あやつりの首輪
二次元世界の調教師:作

■ 5

「泣かないで下さい、満里奈さん。
 お母さんに不審がられますよ。」

 泣かないで、というコイツの言葉には人間らしい優しさはかけらもない。ただ母親に知られてはならない、というアタシにとっての重たい課題を改めて課して来ただけなのだ。それでもアタシは谷口貫太の命令に従うよりない。この首周りに不快な圧力を伝え続ける「あやつりの首輪」が嵌められている限り。

「じゃあ、アソコはいいです。
 そのかわりお尻の穴に指を入れる事。」
「そんな……
 変態だわ……」
「アナルを弄った事ないんですか?」
「ないわよ!」
「お風呂で試してみて。
 これは命令です。
 人差し指の第2関節まで入れて、後は好きなようにオナニーしちゃってください。
 格好の良いお尻の満里奈さんなら、きっと病み付きになっちゃいますよ。」
「そんな事……」
「明日の朝6時に教室で待ってます。
 何回オナニーでイケたか報告して下さいね。
 ちょっとでも手を抜いたら首輪が締まりますよ。
 あ、満里奈さんが持ってる一番えっちなデザインのパンツをはいて来て下さい。
 それじゃ、命令は終わりです。
 くれぐれも絞め殺されないように気を付けてくださいね。
 じゃ。」

翌日。命令された通り、6時という異常な早朝に教室までやって来たアタシは、情けないくらいに慄えてしまい萎えたように力の入らない脚を奮い起こし、ハアハアと乱れてしまう吐息を鎮めて、さわやかな早朝とは正反対のカラダの状態を貫太に悟られないように無駄な抵抗を試みていた。わざと強くガラリと前のドアを開けると、小山のような醜く太った貫太は、教壇のすぐ前に椅子を出して座っていた。

「お早う!」
「妙に威勢がいいですね。
 もっと自然にしてればいいんですよ。
 こちらに来て立って下さい。」

 別にアンタの奇妙なまじないに参っちゃいないわよ、というつもりだったけど、貫太には全てお見通しだったようだ。アタシは無駄な抵抗はすぐに諦め、素直な気持ちで物凄くドキドキしながら貫太が座る目の前の教壇に立った。まるで面接試験を受ける生徒のような心境で、緊張で動きがぎこちないのはどうしようもない。

「驚きました。
 たった一晩で、とても女っぽく素敵になりましたよ、満里奈さん。」
「そ、そう……」

 ああ、これが好きな男の子だったら、どんなに快適な気分になれた事だろう。コイツにそんな事をホメられても気持ち悪いだけだ。

「すごい美人だけど冷たい感じだったのに、とても色っぽくて素敵です。」

 ハッキリ言えよ。アタシの顔は今とてもえっちな表情になってるはずだ。ほとんどまともに寝付けず、それでも首輪の恐怖で早朝に登校するため、ドレッサーの前に座ったアタシは、自分の顔がめちゃくちゃに崩れてる様子にショックを受けたのだ。目の下に隈が出来ているし、目が何だかウルウルと潤み、嫌らしく膨らんだ小鼻も戻らない。もうまるきりえっちな事をしてる最中の女の子の顔だった。それでも髪を整えたり身支度をすませた後、まだ少し時間に余裕があるとわかってしまったアタシは、着替えた制服のまま、もう10回を超えていたオナニーをしないではいられなかった。貫太の命令ではいてしまった際どいデザインの小さなヒモパンツをずらし、すぐに人差し指を第2関節までアナルに打ち込むとあっと言う間に臨戦態勢が整い、アタシはチクビを転がしムネを揉み、クリちゃんをクリクリとイジリながら何度達してもますます心地良くなってしまったアクメにむせび泣いたのだ。

「さて、何度オナニーでイク事が出来ましたか?」
「じゅ、十四回よ。」

 もうアタシは嘘を付くことなど考える事も出来なかった。嘘を付いたり命令に背く事をしようとすれば絶対に許してくれず、首を強烈に締め付ける「あやつりの首輪」がアタシのカラダも心も完全に支配しているのだ。

「へえ、女の人はやっぱりすごいんですね。
 僕も1日に10回までオナニーで出しちゃった事あるんですけど、それが限界でしたね。
 最後はもう血が出ちゃって……
 14回ねえ……
 よっぽど欲求不満がたまってたんですね、満里奈さん。」
「あなたが命令したからじゃない!」
「そんな大声出してかわいくないなあ。
 でもこれで、満里奈さんがやっぱりえっちな事が大好きな女の子である事が証明されました。」
「ああ……」

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