学校反省性活指導
二次元世界の調教師:作

■ 1

「学校反省」と言う言葉をご存知だろうか。これは喫煙などの非行を働いた生徒を、登校させるが学校内の他の生徒達と隔離して授業を受けさせず1人で過ごさせる事によって、自分の行いを反省させるという制度である。私の勤務している高校では、そういう生徒を以前は登校させず家庭で過ごさせる「家庭反省」という指導が行われていた。しかしこれは親がその生徒の面倒を見る必要があり、不況でほとんどの家庭が共働きの今、我が校も含めた多くの高校では「学校反省」の方が一般的になって来たようである。

「2年7組の、藤田奈月だな?」
「……ああ。
 知ってんだろ?」

 今日「学校反省」に入るためこの特別指導室にやって来た藤田という女生徒は、そんなふて腐れた態度を取っていた。まるで警察の取り調べ室のような狭くて他とは隔絶されたこの部屋で、学校で一番恐がられている生徒指導部主任の私こと、山川健司、通称やーさん、の指導を受けるのは、他の教員の手には負えない指導の難しい非行生徒と決まっていた。ちなみに「やーさん」とは強面の私の外見から生徒に付けられたあだ名だが、柔道が専門の体育教師で、身長180センチ体重100キロを越える私にはふさわしいと言えるだろう。この私と密室で1対1で机を挟んで対面しながら、こんな不敵な態度が取れるとは中々骨のある子らしい。普段カッコつけてツッパっている男子生徒達ならまずこういう態度は取らないだろう。彼らは本能的に腕力では絶対敵わない相手と見れば、借りて来たネコのように大人しくなる。実際に私は、校内の不良グループのリーダー格と見れば、半殺しの目に合わせて学校内の秩序を保っているのだ。

 そんな私にとっては、女生徒の方がやっかいな場合が多い。彼女達は逆に、本能的に自分は女だから不良の男子ほどひどい仕打ちを受ける事はないとたかを括って、私をナメているのだ。確かに私とて不良男子を相手にするような肉体的暴力を、女子に用いるのはまず無理である。指1本触れただけでも逆ギレされて、セクハラだと教育委員会に訴えられ首が飛びかねないではないか。

「何をやって、ここに来たんだ?」
「……これ。」

 藤田は答えず、ここに書いてあるだろ、と言わんばかりの態度で、事情聴取後に書かせた反省文の紙を差し出して見せた。

「自分の口で答えろ。」
「知ってるくせに、うぜーんだよ!」

 確かに知っている。コイツはトイレでタバコを吸ってる所をクラスメイトに注意され、逆ギレしてその生徒を殴ってケガさせたのだ。これは一発で退学処分になっても文句は言えないような行為だが、意外にも始めての非行行為と言う事で情状酌量され「学校反省」ですんでいるのだ。藤田は1年時は普通だったが、2年に上がって急に行動が荒んで服装も乱れ、要注意生徒だったと担任から聞いている。どうやら家庭環境に問題があるらしいとも聞いていたが、聞きしに勝る態度の悪さだ。これが男子なら間違いなく私の鉄拳が飛んでいただろう。

「何だその態度は!」

 私は立ち上がって藤田を見下ろす形で顔を近付けて凄んで見せた。が、やはり彼女は私が手を出す事はあり得ないとたかを括っているのだろう。涼しい顔で何も答えず、視線を外して挑発的な態度を取っている。いかに女子とは言え、これは余りに傍若無人過ぎると言うものだ。ここは1つ世の中そんなに甘くはない事を身を持って教え、力づくでも矯正してやらねばならない。と、言うのはタテマエで、藤田が私好みの色白で均整の取れた美人顔で、胸や腰も女子高生にしては十分なボリュームがありそうなのを観察していたから、と言うのがホンネである。

「こっちへ来い!」
「何すんだよ!
 セクハラで訴えるぞ!」

 私が藤田の体に手を掛けると、彼女はやはりまさかと思っていたらしく、ありありと動揺してわかり易い反応を見せていた。が、バカには出来ない。今藤田の体に手を触れたと言うだけで、もう危険な橋に足を踏み入れてしまったのだ。私のような格闘技の専門家は体自体が凶器と見なされるのだから、女生徒に軽く触れただけでも、彼女達がその気になれば立派なセクハラとして成立する。が、元来美少女と思われる藤田の荒み具合を見ていると、私は危険を冒してでも彼女を更生させてやる覚悟を決めたのだ。もう後戻りは出来ない。彼女が「セクハラ」などと騒ぎ立てる気もなくしてしまうまで、徹底的にかわいがってやるのだ。

 藤田の体は外見で想像していた通りの肉付きの良さを感じさせ、精一杯虚勢を張っていたであろう、眉を描いた美人顔も私に迫られて本気で怯えて本来の少女っぽいかわいらしさを取り戻したようだ。そうだよ。始めから下手に出て私の前では大人しくしてれば良かったんだ、カワイコちゃん。まあ良い。この「学校反省」の期間にみっちり搾って、二度とそんな態度を取る事のないマジメな女生徒に矯正してやろう。柔道の心得を持つ巨漢の私にとって、女生徒を絞めて「落とす」のは、手の中の小鳥を握り潰すくらい簡単な事だった。ふと見ると床が汚れている。よくある事だが、藤田も落とされた時のショックで失禁してしまったようだ。

「藤田っ!
 少しは反省したのかっ!」

 授業やその他の仕事を終え、昼休憩時間になってから周囲に他の人間がいない事を確かめてから「特別指導室」の鍵を開けた私は、明かりを付けると狭い部屋の中央に立たされている格好の藤田奈月に、そう怒鳴った。

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