学級委員の美智子さん
二次元世界の調教師:作

■ 4

 5時間目。僕は斜め1つ前というおいしい位置に座る美智子さんが、気になって仕方ありません。僕のトイレ覗きにも気丈に振る舞い、落ち着いた風を装って対応した美智子さんでしたが、心中穏やかではないでしょう。いつもは涼しげな横顔が心なしか桜色に染まり、そわそわと妙に落ち着かない様子でした。

(美智子さんもアソコがムズムズしてるんじゃないか?)

 僕は彼女のお尻の座りがよろしくないのを勝手に妄想して、わざと中を破いているズボンのポケットから入れた左手で、いつにない集中力を発揮して固くなったチンポを握ります。4連発後ですから余裕タップリで、ゆっくり握り締めたり時折しごいたりしてじっくりと楽しみ、この時間にも1回射精する事が出来ました。

 5時間目が終わるや否や、美智子さんはプイッと席を外します。僕をシカトしようとしているのは明白でした。でも彼女に嫌われてると思うと、ますますムラムラと込み上げる興奮を股間に覚える僕は、やっぱり変態でしょうか。6時間目も美智子さんの麗しい横顔をおかずに、僕はもう1発抜いてしまったのです。

 放課後僕は、美智子さんが指定した壊れたプール裏に向かいました。草ぼうぼうで虫がひどく、普段は誰も寄り付かない場所です。ヤブ蚊に喰われるのを我慢すれば内緒話にはもってこいでしょう。

 僕はまるで初めて母さんにオナニーを見つかった時のような罰の悪い思いで、美智子さんの言葉を待ちました。先生に突き出されて停学になるのも覚悟しています。 

「女の子のトイレを覗くだなんて、あ、あなたは、キチクだわ……」

「い、いえ、キトウですが。」

 聡明な美智子さんが「キチク」だなんて耳慣れない言葉を使うもんですから、僕はマヌケな対応をしてしまいました。僕の名前は鬼頭剛。まるで官能小説作家みたいな、男らしい名前ですが、実際はヘタレで気が弱いただの変態です。「鬼頭」より「亀頭」の方がふさわしいくらいです。「鬼畜」と僕の名字は一字しか違いませんが、僕にはまるで当てはまらない言葉です。

「そうやってバカなフリして、私をモテアソブのね……
 最低だわ……」

 一語一語噛み締めるように、怒りを抑えながら呟くように話す美智子さんはとても魅力的です。「モテアソブ」、ああ何て嫌らしい素敵な響きでしょう。僕は美智子さんを「モテアソブ」事を想像して思わず勃起し、「最低」と罵られてカチカチにしてしまいました。

(ああ、僕はマジでバカなんです、美智子さん。
 鬼畜だなんて言葉、もったいないです。
 最低の変態であるこの僕を、モテアソんで下さい、美智子さん!)

 そんな気持ちでシュンと黙り込む僕に対して、美智子さんは続けました。

「あなたは、私が、その……
 変な事してたのをいい事に、覗きを見逃してもらおうと思ってるんでしょう!」

「あ、い、い、いえ、そ、そんな事は……」

「お黙りなさい!」

 ああ、何て凛々しい美智子さんのお言葉でしょう。僕もう出ちゃいそうです。

「そしてあなたは、あろう事か写真を撮って、私を脅迫しようとした。」

「と、と、とんでもありません……」

「お黙りなさいっ!」

 僕が脅迫するだなんて、あり得ないのですが。

「一体、何が望みなの?」

「はい?」

 そんな事言われましても。

「私のカラダね。
 ああ、何て鬼畜な……」

 ええ〜っっ!?

 どうして美智子さんは、勝手にそんな嬉しい方向に話をねじ曲げてしまうのでしょう。でもヘタレな僕は却って怖じ気づいてしまいました。

「あ、で、でも、写真はもう消しちゃったから……」

 さすがにヤバいと思い、あのお宝映像はすぐに消してました。ところが1人で妙に盛り上がってしまった美智子さんは、どんどんあらぬ方向に暴走を始めます。

「お黙りなさい!
 そんなわかり易いウソには欺されないわよ。
 どうせ鬼畜なあなたの事ですもの、消したと偽って画像データをどこかに隠し持ってるんでしょう。
 そして、羞ずかしい写真をバラまくぞ、と言ってかわいそうな私を脅迫するんだわ……」

 美智子さんは、誇大被害妄想をお持ちのようでした。

「私あんな写真をバラまかれるくらいなら、死んだ方がましだわ、ああ……」

 美智子さんはとうとう、さめざめと泣き始めます。困りました。こんなアブない子とは思いませんでしたが、僕は一体どうすればいいんでしょう?

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