人妻ブルセラ
二次元世界の調教師:作

■ 1

 一世を風靡したブルセラブームだが、当局の法規制の締め付けがきつくなり、最近ではすっかり下火になった。俺の経営しているブルセラショップ「ホワイトソックス」でも、下着等を売ってくれる女の子の確保が難しくなり、客足も遠のく一方だったので、この春思い切ったリニューアルを断行した。題して「人妻ブルセラ」。女性の着用した汚れた下着などを売買するのは同じだが、その対象を女子中高生から人妻熟女へと180度転換してみたのだ。すると意外にもこれが大当たり。一時は閑古鳥が鳴いていた、うなぎの寝床のような狭苦しい店内は、昼前の開店時からすでにかなりの大盛況である。

「ええと、緑川さんは1週間でしたね。
 間違いありませんか?」

「はい」

「ズルなさったりされてませんね?」

「はい」

 俺は羞ずかしそうに目を伏せてそうつぶやくように答える、目の前の中年女性の色っぽさに仕事も忘れそうになるほどクラッと来ていた。一週間はき続けた下着を売りに来た、この緑川梓と言う女性は42歳。本物の人妻らしい。俺より7つも年上だが、ションベン臭いガキどもを相手にしていた頃には感じたことのない興奮を覚えた俺の股間は、痛いほどビンビンに張り切っていた。

 この店は人件費がもったいないので、レジに立たせる学生のバイトだけで基本的には俺1人がやっている。今梓さんと小テーブルを隔てて向かい合って座っているのは、店に下着を売りに来た女性と俺が面接する四畳半の和室。お察しのように、下着売りの女性と、それなりの行為に及ぶこともままあるわけで、畳敷きの部屋はそういう場合に都合が良い。本物の「ブルセラショップ」だった時代には、そんな気になることはほとんどなかったが。

 俺が20代後半でこの店を始めた頃には、自分はロリコンだと思っており、趣味と実益を兼ねるような軽い気持ちだったのだ。下着を売りに来るような貞操観念の弱い女学生と、うまくやればオイシイ思いも出来るに違いないと思っていた。そしてやはり下着を売りに来るガキは軽い子が多いのは確かで、それとなく誘えばえっちな行為を許してくれたのだが、これをやると俺の方が金を払わねばならない。店の経営がなりたたなくなってしまっては本末転倒だから、よほどのカワイコちゃんしか相手にしないことにした。

 が、毎日毎日、パンツ売りの女の子達の相手をしているうち、今度は次第にこちらの方がまるで興奮しなくなって来た。何せ相手は一回り以上歳の離れた、ぎゃあぎゃあうるさいお子様である。よほどの美形か、清楚なお嬢様なら別だが、あいにくそんな子がパンツなど売りに来るわけはなく、俺は次第に幻滅し極めてビジネスライクに女の子をただの商品として扱うようになっていたのだ。第一本物の女子中高生とヤッてしまうのはヤバい。下手すると商売ばかりか俺の人生上がったりだ。

 だからその意味でも人妻路線への方針転換は大正解だった。まだハタチそこそこの若妻から老女までターゲットはめちくちゃ広い。老女なんて商売になるのかと思ったが、世の中いろんな趣味の人がいるもので、60歳以上の女性限定コーナーが意外な程人気となっているのは実に驚きだ。

 さすがの俺もそこまでは無理だが、この人妻ブルセラを始めてから、下着を買い取るついでにちょっとつまみ食いさせてもらう女性の数は一気に増えた。毎週数人とは確実にヤッテると思う。下着などを売りに来るくらいだからそうなのかも知れないが、大人の女性は誘いを掛ければ大抵お相手をしてくれた。俺は自慢じゃないが、全然ブサイクでかなりの肥満体であるにも関わらず、だ。軽いと思っていたパンツ売りの女子高生達よりさらに尻軽なので、日本はこんなことで大丈夫だろうかと、ガラにもなく心配になるくらいである。

 発覚するとヤバいとビクビクしながら、性経験が乏しくマグロみたいな女子高生とヤるのは、労多くして実りの少ないセックスだった。何すんだ、このオッサン、と言いたげな目で見られ、乳を触るだけでギャハハ〜とバカ笑いされた日には勃つものも勃たない。その上終わった後は小遣いもやらねばならない。大人のパンツ売り女性とのセックスの素晴らしさを知った後では、あんなクソガキどもに惑わされていた自分がアホらしく思えて来る。

 その点、大人の女性、ありていに言えばオバサンとヤルのは、お互い大いに盛り上がって非常に楽しい。比べたわけではないが俺のムスコは人よりサイズが大きめらしい。これはまだアソコの狭い女子高生とヤルには不利だったが、かなり緩くなったオバサンにはとても重宝される。やっぱり女性に歓んでもらわないと、セックスなど楽しくないから、俺は完全にロリータ趣味からも方向転換したのである。

 そしてオバサン達は、ヤッてしまってもお金をくれ、なんて言わないありがたい人が多い。金を稼ぐために下着を売りに来てるはずなのだが。もしかすると、単にえっちな刺激が欲しくてこの店に来てるのだろうか。ならば俺が食べてあげるのは、彼女達にとっても願ったり叶ったりなわけだ。

 さてそんな俺を大いに興奮させている、42歳の人妻である梓さんは、これまで出会ったオバサンの中では最上級の美人と言って良かった。そんなに厚化粧ではないが、やはり女としての年期が違うようでメイクも品良くばっちり決まって、まるで女優みたいだった。実際、名前を思い出せないが、昔アイドル歌手で今は美人女優として有名な芸能人ととても良く似ている。そんな美女がまるで小娘のように真っ赤になって羞じらいながら、今から俺に1週間身に着けている下着を差し出そうと言うのだ。俺のムスコが爆発寸前にドクドクと脈打ってもやむを得まい。

「ところで奥さん……
 ええっと、奥さんで良かったですか?」

「はい。
 主人と、子供が2人おります。」

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊