんで、さっさと離婚しちゃったわけですけど。

 でも「生きてて良かった」なんてしみじみと言葉をかみ締めるようにつぶやいてらっしゃる山田さんを見て、私はこの「舐め犬」のエキスパートさんに賭けてみる事にしました。さっさとトイレで用をすますとオシッコを全く拭かず、チョロッと少し一緒に出てしまったウンコの方も少し残したままと言うとんでもない股間の状態の上に白パンツをはいてトイレを出ました。大きい方は余分かな、と思ったんですけど、もしかすると臭ければ臭いほど喜ばれる、私にとっては神様みたいな性癖の男性かも知れませんからね。ま、どの道私のアソコの臭さに比べたら、オシッコだのウンコだのは大した問題じゃないと思います。

 トイレから出て応接室に戻ろうとすると、2階の自分の部屋に引っ込んでいた母が階段を半分下りて心配そうに様子をうかがっているのと目が合いました。私がまだ来ちゃ駄目、と目で合図をすると、母はそのまま2階に上がって行きました。これから大事な「舐め犬」が始まるというのに、山田さんの集中力をそいでもらっては困ります。

 部屋に戻って鍵を掛け直すと、山田さんは煮しめたような色の服を脱ぎ始めました。あれ、本番はなしという話だったはずですが。

「私自身が気分を出すためですから、お気になさらないで下さい。
 奥様がお嫌なら脱ぎませんが。」

 山田さんは私の抱いた疑問に答えるかのように言いました。そういう事なら別に構いません。私のアソコを舐めるのは相当な覚悟を要する難行と思われるので、それで気分が出るならハダカにでも何でもなってください。しかし、山田さんがついに黄ばんだブリーフパンツ1丁になり、男性自身が、物凄く勃っているのを見ると、私は胸がズキンとしました。

「あ、あの、山田さん。
 それ……」
「え?
 ああ、コレですか。」

 私はついついパンツの膨らみをジーッと見てしまってて、山田さんは照れくさそうにパンツの上からソレに触れてプルッと揺すって見せました。私はそれを見るとますます胸がキュンとなり、トイレの始末をせずにはいてしまった気持ち悪いパンツの中が、ますますジュンと汚れてしまうのを感じました。

「パンツも脱いで、構いませんでしょうか。」
「え、ええ……」

 山田さんがほとんど茶色の部分まである汚れたパンツまで脱いでしまうと、私は立った彼の前にひざまづいて、ビクビク力強く脈動する彼のシンボルをよだれを垂らしそうになりながらジッと見つめていました。

「奥さん、本番はしない約束ですよ。」
「わかってます。
 触ってもいいですか?」
「どうぞ……」

 私もその節度は保つつもりです。あくまで「舐め犬」さんとは恋愛抜きで、アソコを舐めて気持ち良くして頂くだけの約束でしたから、肉体関係を結んでしまってはシャレになりません。しかし、「舐め犬」行為を期待して朝からウズウズしていた股間が、山田さんのパンツ視姦で淫情に点火されトイレの始末をせずにパンツをはくというアブノーマルな行為で、どんどんえっちに狂い始めていたようです。

 ああ、コレが欲しい!

 私は素直な気持ちで、そのギンギンに勃起した熱い肉塊を手に握り締めました。ソレは皮を被っていましたが、これまで私が経験したどの男性より立派で、特に急角度でそそり立つ勃起度がすごい、と思いました。コレをムレムレのパンツの下で疼き上がっているアソコに入れたら、どれだけ気持ち良い事でしょう。しかし、それは絶対超えてはならない一線でした。

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