ハルナさんのご乱心
二次元世界の調教師:作

■ 8

『アナタハ、セイショクノ、ヒケンタイニ、エラバレマシタ。アスカラ、ジュウニンノメスト、マジワッテ、クダサイ。アナタノカラダニ、ウメコムアイシーチップガ、セイショクコウイノ、データヲアツメマス』

――10人の女の子とえっちして、データを集めろ、というわけか。だからハルナさんは、毎日とっかえひっかえ違う男と……

 その中から次の被験体に選ばれたのが僕だったのだろう。処女だったとは言え絶世の美少女であるハルナさんなら、10人の男を誘い出し関係を持つことも簡単だったに違いない。だが、何の取り柄もなく、内気で女の子とまともに口も利けないこの僕が、10人もの女の子とえっちするなんて不可能ではないだろうか。すると僕の心理を読み取った宇宙人がテレパシーを送って来た。

『アナタヲ、カイゾウシテイマス。アナタハ、アラユルメスヲ、マンゾクサセルカラダヲ、テニイレルノデス』

 だったらもっとイケメンにしてくれよ、と思ったが、全身に取り憑いて淫靡に蠢く触手の「改造」が続くに連れて、強烈な快感で余計なことを考える余裕は失われた。特にアナルに入り込んだ触手が体の奥深くまで抉って心地良く慄えくねるのがこの世のものとも思われぬおぞましい快感を伝え、細い糸のような触手が尿道にまで入り込んで刺激し、全体を激しくしごかれるペニスからは、次々に人間業とは思えない大量のセーエキを吐き出したようだった。

『アナタノカイゾウハ、ナリマシタ。ツヅイテ、レッスンヲ、オコナイマス』

――レッスンだって!?

 宇宙人による改造が終わり触手から解放された僕の目の前に、見覚えのあるセーラー服姿の女の子が横になっていた。同じクラスのミヨコさんではないか! 僕は、昏睡している彼女とえっちしたい、という猛烈な衝動が全身を突き上げて来るのを感じていた。

――ミヨコさん! 彼女って、こんなに魅力的な女の子だったのか……

 正直言って、僕はミヨコさんのことを女の子として意識したことは一度もなかった。とりたてて美人と言うわけでもなく、どこにでも居そうな内気で大人しい子。そう、たとえて言えば、まるで僕と同じような……

『カノジョヲ、ダイテ、ヨロコバセテ、アゲナサイ。ワタシが、アラユルホウホウヲ、デンジュシマス』

――そうか。そうゆうえっちのレッスンなのか。だからハルナさんは……

 あんな素晴らしいえっちテクで、僕を夢中にさせたのだ。だが僕はすぐにでもミヨコさんにむしゃぶりつきたい欲望を抑え、宇宙人にキッパリと拒絶の意志を伝えた。

『レッスンなど、必要ありません。僕は自分の力で、10人の女の子と関係を持ち、歓ばせてみせます』
『ソレデコソ、オスデス。ソレデハ、コウウンヲ、イノリマス』

 タコ型宇宙人はそう言い残すと、あっと言う間にUHOと共に消えて行き、後にはミヨコさんとスッパダカの僕が残された。

――おい! 服くらい着せてくれよ……

 僕はミヨコさんが目を覚まさないか、誰か人が通らないかとビクビクしながら、辺りに散乱していた服を着た。すると、ウ〜ンと唸りながらミヨコさんが目を覚ましたのだが……

「あ、気が付いた?」
「……え!?……」

 当然ながら何が起きたのか見当も付かない様子で目覚めたミヨコさんは、僕が顔を覗き込んでいるのに気付くと、やおらパッと起きあがった。

「キャーッッ!!」
「あ、おい、ミヨ‥…」

 僕が彼女の名前を呼び終える前に、強烈なビンタを喰らわせたミヨコさんは、脱兎のごとく走って逃げて行った。

――いってえ……

 一体、彼女にこのことをどう説明したら良いのだろう。だが、僕はヒリヒリする頬の痛みを心地良く感じながら、クラスのいろんな女の子の顔を思い浮かべていた。

――ミヨコさんだけじゃない。カナさんも、タエコさんも、エリナさんも……

 どうしてこれまで気付かなかったのだろう。女の子はハルナさんだけじゃないのだ。その気になれば、僕の大好きなセーラー服を着たかわいい女の子たちが選り取り見取りじゃないか! 僕はまるで大勢の魅力的な女の子たちに囲まれたハーレムの王様のような気分になっていた。

――ハーレムだって? ちゃんちゃらおかしいや……

 誰1人、僕に好意を持ってくれているわけではない。こんなハーレムがあるわけはない。だが、宇宙人のおかげで男の本能を呼び覚まされた僕は、あらゆる困難に打ち勝って10人のカワイコちゃんたちとえっちすることに闘志が燃え、全身が震えおののくほどの興奮を覚えていたのだった。

〜おしまい〜

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