女子能力開発研究所
二次元世界の調教師:作

■ 14

「きっと驚かれ困られることと思いますが、うまくコントロールしてやって下さい」
「所長さん、あの、彩美はやはり私に対する感情が原因で引きこもっていたのでしょうか?」
「率直に申し上げて、それが大きな原因の1つであることは間違いないと思います」
「では、彼女の思いをむげにはねつけてはいけませんね?」
「そうですね。ですからその辺りをうまく扱って頂きたいのです」
「わかりました」

――彩美が求めて来たら、受け入れてやれば良いのだな……

 俺は不道徳な近親相姦のお墨付きを、専門家である柳沢所長にもらったような気になっていた。そして彩美を明日引き取りに行く時間の打ち合わせを所長と話した後、俺はもうあまりにも強烈に勃起してしまった股間を自分でシコシコと慰めて出してしまう。もちろん頭の中には、かわいい彩美の姿を思い浮かべて。

 さて翌日、約束の時間が来るのを待ち兼ねて車を飛ばし、伸々塾に向かった俺は、受付嬢に名前を告げると今度こそすぐに話が通じて塾長室に案内された。そこに待っていたのは柳沢氏1人である。彩美は一体どこに? そう俺の顔に書いてあったのだろうか、塾長兼研究所の所長でもある彼はすぐに口を開いた。

「娘さんはすぐに研究所から連れて上がります。ところで昨夜電話でお伝えしたことの続きですが」
「はい、何でしょうか」
「驚かないで下さい。彩美さんは間違いなく、お父さんに強い性的なコンプレックスを抱いておられました」
「ええ……わかってます」

 驚くどころか、ハッキリ言って大歓迎だ。だが、次に所長が示した大きなアタッシュケースの中身には、さすがにビックリしてしまうことになる。

「この中には、彩美さんが望まれた、今後の生活のための道具が入っています。研究所ではアフターケアも万全を期すようにしておりますので、生徒に応じて必要な物品を提供することがあるのです。後は……待っている間にご自分で中身を確かめ、心の準備をしておいて下さい」

 そこまで話した所長は、俺に質問もさせずサッサとエレベーターを呼び出して研究所に下りて行く。俺は妖しい胸騒ぎを覚えながらアタッシュケースを開いて、目がテンになった。

――マジかよ。こんなのを彩美が望んだと言うのか……

 中に入っていたのは、俺のような趣味の人間なら一目でわかる、SMグッズの数々である。手錠に首輪、擬似ペニスの付いたT字帯。さらには目隠しだの、鳥の羽毛だの、バイブレータやローターの類だの、浣腸器だのと言った、正にSMプレイを楽しむための道具一式と言っても良かった。俺はSM好きだが、双方合意の上で楽しむのが本当のSMだと思っている。だとすれば、俺が密かに恋焦がれている愛娘がSMグッズを自ら望んで持ち帰ると言うのは、夢のような話ではないか。

「お父様、彩美にご奉仕させて下さいませ」

 俺は待っている間SMグッズを眺めながら、手錠と首輪で拘束されたわが娘がそう言ってチンポをくわえてくれるのを想像して、痛いくらいに股間を張り切らせていた。そして所長が連れて帰って来た彩美は俺の期待通り、いやそれ以上の魅力的な外見を取り戻していた。どこからどう見ても良い所のお嬢様風で、アイドル並みの美貌は光り輝いて見える。

「所長さま、本当にお世話になりました。このご恩は一生忘れることはありません。これからは父を助けて家事をこなしながら、真面目に勉学に励む所存です……」

 俺はそんな立派過ぎる退所の挨拶を深々と頭を下げて述べている彩美の「矯正」された姿をまぶしく眺めた。態度も立派だが、伸び放題だった髪の毛は女学生らしくきちんと切り揃えられ、お真っ白なお人形さんみたいな容姿は、正真正銘の美少女と言って良かった。

 そして柳沢氏と別れ2人で部屋を出ると、彩美は妙に緊張した面持ちで何もしゃべらず、俺も無言で駐車場までの道を歩んだ。だが彩美は大勢の塾生が出入りしている手前そんな態度をとっているのであり、引きこもっていた時の壊れた人形のような生気のない様子とはまるで違っていた。俺は嬉しそうにピタリと寄り添って上目遣いに見つめて来る彩美に、まるで初めて女の子とデートする高校生のような気持ちになり、心臓が爆発しそうなくらいドキドキと興奮してしまった。

――こりゃマジで援助交際みたいに見られるだろうな……

 ガタイがデカいだけで、ビール腹の上この頃頭髪も薄くなってしまった冴えない中年男が、人目を引くこと間違いないセーラー服の美少女と仲良く寄り添いながら歩いているのである。俺は彩美が愛情を込めて見つめるまなざしの色香にクラクラしながら、そんなつまらない世間体を気にしてしまう有様だった。何と彩美が自ら今後の生活で使用するため研究所から拝借したと言うSMグッズの詰まったアタッシュケースを持つ手は緊張で汗が滲み、俺はまるで天上を浮遊しているようなフワフワした幸福感に包まれて、彩美と車までの道のりをゆっくり歩んだのである。

 そして車に乗り込みエンジンを始動させて発車すると間もなく、助手席に妙にぎこちなく座った彩美が、ようやくゆっくりと口を開いてくれた。

「…… パパ……」

――え!? お父様、じゃないのか……

 予期していた呼ばれ方と違い一瞬戸惑った俺だが、すぐに思い直した。もともとそう呼ばれていたのだし、こんな1対1の空間で「お父様」などとかしこまって呼ばれるより、「パパ」の方が良いではないか。奈津子さんだって俺がいる前だから、和田さんを「お父様」と呼んでいるのかも知れない。だが、しばらく間を置いて彩美の口から出た言葉に今度こそ俺はビックリ仰天し、危うく事故を起こしそうになっていた。

「……おうちに帰ったら、えっちしよ。カバンの中のお道具を使って……」

 俺はもうはやる気持ちを懸命に抑え付け、本気で事故を起こさぬよう身長にハンドルを握った。万一ここで事故を起こしてあの世行きとなったら死んでも死に切れないだろう。彩美はそれ以上何も口にせず、助手席にチョコンと座りニッコリ嫣然と微笑んで、小悪魔みたいななまめかしい視線を送って来るばかりだった。

 家に着き玄関をくぐってドアを閉めるなり、彩美はいきなり俺に飛び付いて来た。

「お、おい、彩美……」

 期待していたとは言え、あまりにも大胆で身もふたもない娘の行動にタジタジとなった俺は、彩美が求めるままに唇を合わせ、すぐにお互いの舌を絡ませ吸い合うディープキスに突入した。女の子とこんな熱烈な愛情表現を交わすなんて久しぶりだ。もしかすると彩美の母親との新婚時代以来かも知れない。

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