淫蝶
二次元世界の調教師:作

■ 6

――ああ、私、もう駄目……このままじゃとても……

 体奥で欲情の炎がぼうぼうと燃え盛り、淫蝶のバイブレーションで初めて授業中に気をやってしまった私は、どんどん淫らになって行く自分の体が恐ろしい程でしたが、これではもう教師としての勤めも出来ないと思い、校長先生に禁止されている指入れオナニーで淫情を解消しなければなりませんでした。便座にまたがってノーパンの股間を晒し、青い淫蝶の淫らなはばたきを心地良く味わいながら、人差し指と中指を揃えて蜜壷に挿入すると、素晴らしく満ち足りた気分になってその指をクチュクチュと心行くまで激しく動かしてしまいました。校長先生によく、食い千切られそうだ、とからかわれるのですが、私の粘膜の羞ずかしい襞が指にキュウッときつく絡み付き、指を動かすのに苦労する程でした。

――私、欲求不満の人妻なんだ……

 授業中に我慢出来なくなって駆け込んだトイレで、自分の2本指を万力のような力のアソコで食い締めてしまう私は、そう納得せざるを得ません。そのことに気付かせて下さったのは校長先生。私は放課後きついお仕置きを受けてしまうことを覚悟しながら、禁止されていた1人えっちで極めていき、初めて校長先生に抱かれてしまった日のことを思い出していました。

 それは4月に入り、私は新採用の職員として、主人は父親として、真新しい制服姿も眩しいまりあの入学式を見守った日のことでした。まりあはクオーターなのですが、母方の血が濃いのでしょう、私以上に色素が薄い色白の上、目の色も日本人とは違い、まるで生きたフランス人形のような外見です。誰よりも目立つわが娘の晴れ姿をこの名門女子高の入学式でしっかりと目に焼き付けて、私自身もこの学校で新たに働く幸せを噛み締めていた時には、まさかこんな事態が待ちかまえていようとは思いもしませんでした。

 その日の夕刻から、英語科の先生方と校長先生、教頭先生を交えて、私の歓迎会が開かれました。英語科の先生方は皆さん優秀そうでしたが、校長先生がおっしゃった通り私より10以上お若い方ばかりで、いきなりやって来て主任に収まろうと言う私にやっかみなどはなく、ごく自然に受け入れとても温かく迎えて下さいました。歓迎会の場所は洒落た小さなフランス料理店で、そんなにお酒を飲むことのない私も高級ワインを口にしてしまいました。

 私はその時気分が高揚していたせいだと思いましたが、恐らく校長先生が怪しげなおクスリを使われたのでしょう。あっと言う間に目が回り生まれて初めて意識があやふやになるまで酩酊してしまった私は足腰が立たなくなり、気が付くとタクシーの中に校長先生と2人切りになっていました。そして連れ込まれたのは、変なホテル。私は存知ませんでしたが、男女が秘め事を行う専用の場所のようです。何もかも初めて経験することばかりで、酔いが残る頭がクラクラしていた私は、もうパニックに陥ってしまいました。

「吉野先生、私はあなたを一目見た時から、ゾッコン惚れ込んでおったのです。ぜひ一度、抱かれては頂けませんか?」

 頭はクラクラと混濁し、手足はまだ痺れたようでほとんど自由の利かない私をホテルの部屋に連れ込んだ校長先生は、単刀直入にそうおっしゃいました。私はもちろん主人のある身ですから強く拒絶の言葉を口にしましたが、校長先生は。お願いします! と押しの一手で、私はいつの間にかベッドの上に手錠で人の字に拘束されていました。ただでさえ酔いで体に力が入らないのに、女性扱いになれていらっしゃる校長先生の拘束は手早くてすぐに身動きが取れなくなり、私は抵抗を諦め、やめて下さい、と弱々しく懇願するばかりになったのです。

「私はSMに興味があるのです。吉野先生はご主人に縛られたことはおありですかな?」
「そんなこと……ありません」
「では、味わってみて下さい」
「あっ!」

 縛られてしまってはどうしようもありません。私はもう覚悟を決めて、意地の悪い校長先生の問い掛けにも素直に答えてしまいました。主人は至ってノーマルな人で、ベッドでもとても優しくSMプレイだなんてとんでもありません。するとアイマスクをされてしまったので、私は思わず声を出してしまいました。

「色っぽい声をお出しじゃありませんか。縛られて、目隠しされて……ははは、ゾクゾクするのでしょう。私が見込んだ通り吉野先生はマゾっ気がタップリおありのようだ」

――マゾだなんて……

 自分とはまるで無縁だと思っていた「SM」だの「マゾ」だのと言ったお言葉に、私は怯えてしまいましたが、その実校長先生がおっしゃる通り、目隠しされた瞬間にゾクリと背筋を妖しい戦慄が走ってしまったのです。思わず出てしまった声も嫌になるくらい鼻に掛かった悩ましいものでした。

「それにしても素晴らしい……お顔だけかと思ったら、お体中シミ一つない白さじゃないですか。抜けるような美白とは吉野先生のことらしい」

 校長先生はそんなことをおっしゃいながら、私の服をゆっくり脱がせていきます。ベッド上に縛り付けるまでは男らしく力づくでしたが、私が諦めて無抵抗になると一転して体に賛辞を述べながら壊れ物でも扱うような優しさを見せられて、これから主人以外の男性に抱かれてしまうと言うのに、体の奥からゾクゾクと込み上げて来る興奮はもう抑えられませんでした。そして気が付けば上半身最後の1枚となったブラジャーに手が掛けられていました。

「黒ですか、吉野先生。こんな真っ白なお肌に黒とはそそられます。若い者が見たら鼻血でも出しそうですな」

 還暦を過ぎた校長先生は年の功と申しましょうか、慌てず騒がず女心をくすぐりながらのプレイに長けておいでのようでした。主人とのごくノーマルなセックスしか知らなかった私は、ワインの酔いと一緒に心地良いムードに流されそうになって、慄然としてしまいました。主人はとても口下手な男性で、セックスの時もほとんど無言で抱いてくれるのです。でも彼が私のことを大切に思い愛してくれていることは明らかでしたし、そんなものなのだろうと思っていました。抱かれれば歓びを覚えましたし、肉体的な快楽より愛する男性と1つに繋がれたと言う満足感が大きくて、主人とのセックスに不満を感じたことは一度もありません。

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