トライアングル
二次元世界の調教師:作

■ 12

「だから今日はそんなことはいいんだよ。さっさと女性上位で繋がるんだ、麻美」
「うん……」

 何だか勝手が違う、と思いながら、恭子さんの苦悶を目の辺りにして、はしたなく欲情を新たにした私は、Tバックショーツを脱ぎ捨てると彼の上に腰を下ろしていきます。手を使うことが出来るので彼のモノをナビゲートして、あっと言う間に待ちに待った結合を果たすことが出来ました。そして挿入が深まるとまるで脳を焼かれるような強烈な快感が込み上げて、私は哀れな恭子さんに見られているであろうことなど頭から消し飛び、素直に歓びを告げていました。

「正彦くん、いいっっ!!」
「いきなりはしたないやつだな」
「だってえ〜!」
「よし、思いっきり腰を振って、どれだけ気持ち良いのか、姉貴に聞かせてやれ」

 私の腰は言われる前からすぐに浅ましい上下運動を始めていました。いつもは封じられている手が使えるので彼の背中に回してきつく抱き付き、グイグイと腰を使いながら彼を力の限り締め上げて、その歓びを余すところなく大声で聞かせてしまったのです。そして三度も気をやって絶叫して見せると、彼は私のとめどなく動き続ける淫らな腰を手で押さえ付けました。

「ストップだ。出ちまう」

 私はすっかりエキサイトして、中出しされても構わない気持ちでしたが、正彦くんは冷静でした。

「ケツを出しな。そちらに出してやろう」
「うんっっ!!」

 もう恭子さんの前でと言う抵抗感も、アナルを犯される嫌悪感もまるでなく、本心から鼻を鳴らして嬉しそうに甘え声を出した私は、昨日のようにうつ伏せでお尻を高く上げ彼に差し出します。そして彼にアナルを貫かれた時の歓びを告げる私の声は前部以上に淫らではしたなく、完膚なきまでに恭子さんの胸に突き刺さるものであったに違いありません。

「昨日ケツの味を覚えたばかりにしては激しいな。さすがどMだ」
「イヤン!」
「姉さん。麻美は姉さんより先にアナルファックがクセになっちまったみたいだ。姉さんも早く見習いなよ」

 そんなことを余裕タップリに言って、私のアナルに容赦ないストロークを送り込んでくれた正彦くんによって、立て続けに何度も何度も達し獣のような激しいイキ声を聞かせてしまってから、彼のザーメンをお尻の中に浴びた私は今日も半分心神喪失状態に陥っていました。

 ところがまだ終わりではなかったのです。

「ははは、イキ疲れただろう麻美、こっちへ来い。お前の方は姉貴と仲良くしてくれるんだよな……」

 正彦くんに誘われるままに、恭子さんが凄惨な「三角豆吊し」を受けているベッドの上に上がった私は、人の字に開かされた彼女の股間に伸びているテグスの繋がっている肉塊をのぞき込み、異様に大きく膨らんだそれがわずかにヒクヒクと慄えおののくのを目の辺りにして、改めて胸が潰れそうな思いになりました。

「姉さん、麻美と仲良く俺の女になる決心はついたかい?」

 先程と同じ質問でしたが、激しく泣きじゃくっている恭子さんは、やはりイヤイヤと首を振ってしまいます。

「姉貴は痛め付けても駄目だ、言うことを聞かない。素直になれるように、仲良くしたがっているお前の手で、気持ち良くしてやってくれ」

 そう言った彼に手渡されたのは例の高級媚薬のチューブと小筆でした。彼の方はすぐに小筆に媚薬をまぶすと、吊られている乳首に塗り付け始め、すると恭子さんの泣き声のニュアンスが気のせいか変わって来たのです。それは余りに痛みが高じて苦痛の感覚が麻痺し、別の感覚に取って替わられているかのように、私には聞こえました。

――恭子さん、オマメちゃんを筆をくすぐられて、気持ちいいんだ……

 乳首やクリトリスを小筆でくすぐられるのは正彦くんとの拘束SMプレイで、私にも経験のあるプレイです。指や舌より繊細な感触の小筆は、とりわけ鋭敏な股間の尖りには抜群の相性で、あまりの快感でそれだけで昇り詰めそうになってからかわれたこともあるくらいでした。でもテグスに搾り出され釣り上げられて目一杯充血し、恐ろしい感度になっているであろう「豆」にも通用するのか、私は半信半疑です。たまらなくて体を動かせば地獄の痛みに襲われるのですから、恭子さんの苦しみはいかばかりか同情を禁じ得ませんでしたが、その痛みもどMの彼女にとっては快楽に繋がるものなのだ――そう自分に言い聞かせた私は、小筆に薬を盛って恭子さんのクリトリスに這わせていきました。

 たちまち恭子さんが上げた強烈な悲鳴に怖じ気づきそうでしたが、彼女は痛くても歓んでしまうんだ、と言い聞かせた私は無慈悲にタップリと薬を塗り付けていき、次に手渡されたローターの振動も何度も何度も押し当てて恭子さんを泣き叫ばせました。

――恭子さん、ごめんなさい……でも、ホントは気持ちいいんでしょ? あなたは、私と同じ「どM」なんだもの……

「女の体は苦痛より、快楽に弱い、って言うけど、いい加減観念したらどうだい、姉さん?」

 正彦くんが聞くと、とうとう恭子さんはコクリとうなずき恭順の意を表していました。

「それじゃさっそく2人で仲良くしといてくれ」

 正彦くんが釣り糸も手足の手錠も外してそう言うと、自由になった恭子さんは半日の苦行で疲労困憊のはずなのに、ギラギラした視線を私に向けてサッと飛びかかって来ました。

「恭子さん! や、やめて……」
「バカ野郎! 俺に手間を取らせるつもりか……」

 まるで私は飢えた肉食獣に捕らえられた草食動物のようでした。恭子さんは無言で私をベッドの上に押し倒して組み敷き、乱暴にセーラー服を剥ぎ取っていきます。抵抗を口にした私も、正彦くんに一喝されるともう観念して恭子さんのなすがまま身を任せ、たちまち一糸まとわぬ全裸になった2人はベッドの上で絡み合っていました。

「俺は数学の問題を解いてるからな。お前ら邪魔するんじゃないぞ」

 そう言って着衣を戻した正彦くんは、何事もないかのようなクールな表情で机に着くと勉強を始めます。そのすぐ横で仲良く彼の「女」にしてもらった私と恭子さんは情熱的な口付けを交わしながら、2匹の白い牝獣のように互いの白く美しい体を絡ませ、時のたつのも忘れて歓びを貪り続けるのでした。

〜おしまい〜

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