チカンのおじさん
二次元世界の調教師:作

■ 1

俺は今日もすし詰め状態の電車の中で、狙いを付けていた大人しそうなセーラー服の女子高生の背中にピタリと体を寄せ、偶然を装って手を軽く彼女のお尻に触れさせた。が、やはり偶然と思ったのか、彼女の表情は何ら変化がない。そこで俺は、吊革につかまりもう片手に通学鞄を下げていて無防備な彼女のお尻を、さらに大胆に撫で回してみた。これはもうはっきり痴漢だとわかるに違いない。すると彼女は顔をポッと赤らめ、羞ずかしそうに俯かせたではないか! しめた。やはり俺の見込んだ通り、彼女は大人しい羞ずかしがり屋で、痴漢に遭っても抵抗出来ずなすがままになってしまうタイプの少女なのだろう。俺はさらに彼女の大人しそうな美人顔と、意外なほど豊満なボディーがバッチリ俺の好みである事を再確認し、舌なめずりしながら今日の獲物に喰らいついていった。

 まずタップリ肉の付いた彼女のお尻をスカート越しに触った俺は、人差し指で尻の割れ目を探るとなぞるようにしてやった。するとかわいらしい彼女の顔に明らかに動揺が走った。ふふ、これはズキンと感じちゃったという顔だな。どんな女性もまず例外なくアナルは強烈な性感帯であり、そこを大胆にまさぐるような指タッチに平静ではいられない筈だ。こんな嫌らしい痴漢には遭った事がないであろう彼女が一瞬快感に顔を歪めたのをベテランの俺が見逃すわけはない。俺は彼女が羞ずかしがり屋の上に感受性も人一倍強い、痴漢にとっては最適の標的である事を確信すると、さらに大胆にミニスカの中に手を入れていった。

 まさかそこまで、と思ったのだろう。彼女は驚愕の表情を浮かべ嫌々をするように顔を振ったが、通勤通学ラッシュのすし詰めで、不快指数MAX状態の車内には他人を気遣う余裕のある人間はまずいない。仮に痴漢行為に気付いた者がいたとしても、彼女自身が勇気を出して抵抗しない限り、面倒事を避けて黙認してしまうのがオチだ。最近は痴漢のえん罪なんかも社会問題化しているし、俺のような本物の痴漢にとってはかえってやり易い環境になったのだ。彼女のように大胆に触らせてしまっては、同意の上と思われて助けが来る事は、まずない。

 さて、彼女の愛らしいセ−ラー服のミニスカの中をまさぐった俺はちょっと驚いたが、すぐにニヤリとほくそ笑んだ。何と彼女は既にパンツを濡らしていたのである。感度が抜群でおツユも多い体質とは全く嬉しいばかりだ。今度はパンツの上からお尻の狭間を指でスリスリとなぞってやると、ますますジンワリとお湿りが来るのがわかった。俺の股間の逸物も、もうはち切れんばかりにズボンの前を張り切らせている。それを彼女のお尻にピタリと寄せて弾力のある膨らみの感触を楽しみながら、俺の指がパンツの前部に進撃を開始すると、何と彼女はイケない淫らな豆をプックリとおえ返らせているではないか! 俺の指がその膨らみをパンツ越しにスルスルと撫でると、ますますドクドクと滴る液体でパンツはもう濡れ雑巾のようになって来た。そして俺の指がついに彼女のパンツの中にまで侵入を開始し、もう片手を背後から彼女の胸に回してブラウスの中をまさぐっても、今や火のような吐息を吐いてあえぎながら顔を伏せている彼女は全く抵抗を示さなかった。

「うん、まあ、良くありそうな話ですね。」

 と私は努めて平静を装い原稿用紙に集中して目を通して見せながら、その実目の前に座ったセーラー服姿の女子高生の様子をチラチラとうかがわないではいられなかった。

「あ、やっぱり、ありきたりですか?」

 と、外見から受ける印象と違ってハキハキと答える彼女は、どこから見ても大人しく真面目そうな女子高生そのものである。スカートが短くてドキドキする、なんてオイシイ話はなく、イマドキこんな子がいるのか、と驚いてしまうくらい長めのスカート丈で、いかにも小説家をめざす文学少女という感じではある。が、しかし彼女が持ち込んで来たのは、ありきたりとは言え立派な官能小説である。本当にこの少女がこれを書いたのだろうか?

 私はある三流とも言えないような零細出版社に勤めていて、官能小説を掲載する雑誌の編集にたずさわっている。この雑誌はわが社の看板で、素人の投稿作を抜擢して掲載し、そこからプロの官能小説家としてデビューする人もいるため、時々官能小説家志望の人が原稿を持ち込んで売り込みに来るのである。

 普通直接会社に持ち込まれた場合は預かって、後日連絡します、という対応なのだが、まるで自分の娘のようなセーラー服姿の女子高生とあって、大いに興味をそそられた私は、こうして今会社のある雑居ビルにある喫茶店で彼女の原稿に目を通してやっているのだ。

「いやいや、なかなかのものですよ。
 現役女子高生の作品としてアピールすれば、使えるかも知れませんね。」
「本当ですか!
 うれしい……」

 おお、よしよし、良かったね、と頭をナデナデしてやりたくなるような、彼女の喜びようだったが、残念ながらそう簡単にOK出来る話ではない。

「あ、いえ、可能性は十分ある、というだけですから。」
「そうですか……」

 今度は一転して曇った表情を見せた彼女だったが、すぐに立ち直ってアピールを始めて来た。最近の子は小学校から自分をアピールするように教育されているそうだが、その成果なのだろうか。全く私に似てのんびり屋のわが娘に見習ってもらいたいものである。

「あの、これ、自分の体験をもとに書いたものなんです!」
「ほう、それはそれは……
 大変興味深いですね。」

 私は正直大いにその言葉に興味をそそられてしまったのだが、エロオヤジのように見られないかと気にして慎重に言葉を選んでしゃべった。娘にも官能小説などを担当している事を、はっきり嫌がられているのだ。

「体験手記として発表した方がいいですか?」
「う〜ん、それこそありきたりかも知れませんね……」
「ですよね。
 それに私小説家志望なんで。」
「ノンフィクションみたいに見せて、実はフィクションでした、と言うやり方もない事はありませんが。」
「実は女性視点で体験談っぽく書いたのもあるんです!」
「ではそちらも見せて頂きましょうか。」

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊