寄生虫
二次元世界の調教師:作

■ 2

――一体なぜ? もしかして、あの子が原因?

 後始末をすませてトイレを出、まだ授業真っ最中の教室の廊下を歩きながら、私は自分が犯してしまった淫らな行為の理由を考えていました。生理前だの、彼氏としばらく会ってないことだのは、理由になりません。あの、幼い外見なのに小悪魔のような淫らなフェロモンを振りまいていたマユミさんが、私の体に変調をもたらしたのだと考えざるを得ませんでした。

――ああ、又あの子と、2人切りで……怖い……

 若い女性としての防衛本能が働いていたのだと思います。まるで女性に飢えた男性と、狭い空間で2人だけになってしまうような恐怖を覚えた私はしかし、自分の持ち場である保健室に戻るよりありません。

――そんなこと考えるのはおかしいわよ。マユミさんは、ただ体調を悪くして休んでる女の生徒じゃないの……

 私は懸命に理性を働かせて自分に言い聞かせましたが、廊下を行く足が慄えてしまうのは止まりません。そして保健室に近付くと、今度は怖いのに引きつけられるような奇妙に倒錯した気分に陥り、ヨロヨロと部屋に入ったのでした。

「…… ああ……ああ〜……」

――マユミさん!

 保健室に入るなり耳に飛び込んで来た、マユミさんが苦しげに呻く声に、私はドキッとしてしまいました。

――布団が動いてる!

 マユミさんは苦しそうに目を閉じて呻いていましたが、布団がもぞもぞと蠢いているのです!

――まさか、マユミさんも1人えっち?

 たった今自分が指を使ってしまった私には、布団の下でマユミさんが手指を使って股間を慰めているように見えて仕方ありません。が、よく考えると男の子ならいざ知らず、女の子が1人えっちで布団を動かしてしまうほど手を動かすとは思えません。それに、眠っているのでなく1人えっちに興じているのなら、今私が入って来たのには気付いているはずです。私の頭にあり得ない考えが浮かびました。

――この子、私にわざと見せ付けてるんじゃ?

「先生」

 するとそんな私の気持ちを見透かしたかのようにマユミさんが口を開いたので、私は一瞬驚き部屋に入ったばかりの所で凍り付いたように立ち尽くしてしまいました。

「相談があるんです。部屋に中から鍵を掛けてくれませんか」
「どうして?」
「他の人には絶対に聞かれたくないんです。特に……男の人には」

 それは高校の保健室に勤めていれば時々あることです。女生徒が絶対に男性職員や友人には口に出せない体の悩みを、私に打ち明けて来ること。よくあるのは生理に関する悩みで、そんなことを聞いてあげるのも養護教諭の役目だと思います。だからマユミさんの言葉も不思議ではないのですが、ここで鍵を掛けて彼女と2人切りの密室になることに、私の中の警戒アンテナがしきりと警告を送って来ました。

――ダメよ、鍵なんか掛けちゃ、絶対にダメ、危ないわ……

「先生、お願いします! 私もう……耐えられないんです!」

 しかしマユミさんが泣きベソをかきそうな表情で語気を強くすると、私は覚悟を決めるよりありませんでした。中からガチャリとロックを掛けると、相変わらず布団の股間付近をモゾモゾさせているマユミさんの所まで、フラフラと引き寄せられるように行ってしまったのです。

「ありがとうございます。あの……凄く羞ずかしいんですけど、私の体変なんです。見てくれませんか? ビックリしないで下さいね」

 最後の言葉でとんでもない物を見せられるのだと思った私は逃げ出したい気持ちになりましたが、何だか彼女の醸し出すオーラのようなものが、私を縛っていました。ベッドの横でもう足が動けず、彼女がモゾモゾと蠢かせている布団の辺りをしっかり見ようと、しゃがんで目を近付けてしまいます。そしてマユミさんが片手でゆっくりと布団をはいで行くと、驚くべき光景に私の目は完全にテンになっていました。

――この子、女の子じゃないの!?

 そうです。彼女が見せて来たのは、ノーパンだったミニスカの下に堂々と生えた男性器でした。そしてあろうことか、マユミさんはその肉棒を手でシュッシュッと激しくしごいていたのです。

――大きい!……それにボコボコしてる!……

 私の彼のモノより一回りは太いでしょう。そして何だか胴体部にイボイボ状の突起がビッシリと埋まっていて、見るからにおぞましい「ペニス」でしたが、私の目は釘付けになって離せません。私は必死で口走りました。

「そんなこと、やめるのよ!」
「そう言われても……やめられないんです……」

――私と一緒だ……

 私だってトイレで1人えっちがやめられなかったのです。そして今、マユミさんはそのおぞましい男根をシコシコと刺激するのがやめられず、私はそれから逃げることはおろか、視線を反らすことも出来ません。まるでその「おちんちん」が邪悪な意志を持って、私たちを操っているかのようでした。

 そしてその想像は当たると言わずとも遠からずだったのです。

「ああん、先生、気持ちいいのおっ! アタシのおチンポ、よく見てえっ!」

 はしたなくそんな言葉を叫んだマユミさんが、一心不乱にシュッシュッとしごいているおぞましい肉塊から強力な磁場でも発生しているかのようで、私の顔は至近距離から逃げることが出来ませんでした。そしてその肉棒はマユミさんの子供みたいな白く小さな手にしごかれるのを歓んでビクビクと脈動し、一瞬ムクムクと膨張したかと思うと、ブシャーッと奇妙な濃緑色の液体が大量に噴出して、私の顔に浴びせ掛けられたのです。それは汚穢に満ちた外見なのに、魂まで揺さぶるような素晴らしく香しい匂いがして、私は全身にカーッと込み上げてくる異様な興奮を覚えていました。

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