淫蝶
二次元世界の調教師:作

■ 1

「校長先生、お早うございます」
「お早うございます、吉野先生」
「では、ご奉仕させて頂きます」

 その日も学校が始まる前の早朝、青蝶女学院の校長室をのぞいて深々とお辞儀をした私は、さっそく校長先生がどっしりと座っておられる大きな机の下に入り込みました。それから手早く黒いスーツを脱いでいきます。

「今日は1週間目でしたな」
「はい……どうか、お納めくださいませ」

 下着だけになった時に校長先生がそうおっしゃられましたので、私は大きな紫の花柄のブラジャーを外して差し出しました。もしかして忘れておられたら? と言う懸念は杞憂でした。校長先生が私を大切に調教して下さっている証拠です。1週間着用を続けて汚れが気になるブラを献上し、重々しく垂れ下がってしまい嫌らしく大きな乳首の色素沈着が気になるお乳を晒さねばならない羞ずかしさにも耐えることが出来ます。

「おお、吉野先生の嫌らしいメスの匂いがプンプンしますぞ」
「そんなこと……」

――言わないでくださいまし、校長先生。羞ずかしいではありませんか

 校長先生が目を細めてその紫の目立つ布地をクンクン嗅がれるものですから、私はもう40手前だと言うのにまるで少女のように頬を染めてしまいました。

「ご主人は、あなたが1週間同じ下着を着けていても、お気づきにはならないのですか?」
「はい……」

――だって抱かれることなんてないんですもの

 他の高校で私と同じ教職に就いている主人とは、もう1年以上夜の生活はございません。上の子は高校生ですし狭い我が家では気になってしまうと言う理由もありますが、多忙で毎日帰りが遅く、休日も運動部の部活動でほとんど潰れてしまう主人はいつも疲れ切っているようなのです。

「紫は欲求不満の色と言いますな」
「違います……」

 私は校長先生のご希望で花柄の下着を身に着けているだけなのですが。ピンクなどのカラフルなものはこの年齢では羞ずかしく、最も落ち着いた色かと思って選んだ紫の花が欲求不満を表しているだなどと聞いたら、以前の私なら一笑に付していたことでしょう。

「こんな美しい奥さんを放っておくとは罪作りなご主人だ」
「そんなことはございません」

 お世辞とは言えしばらく聞いたことのない「美しい」などと言うおホメ言葉を頂くのは素直に嬉しいのですが、私は決してセックスレスを不満に思っていたわけではないのです。私の方も家事と2人の女の子の育児で一杯でしたが、私に似たお姉ちゃんと主人に似た妹の日々成長していく姿に大きな幸福を覚え、何の不満もない生活でした。よく旦那さんに構ってもらえない人妻が欲求不満で不倫に走る、などと言いますが、あれは男性に都合の良いフィクションです。他が満ち足りていれば、性生活のないことが大きな問題ではありません。

 そう、私は何の不満もない幸せな家庭生活を送り、不倫しようだなんて夢にも思ったことはありませんでした。校長先生に出逢うまでは。

「それではセクシーな下穿きを頂きましょうか」
「はい……」
「何だか、吉野先生の嫌らしいおま○このニオイがすでに漂っておりますぞ。これは欲求不満の人妻のニオイなのではありませんか?」
「ああ……羞ずかしい……」

 ブラジャーよりはるかに羞ずかしい、紫の花柄ショーツの汚れは深刻でした。冗談でなく、本当にツーンとすえたようなすっぱいニオイとおしっこのニオイが混じった香りが鼻に付きます。そのじっとりと湿っぽい布地を直視する勇気のない私は、あちらの方を向いて脚をずり下ろしハイヒールの爪先から抜き取りました。全裸でハイヒールだけと言うのは凄まじく羞恥を煽る格好ですが、私は悪いことをして校長室に呼び出された高校生のようにドキドキ慄えながら、紫のショーツを手渡しました。

「思った通りですね、吉野先生。ちょっと黄ばんで、ベットリ染みが出来てるじゃありませんか。あなたはいつもおま○こをグショグショに濡らしているのではありませんか?」
「ああ……そんなことありません」
「じゃあ、この汚れはどう説明されるのですか?」
「それは……ああ、もう、ご奉仕させて下さいまし……」

 私は答をごまかして、校長先生のパリッとした高級スーツのズボンを緩め、立派なシンボルを手で掴み出しました。それはとても還暦を過ぎた男性のものとは信じられない、逞しく大きく傘の開いた逸物です。

「待ちなさい」
「イヤ……」
「そんな上目遣いで色っぽく男をたぶらかそうとしてもダメですよ、吉野先生。ちゃんと言えなければ、ソイツはあげられません」
「そんな……」

 校長先生の男性自身は私にとって理想的過ぎて、それを目の前にしているのにまるでおあずけを喰らった犬のような気持ちになっていました。

「校長先生の、おちんちんを、下さい」

 男性器を指す言葉自体口にしたことのなかった私にすれば思い切って「おねだり」して見せたつもりでしたが、やはりごまかしは聞きません。

「そんなことを聞いてるのではありませんよ。パンツの汚れの理由を言いなさい。染みがベットリ付いてるのはなぜですか? それから黄ばみがひどくて黒ずんでるのは何の色なのか、ちゃんと説明するのです、吉野先生」
「それは……」

――ああ、言えない、そんなこと……

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊