真澄くんパラダイス
二次元世界の調教師:作

■ 2

 確かに僕はカレーしかまともに作れる料理はないし、女性の食べる量は少ないから明日もカレーと言うのは論理的必然ではある。割と頻繁にあるのだけれど、単身赴任の父さんの所に母さんが出向いていくため、今日明日は僕と姉さんで夕食の給食当番をすることになっていた。佳澄は塾に通っていて8時過ぎまで帰って来ないのだ。こうして予想通りと言うべきか、二晩連続夕食を作ることになってしまった僕は、実の所そんなに嫌ではなかった。引っ込み思案でアニメオタクの僕は、女の子と話すとあがってしまうので、ガールフレンドを作ったこともない。部活にも入ってないから学校から帰るのは早いし、かわいい佳澄と見た目だけはイケてる姉ちゃんが、お世辞でもおいしいと言ってカレーを食べてホメてくれるのが、凄く嬉しかったりするのだ。我ながら情けないとは思うんだけど。

「姉ちゃん、学校にその格好で行くの?」
「そ。な〜んでもいいんだ、ウチの学校。実習の時は着替えるし」

 姉ちゃんは犬をしつける仕事に就きたい、とか言って、アニマルケアなんとかと言う専門学校に通っている。彼女のアブない性癖を知ってしまった僕は、妙な妄想をたくましくしてしまうことがある。「ヘンタイ」羽澄姉ちゃんが、あろうことか実の妹の佳澄にその魔手を伸ばしている決定的な場面を、僕はノゾキ見してしまったことがあるのだ。

 それは僕が夜中にトイレに起きた時のことだ。姉ちゃんと佳澄が共用で使っている部屋の明かりが点いているらしき気配に気付いた僕は、つい好奇心に負けてなぜか空いていたドアのすき間からノゾいてしまった。するとベッドの上で姉ちゃんと佳澄が真っ白な体を重ね唇を吸い合っていたのだ!

――姉ちゃんと佳澄がレズってる!

 それだけでも二度と忘れられないような衝撃だった。そしてその場にへたり込み、思わずチンポを握り締めながら目を凝らしてノゾくのをやめられなくなった僕の前に、さらにショッキングな光景が展開した。佳澄は何とベッドの上に人の字で拘束され、目隠しをされていた。そしてしばらく妹の幼い体を舐め回したり、えっちな道具を使ったりしていた姉ちゃんがすっくと立ち上がると、その股間には男性器ソックリな物体がそそり勃っていたのだ!

 ほとんど頭の中がパニック状態で夢中になってノゾきを続ける僕の前で、羽澄姉ちゃんは堂々と佳澄に覆い被さり犯していった。そしてハッと気が付くと、中からドアが開き、全裸の股間にヌラヌラ光るペニスバンドを装着した「ヘンタイ」羽澄姉ちゃんが、ニカッと笑って僕の肩を叩いていた。姉ちゃんは僕の行動を予測して、わざとドアのすき間を少し空けて妹とのSMレズプレイに興じ、僕にノゾかせたのだ。

 僕たちはその時一言も話してはいない。だから佳澄は僕にノゾかれただなんて夢にも思ってはいないだろう。羽澄姉ちゃんがなぜ僕にノゾかせるようなマネをしたのかもわからないのだが、その後僕にとってなぜか姉ちゃんの威厳はさらに増した。だって口先だけでない本物の「ヘンタイ」ぶりを堂々と見せられると、ヤバい人みたいな気がして、とても逆らえない気になってしまったのだ。実はもっと「ヤバい人」だったのだけど。

 そして僕の佳澄を見る目も変わってしまった。まだ見た目通り「お子様」だとばかり思っていたのに。姉ちゃんの「ペニスバンド」は結構デカかったのに、佳澄は痛がるでもなく、ハッキリ気持ち良さそうなエロ声を洩らしていたのだ。姉ちゃんに奪われたのかどうかは知らないが、バージンではない、と言う事実だけでも十分衝撃的だ。まったくもって女はわからない。イカれた姉ちゃんに、中学校のセーラー服を貸してやる神経もよくわからない。てか、ああいうのって何着も持ってるのか?

「で、合コンにセーラー服で行くの?」
「そ、勝負服よ。ついでに勝負パンツだよ、夕食当番替わってくれたお礼に見せたげよっか、真澄くん?」
「ね、姉ちゃん!」

 僕は内心ドキドキワクワクしてしまったのだけれど、ダメだよ、と手を伸ばして拒否をするポーズをとった。が、嬉しいことに羽澄姉ちゃんは、えらく短いヒラヒラのスカートをベロンとめくって「勝負パンツ」を見せてくれた。純白の小さなヒモパンツ。薄くてスケスケみたいな股当て布がやたら小さいのでモジャモジャの毛は見えるは、具までハミ出していそうな、メチャクチャのエロさだった。さすが「ヘンタイ」羽澄姉ちゃん。一応拒絶するポーズをとった僕が、思わずガン見して鼻血が出そうなほど興奮してしまったのは言うまでもない。

「ねえ、私中学生に見えるかな?」
「見えないよ!」

――一体どこからそんなセリフが出て来るんだ! そんなミニスカでエロエロパンツをはいた中学生がいたら、犯罪だよ!

 ようやく姉ちゃんがスカートを戻してくれたので、僕は反撃を試みた。このままからかわれたままでは、男のコケンに関わると言うものだ。コカンの方はもうビンビンだったけど。

「姉ちゃん、何で合コンに勝負服なんか着てくんだよ。男に興味ないんじゃねえの?」

 それはまだ1月もたってない、あの衝撃の姉妹レズ以来、何だか怖くて一言も姉ちゃんに言えなかったことである。姉妹で、と言うのもとんでもないが、そもそもレズビアンならどうして男に媚を売る必要がある? 性格はともかくルックスの抜群に良い姉ちゃんが、男と付き合っていないのも不思議に思っていたのだ。レズならその疑問も解決だ。

「誰が男に興味ない、なんて言ったのよ!」
「姉ちゃん、彼氏いないじゃん」
「バカね。ヘンタイハスミちゃんは、女の子にも男の子にも、興味があるのよ、ね、真澄くん……」

 姉ちゃんがイヤになるほど色っぽく僕に笑い掛けて、さらにミニスカをヒラヒラさせ「勝負パンツ」をチラ付かせて挑発して来るのを、僕は大声で振り払った。

「姉ちゃんっ! 僕、遅刻しちまうよ!」
「アタシ今晩は8時頃まで帰んないからね。カレー頼んだよ、真澄くん。あ、後ついでにヒマだったら、アタシらの部屋の掃除も頼もっかな……」
「じゃーな、姉ちゃん!」
「行ってらっしゃーい」

 姉ちゃんはもっとゆっくり家を出れば良いのだ。全く良いご身分である。僕は姉ちゃんの毒気に当てられ、学校でもコカンがモヤモヤして、非常に落ち着かない気分だった。トイレへ行って一発せんずるか。と一瞬思った僕はしかし、この所クセになってしまったある行為を頭に浮かべ、学校でえっちなマネをするのは我慢した。こうして僕は羽澄姉ちゃんの策略にスッポリ嵌って、とんでもない状況に陥ってしまうのだった。

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