トライアングル
二次元世界の調教師:作

■ 11

「姉さん、下手に動かない方がいいよ。大事な豆が千切れちまうぞ」
「ぐあ〜っっっ!!!」

 何と言うことでしょう。恭子さんが目を開けて私を睨み付けていると見た正彦くんは、滑車でさらに少し吊り糸を引っ張り、彼女から断末魔のような重たい悲鳴を搾り取ったのです。私はさすがにもう我慢出来なくなって口走ります。

「お願い、やめてあげて!」
「お前を口汚く罵倒して、俺に別れろ、と言った女だぞ」
「でも……」

 女性にとって最も辛い箇所をいたぶられる残忍なお仕置きを見せられて、平気でいられるわけがありません。しかし続く正彦くんの言葉はショッキングでした。

「勘違いするなよ、麻美。女の体はいくらでも痛みに耐えられるように出来てるんだ。でなきゃお産なんか出来るわけがない。姉貴もどMでさ、痛め付けられてスッゲエ歓んでるんだぜ。お前にもわかるはずだ……」

――あり得ない……で、でも……

 私は正彦くんの勝手な理屈を論外だと思いながら、恭子さんのひどい苦痛で歪められた顔が最高の快楽を訴えているものにも見えてしまったのを否定出来ません。そしてもし私がこの「三角豆吊し」をされてしまったら、と想像してしまうと彼の言葉が真実味を持ってしまい、いつの間にか全身が凄まじい興奮でガタガタと大きく慄えていました。恭子さんは少しでも動けば大事な女の子の急所に激痛が走る残酷なお仕置きを、ほぼ半日耐えて来たのです。

「俺はウソなんか言ってない。ソラ見ろ」

 正彦くんは恭子さんの吊られた花芽の下の唇を指でくつろげて見せました。中からドロリと大量の淫密が溢れ出し、指ですくうと納豆のようにネバネバの糸が引いています。何よりベッドのシーツが大量のおねしょでもしてしまったかのように洪水状態だったのが、彼の言葉を裏付けていました。

「んん〜っっ!!」

 恭子さんは、激しい苦痛と快楽の狭間で正気を失いかけているのか意味のある言葉を発することが出来ず、ただ苦悶の呻きを搾り出すばかりでした。でもそれは聞きようによっては、強烈過ぎる快感に狂った女性が甘くむずかるように鼻声を洩らしているようにも思えるものでした。

「おい麻美。姉貴の顔に近付けて、例のパンツを見せてやってくれ」
「ええっ!?」

 私は戸惑い尻込みしましたが、正彦くんは強引に私を麻美さんが拘束されたベッドに上がらせ、膝立ちの姿勢で彼女の頭の上の方をまたいで、ミニスカの中をのぞかせる格好に誘導しました。

「姉さん、目を閉じるんじゃないよ。さもなきゃ……」

 正彦くんがさらに滑車に手を掛けると、再び恐ろしい悲鳴を上げた恭子さんは仕方なく目を開け顔面騎乗の格好で迫る私の股間に目をこらせたようです。

「コイツ、仲良くしたいからって、こんなに姉さんのパンツを汚したんだよ。麻美、もう一度オナって、姉さんにシミを付ける所を見せてやってくれ」

 ああ。何と言う不謹慎な行為でしょう。私は恋敵に当たる恭子さんの顔面に今にも触れそうなほど腰を落として彼女の視線を痛いほど感じると、理性が粉々に吹き飛ぶほどの強烈な興奮を覚えて、今日1日何度も繰り返し行った指弄りを始めてしまいました。股間に喰い込む恭子さんのTバックの下に入れた手指でクリ豆をくじり蜜壺を指でかきまぜ、さらにもう片手の指をアナルにまで打ち込むとあっと言う間に凄まじいアクメが訪れ、ほとんど失禁したのと変わらない豪快な潮を吹いてしまった私の体液はショーツを滴り落ちて、恭子さんの顔にまで掛かってしまったのです。

「姉さん、わかったかい? コイツと仲良くしてくれりゃ、姉さんも俺の女にしといてやるよ」
「……イヤ」
「強情だなあ」

 またもや正彦くんの手が滑車に掛かると、恭子さんは張り裂けるような悲鳴の後号泣を始めました。でも正彦くんは怖ろしい人。通ならぬ関係にある、絶世の美女と言って良い実の姉の全てを晒け出した哀れな姿にも心を動かされないのです。

「いくら痛い目に遭わせても、よがり泣くばかりじゃ埒が開かないな」

――よがり泣くだなんて、ひどい! 恭子さん、死ぬ程痛くて泣いてるのに……

 でもその、人を人とも思わぬ傍若無人な正彦くんの言葉と、狂ったように泣き叫ぶ恭子さんの姿を重ね合わせると、私はもう全身の血が逆流するほどの興奮が抑え切れなくなり、恐ろしい結論に達したのです。

――私も、正彦くんにイジめられらたい……あんな風にオマメを吊られたら、どんなに素敵かしら……

 だって真っ赤になって泣きじゃくる恭子さんの、白目を剥き涎を吹きこぼして悶絶する顔は、確かに凄まじい苦痛と同時に至福の歓びをも浮かべていたのですから。

――これがどMってこと?

 いつも彼が私を罵倒するその言葉が恭子さんと私を呪縛して、正彦くんから離れられなくしていることがはっきりわかりました。彼が鬼畜のように私たちを扱い、ひどい辱めを与えればそれだけ、どMの私たちは彼なしでは生きていけなくなってしまうのです。「三角豆吊し」と言う非道なお仕置きによって、恐らく発狂寸前に追い込まれている恭子さんの悶絶ぶりを見て、羨ましいと思ってしまった私の運命は、恭子さんと共に正彦くんの手の中にあるのでした。

「姉さん見るんだよ。おい麻美、抱いてやろう」

 そんなことを言われた私は反射的に両手を背中に回しましたが、正彦くんは手錠を掛けてくれませんでした。

「ははは、そんなに縛られたいのか、かわいいやつだ。でも今日は良い。とっとと姉貴のTバックを脱ぎ捨てて、俺の上に繋がれ」

 正彦くんは下半身だけ裸になると、ベッドの下の床に仰向けで寝そべって、素晴らしい男性自身を天に向けて力強くそそり勃てていました。私は縛られてもいないのに両手を自ら背中で束ね、彼のシンボルにご奉仕しようとして又咎められました。

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