女子能力開発研究所
二次元世界の調教師:作

■ 8

「そういう問題を抱えている女生徒さんは、ほとんどが思春期ゆえの抑圧された性衝動が原因なのです。まだまだ日本では、男性に比べると女性は健全な性の欲求を表すことをタブーとされておりますので」

 ここでももこちゃんが口を離してくれたので俺はホッと一息入れたが、彼女はエヘヘと小悪魔のように笑うとグローブで覆われた「前脚」でムスコを握り締めて来た。これではまるで勃起が治まる間が得られない。ふと見ると和田さんも中学生にナニを握られていたので、一発抜かれてしまったらしい。歯を立てぬよう嵌口具を嵌められた娘の口はぎこちないに違いないが、それはそれで刺激的なのだろうと思った。

「当研究所ではさまざまな手段を用いて、女生徒さんの抑圧された性衝動を解き放ってやり、秘められた女子としての能力を最大限に引き伸ばすという矯正を施しております。入所した研修生さんは、ここで1か月間寝食を共にしながら矯正教育を受けていただくことになります」

 ももこちゃんに一発抜いてもらって少し落ち着いた俺は、パンフレットに目を通してその料金に驚いた。俺の手取りの給料が半年分くらい飛んでしまうではないか。和田さんはよくこんな大金を払う気になったものだ。すると所長は俺の気持ちを見透かしたかのように言う。

「値段が高いとお思いかも知れませんが、それだけの価値は十分にあるものと、私どもは確信しております」
「そうですよ、田中さん。私は安いくらいだと思いますよ」

 和田さんもそう言ったが、確かに彼はそれだけの金を払ってもおつりが来るくらいの幸せを手に入れたのだ。俺は元引きこもりで今は「犬」にされている少女の手の中でペニスをビクビクとおののかせながら、揺らぐ気持ちと戦っていた。

「矯正が失敗することもあるのですか?」
「私どもの教育は絶対に効果が出るまで徹底して行いますので、矯正自体が失敗することはまずありません。これまで百名を超える研修生が百パーセント学校に復帰して、まじめに勉学に励むようになった実績がございます。ただし」

 ここで所長は間を置いた。やはり何か裏があるのかと俺が注目していると、彼はこう続けたのである。

「矯正された結果が期待していたものとは違う、という苦情がたまにございます」
「それはどういう場合ですか?」
「よくありますのは、娘さんが近親の男性に親密な関係を迫って困る、というものです。しかしこれは、その女生徒さんの秘められた願望を解放した結果ですから、致し方ないものと考えております」

 俺が和田さんの様子を伺うと、彼はニコニコしている。彼にとってはそれこそが素晴らしい矯正の成果だったのだ。では俺はどうか? 彼と違い、血の繋がった実の娘である彩美が、もし俺に「親密な関係」を迫って来たら?

――今さら何を考えてるんだ。俺は彩美とヤリたい。彼女がそれを望んでくれるなら、何をためらうことがあると言うんだ……

 彩美と同じ引きこもりだったと言うももこちゃんに「ご奉仕」されて今なおペニスを優しく握り締められている俺は、理性を喪失しつつあったのかも知れない。これは研究所の狡猾なやり口か、とも疑ったが、トロけそうな背徳の歓びを覚えている俺の股間は、大金をはたいて彩美を入所させることに半ば同意してしまっていた。

「もうご質問がなければ見学に参ります。研修生を連れて来て下さい」

 俺たちは渡されたチェーンで、当てがわれた少女たちを犬のように引いて行くことになった。中学生の子は嵌口具のせいでしゃべれないようだが、ももこちゃんは四つ足で首輪を引かれる屈辱的な仕打ちにも関わらず、

「どうかよろしくお願いします」

 と実に丁寧に挨拶して頭を下げていた。

「この子たちは矯正期間は長いのですか?」
「小学生の子は22日目です。中学生の方はまだ18日目くらいですから、全然未熟でございます」

――これでもまだ研修日が残っているのかよ……

 俺の目には従順なペットのようにふるまう少女たちは十分に「矯正」されているように見えるのだが。やはり聞きしに勝る徹底的な矯正教育が行われているようだ。

「こちらが第一研修室です。入所して5日間はこの部屋でさまざまな検査を受けながら、研究所の決まりなどをみっちり教え込んでいきます。ちょうど今2人心理検査を受けているところです」

 第一研修室は最初の部屋だから大したことはないのかと思いきや、とんでもなかった。これも所長の生体反応で開いたドアの向こうには一面ガラス張りの仕切りがあって、2人の女の子が何と全裸でこちらに向かって机に座り、パソコン画面を見ながらマウスらしきものを操作していた。

「こちらにお座りください」

 そしてガラスの仕切りからギリギリの至近距離に見学者用の椅子があったのだが、そこに座ると検査を受けている少女たちの股間がバッチリ見えてしまうのだ。

「これはマジックミラーではありませんから、研修生の方からも人に見られていることをしっかり意識することができます。これも研修の1つですから、どうか穴が開くほどしっかりこの子たちの体を眺めてやってください」

 温泉街でよくあるババアのストリップショーなど見たくもないが、学齢期の女子の秘め所を至近距離から拝めるとは。和田さんの、1万円払ってもおつりが来る、という言葉は本当だった。さらに、椅子に座った俺の股間にはももこちゃんが入り込んで上目使いで聞いて来る。

「ご奉仕させて頂いてもよろしいですか?」

 小学生にしては立派過ぎる敬語を使いこなすももこちゃん。俺はもちろん許可をして、彼女の頭をよしよしと撫でてやりながら、ミラーの向こうの検査の猥褻さに息を飲んでいた。

「2人とも高校生です。田中さんの前は不良仲間に染まりシンナーを吸って退学させられた生徒です。和田さんの前の子は、重度の引きこもりでもう2年間部屋から一歩も出たことがありませんでした」

 俺の前の女子は髪を変な色に染めたままだったから、まだ入所したてなのだろう。和田さんの前の女子も髪の毛を伸ばし放題で、ホラー映画に出て来る呪われた少女みたいだった。

「髪の毛などはおいおい矯正して参ります。体も見苦しいのですが、入所したばかりですのでご容赦ください。退所までには必ずシェイプアップさせますので」

 シンナー中毒と引きこもりと言うだけあって、2人とも若さのかけらも感じられない不健康そうなたるんだ体付きだった。特に引きこもりだった子はブヨブヨの脂肪の塊みたいだ。その脂肪の塊が全身に大粒の汗を滴らせている姿はまさしくバケモノと言っても過言ではない。

――彩美も大差ないだろうな。あのまま放っておけば、いずれこんなバケモノに……

 俺はどうしても我が娘と比べてしまう。まだ引きこもり歴が少ないから、2年も引きこもっていた少女ほどバケモノ化はしていないと思うが。

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