SMごっこ
二次元世界の調教師:作

■ SMごっこ2-8

「後始末も口でしてあげるよ」

 汚いからと嫌がる私に構わず、排泄直後のアソコを翔の口で愛されるのは恐ろしく刺激的で心地良く、私は又しても何度も極めて恥を晒していた。

「めぐ姉、セーラー服ばっちりだね」

「……」

 そりゃそうだ。まだ卒業して半年もたってないのだから。だけど、翔の後ろに隠れるようにして必死に歩を進める私は、もう心臓が破裂しそうなくらいドキドキと高鳴り、凄まじい興奮と全身に横溢する心地良い悦楽の調べで口も利けない状態に陥っていた。翔に着せてもらったセーラー服の着こなしはちょっと変な所があったけど、さほどおかしくはない。ただしノーブラで乳首に貼られたリモコンローターが透けて見える胸と、破廉恥な超ミニは高校を卒業してセーラー服を着る私の羞恥心を掻き立てるのに十分だ。

 思えばあの「SMごっこ」の日に、翔にせがまれてスカートをガッと上げ、下にはいていたスパッツを脱ぎ捨てた時から、私の運命は狂わされたのだ。大の羞ずかしがり屋で色気のイの字もない空手少女だった私は、初めてのミニスカで生パンツをチラつかせる羞ずかしさで理性を麻痺させられ、翔のペースに嵌って姉弟相姦の獣道に迷い込む事となった。

 いや。翔に責任を転嫁するような言い方は止そう。あれは私自身が望んだ事だったのだ。そして今又私は翔に誘われるままに、レベルアップした「SMごっこ」で今度こそ取り返しの付かない所まで行こうとしている。そう、あの時と違い、私は既に人に気付かれてはならない格好で翔に連れ回されている。首輪に繋がり翔の手に持たれたチェーンが張って悟られないように、私は弟の背中にピタリと寄り添い、へっぴり腰で遅れないよう歩かねばならない。そして背中で手錠を掛けられた両手を隠すため、私は大きな袋を持たされている。その中には翔が取り揃えた、女の子を死ぬ程の辱めに合わせるSM道具が入っていると言うのに。翔は、それを新しい彼女に使うつもりだったと言ったが、それが嘘である事は火を見るよりも明らかだった。

「めぐ姉とデートするなんて久しぶりだな。
 少しはしゃべってよ、めぐ姉」

 うるさい! 私がとても口の利けるような状態でない事がわかっているくせに。口を開いたら、嫌らしい声が出てしまう。

「……ああ、し、翔、もう駄目」

「そんなに気持ちいいんだ
 えっちだね、めぐ姉は」

 馬鹿野郎! お盆でそこそこ人通りのある路上で、変な事を言うな! だが、久しぶりに味わったリモコンバイブの味は格別で、私はとうとうウッとしゃがみ込み、首輪のチェーンにグッと引かれる屈辱の中素晴らしい快楽に身を任せていた。

「めぐ姉、しゃがむと黒いパンツが見えちゃうよ」

 そう意地悪く言われた私は、股間に視線をやってTバックみたいな黒革の特殊なパンツがモロに見えているのに気付き、ヨロヨロと腰を上げざるを得なかった。このパンツは高校時代に翔の操るリモコンバイブを味わうためネットで手に入れた、特殊な仕掛けのある貞操帯で、クリトリスには乳首と同じようなローターがセットされ、股間の前穴には翔のモノを象ったバイブ、そして羞恥の後穴にまでアナル用の柔らかいバイブが挿入された、とんでもなく淫らな代物である。

「ああ、翔、もう、もう……」

 ふと見ると、通行人達が何事かと路上でしゃがみ込んだ私に注目しようとしている。とてもじゃないが、家を出た時から悪戯な翔がずっと止めてくれないアナルバイブが気持ち良過ぎて我慢出来ないだなんて、口には出来ない。

「かわいいよ、めぐ姉。
 それに凄く……
 色っぽいや。
 さあ、早く歩こうよ」

 ああ。そんな言葉でさえ、姉と弟と言う関係を考えれば背徳の魔味となる。もしお互いの知り合いに見られたら?(アナルで感じるめぐ姉は色っぽくてかわいいよ)と直接的に言われなくても、私はもうドキドキで生きた心地もしなかった。そしてそんな私の危惧はすぐに現実のものとなったのだ。

「あれ、まさ姉じゃん。
 まさ姉ー」

 この大馬鹿野郎っっ!! 何たってわざわざ声を掛けるんだ!! 悲鳴を上げそうな私を尻目に、翔はバッタリ出会った、女友達と歩いていた上の姉に声を掛けやがったのだ。余りのショックで私の意識は少し飛ぶ。上の姉の雅子は、翔が私と歩いているのをいぶかしみ、翔は、めぐ姉とデートだよ、などと冗談めかして答えていたようだ。ああ。まさ姉は私が超ミニスカのセーラー服を着ているのを、どう思っただろう? 首輪や手錠は見つからなかっただろうか?

 まさ姉は、私達を知らない友人と歩いていたのでじきに別れて行き、ふと通行人が乏しくなったのを見計らった翔が、恐ろしく紅潮していた私の顔を覗き込むようにして聞いて来た。

「すごく刺激的だったでしょ、めぐ姉」

「嫌……
 知った人には見られたくない……」

「そりゃ僕だってそうだよ。
 でも」

 翔が悪戯っ子のように目を輝かせて言う。

「まさ姉に見られながら、イッチャったでしょ」

「……バカ」

 そう呟きながらもコクリと頷いて告白した。翔が巧みにリモコンを操り、まさ姉に見られているスリルの中、私は腰が砕けそうなくらい強烈な絶頂に達してしまっていた。そして白昼の路上にも関わらず、翔が優しく唇を合わせて来ると私はもう周りの事など気にせず陶然と弟の愛情に答えてしまっていた。

 こうして何度も達してヘロヘロになりながら、ようやくたどり着いた思い出の甘味処は、お盆休みで繁盛していた。ちょうどあの日もそうだったように。待合いで座っている間タップリとスリルを味わい、ようやく案内された和室も偶然あの日と同じで、私達は2年前にタイムトリップしたような気分になった。向かい合った翔が、手の使えない私のために、自分の分まで食べさせてくれたあんみつセットの甘さもあの日と同じ。ただ1つ違うのは、相変わらず私のアナルの中でジーッと震えくねるバイブと、翔が気まぐれにちょこちょこ動かして来る他所のバイブのおかげで、食べ終わるまでにさらに3回達してしまった事。最愛の翔の手で食欲も性欲もお腹一杯に堪能させてもらった私は、幸福の絶頂だった。

 そして食後に、あの日結ばれた公園に立ち寄る。夕暮れ時だったあの時と違い、まだ陽の高い白昼の公園は、お盆休みとあって人もまばらで、私達の最後のプレイは何とか出来そうだった。いや。まともな神経なら不可能だが、又しても翔と一線を越えて危険な精神状態にあったから、こんな事だって出来てしまう。

 あの日、翔におしっこを見せて処女を奪われた障害者用の大きな公衆トイレで、私達は最後のプレイの準備を行った。と言っても手の使えない私は何もせず、翔の行為にただ身を任せるだけ。おぞましい筈の浣腸液の注入さえ、ずっと刺激を受けて開き切っていた私のアナルは歓びと共に受け入れてしまった。

「ちょっと人がいるみたいだけど……」

 さすがの翔も緊張して声が慄えていた。

「いいよ。
 お散歩に連れてって、翔……
 いいえ、ご主人様」

 言われもしないのに自然とその言葉を口にした私の唇を、もう1度優しいキスで塞いでくれた翔は、いよいよ白昼の公園を、全裸で「犬」になった私を連れて歩き出す。広くて人の散在する真昼の公園を、人間の手足でなくなるよう大きなグローブをはいた私は、四つ足で首輪で引かれながら歩いて行くのだ。途中の大きな木には足を上げておしっこを引っ掛け、浣腸が効いて来たら大きい方の粗相もしてしまうだろう。そして約束の公園を1周し終えた時、私達には許されない新しい未来が見えて来るだろうか。息苦しいまでの凄まじい興奮に有頂天になりながら、私は「ご主人様」翔に連れられて散歩の足を踏み出す。

〜おしまい〜


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