トライアングル
二次元世界の調教師:作

■ 6

 こうして私は冗談でなく10回近い絶頂に昇り詰めてしまい、完全にヘロヘロの状態で彼の部屋にたどり着いたのです。リモコンバイブは強弱調整が出来るようで、今ゴムパンツの中はとても緩やかなバイブがジーッと掛かっています。そのため私は一思いに達することも出来ず、強烈な性的興奮状態から下りることも出来ず、蛇の生殺しのような状態で本当に頭がおかしくなってしまいそうでした。

「脱いだパンツを寄越せ」
「……これ」
「ガビガビだな。麻美のま○このニオイがするぜ」
「イヤッ! そんなの、捨ててちょうだい……」

 彼はいつも向かい合わせで座って勉強する小テーブルの上に、私の汚れたショーツをこれ見よがしに置いてしまったのです。

「よし、勉強会を始めるぞ」

 彼は私が嫌がってもどこ吹く風と言った様子で取り合ってくれず、数学の勉強の準備を始めました。私も観念して彼の正面に正座で座りましたが、下半身を襲っている2つのいたたまれない感触に懊悩は深まるばかりです。

――アソコとクリが、トロけちゃいそうに気持ちいい、又イッチャイそお!……オシリが痒い! ああ、何とかして……

 特にずっとウズウズと猛烈に疼き上がりながら何の刺激も与えられないアナルの窮状は深刻でした。淫らな体に調教されて、他の箇所なら正彦にはしたないおねだりをするのも平気な私でも、オシリの穴を弄ってだなんて羞ずかし過ぎてとても言えません。同じように薬で疼き刺激の与えられないおっぱいの方は、授業中机に突っ伏して密かに手で揉み上げ、指で乳首を転がして快感を貪ったおかげで、今ではあらかた痒みが治まっていましたが、アナルだけはどうにも出来ずにここまで来てしまったのです。

「おい、ちゃんと考えてるのか! 簡単な三角関数の応用じゃないか……」

 ああ。私は三角関数が大の苦手で、サイン、コサイン、タンジェント、なんて聞いただけで気分が悪くなってしまうんです。今過激なミニスカに包まれた下半身を遅う強烈な欲情に悩まされた状態で、数学の勉強など頭に入るわけはありません。 

 その時部屋をノックする音が聞こえ、私はビックリしました。正彦くんのお父さんはお医者さんで、お母さんは薬剤師ですが、彼の部屋に顔を出されたことは一度もありません。夕方から数時間、彼の部屋を訪れる人はいないことがわかっているからこそ、私たちは勉強会の後愛の営みに耽っていたわけですが。

「失礼します」

 そう涼しげな声で茶菓子を盆に乗せて入って来たのは、まだ若い女性でした。

――綺麗な人……

 その女性は今時珍しい漆黒のロングヘアを肩の長さで切り揃えていて、思わず見とれてしまうほどの日本的な美女です。ゆったりした黒っぽいホームウェアでしたが、和服が似合いそうな人だと思いました。

「姉貴だよ」
「あ、あの、中塚麻美です。いつも正彦くんに勉強を教えてもらっています……」

 彼は1人っ子だとばかり思っていた私は、慌てて初めてお目に掛かったお姉さんに頭を下げました。そしてある致命的なことに気付いたのですが、どうしようもありません。

――私のショーツが、テーブルの上に……

「正彦の姉の恭子です。こちらこそ、いつも正彦がお世話になっております」

 お姉さんは彼と歳が離れているようで20代後半くらいに見えましたが、弟のガールフレンドに対するものとは思えないほど礼儀正しく、畳の上に三つ指をついて挨拶されて、私の方が恐縮してしまいました。

――お姉さん、凄い巨乳……

 そしてその時どうしても目に入ってしまったお姉さんのふくよかな胸の谷間の立派さに、私は同性なのにドギマギしてしまいました。申し訳ないのですが、私はお姉さんの醸し出している過剰なまでの女のフェロモンを感じ取り、姉と弟という関係なのに、正彦くんと意味深げに目配せする様子に不自然なものを本能的に感じていました。すると正彦くんはとんでもないことを言い出したのです。

「姉さん、悪いんだけど下着を貸してやってくれないか」
「下着って……」

 驚いた様子の恭子さんに、正彦くんは何とテーブルの上に置いていた私の汚れショーツを手に取って言いました。

「彼女、ちょっと事情があって下着をこんなに汚してしまったんだ。ノーパンじゃ帰れないからさ……」

 一体何てことを言ってくれるのでしょう。常識外れもいいところで、正気の沙汰とは思えませんでした。

――アン、い、イヤあ〜っっ!!

 私が何ともいたたまれない思いでいると、正彦くんの悪戯でしょう、リモコンバイブがにわかに振動を強めて来ました。はしたな過ぎる私の超ミニスカを注視しているに違いない恭子さんの目の前で、どんどん突き上げて来る素晴らしい快感は抑え難く、私はもうどうにでもなれとバイブの振動に身を任せてしまうよりありません。

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