女子能力開発研究所
二次元世界の調教師:作

■ 16

「私、パパとえっちしたいな、と思った。でも、そんなことしちゃいけないことだし、パパが私のこんな気持ち知ったらどう思うだろうと考えたら、怖かった。それで、だんだんどうして良いのか、わからなくなって、気が付いたら……」

 彩美の声が涙声になり、俺も引きこもりの理由を告白する娘に心を打たれて、再び涙で頬を濡らしていた。

「研究所で、私は自分の本当の気持ちと向き合うことが出来たの。そして自分の気持ちに素直になればいいんだ、って教わった。だから私、パパとえっちする!」
「…… だったら、手錠を外してくれ……」
「ううん、ただのえっちじゃないの。私、パパを奴隷にして、一生一緒に暮らすんだ……」
「な、何をバカな……」
「バカじゃないもん。パパと結婚は出来ないけど、奴隷として死ぬまで飼ったげる。嬉しいでしょ、パパ」
「別に奴隷にならないでも……」
「お黙りなさい!」

 再び彩美に首輪を引かれた俺は、無様な丸裸のままヨロヨロと立ち上がった。

「私、研究所で本当の自分の気持ちに向き合うことが出来たの。それはどMでヘンタイなパパをイジめてあげたいってこと……」
「俺はどMなんかじゃないぞ! 勝手なことを言うな!」
「じゃあ、どうして又、そんなに腐れチンポをおっ勃ててるのよ!」

――う! ……こんなバカな……

 ハッとして目線を下にやると、さっき大量に射精したにも関わらず俺のムスコはあっという間に回復を果たし、急角度でツンと勃起していた。研究所の見学で、小学生のももこちゃんに奉仕されて異常な勃起を続けてしまった俺だが、この状態で50歳手前の俺が勃起してしまうなんて、考えられないことだ。

「パパは目覚めてないだけなのよ。女の子の生理なんかに興奮しちゃう男の人は、たいていどMだって研究所で習ったよ」
「パパは違うんだよ、彩美……」
「うるさいいっっ!!」

 俺はSM愛好家だが、Mの女性をイジめることに興味があり、愛娘の彩美を同意の上でM女として調教してやるのだと胸を膨らませていたのだ。断じて娘にイジめられたい、などと言う倒錯した被虐願望などありはしない。だが、鋭く言い放った彩美の強烈なパンチをみぞおちの辺りに叩き込まれ、再び激痛で崩れ落ちた俺は、下腹部を抉られるような鋭い痛みと同時に、ゾクゾクと妖しい興奮が全身にこみ上げて来るのをハッキリと感じてしまった。ヤバい。これはヒョットして……

――違う! 俺はMなんかじゃない……

 そうだ。俺のようないかつい巨漢が、か弱い小鹿のように愛らしい娘の彩美をイジめてかわいがってやるのが当然だろう。だが、現実はどんどん逆に向かっていた。

「ホラホラ、男だったらしっかり立ちなさいよ、パパ! チンポを勃てるだけが能じゃないのよ!」

 激痛で崩れ落ち呻いていた俺は引きずられるようにして何とか立ち上がったが、彩美は次に勃起がどうしても治まってくれないペニスをピシャリと手で叩いて来た。

「パパがどMでないんだったら、この腐れチンポを引っ込めなさい!」

 恐らく研究所に仕込まれたのだろう。彩美が繰り出すキックやパンチや平手打ちは、格闘技の心得がある人のように的確に俺の急所を痛め付ける。こうして再びもんどり打ってへたり込んでしまった俺に、彩美はアタッシュケースから新たなグッズを持ち出して装着し始めた。

「ちゃんと立てないパパは人間じゃないわ、イヌよ。四つ足で歩きなさい」

 それは研究所で小学生のももこちゃんらが手足に嵌められていた、大きなグローブである。それを手錠を外した両手に嵌められファスナーをきっちり閉められると、人間の手の機能を失った俺には外すことは出来ない。ある意味手錠よりさらに屈辱的な仕打ちであった。そうは言っても相手は小柄でさほど力のないわが娘である。巨漢の俺が本気で抵抗すれば逆に彼女をやりこめてやることも出来ただろう。

 だが、俺にはもうこの引きこもりから脱したかわいい愛娘に、逆らうことは出来ない心理状態に陥っていた。それどころかどんどんこみ上げて来る倒錯した興奮が抑え難く、股間のモノはカチカチで狂ったように勃起が治まらないのである。俺は自分の中に芽生えてしまった「どM」の性癖を懸命に否定し、理性で抵抗しようとしていたが、研究所で目覚めて教育された彩美の「S」っぷりは見事で、俺の理性は徐々に麻痺してのっぴきならぬ状態に近付いていた。

「さあ、おいで、パパ」

 両手両足にグローブを嵌められて本当に「イヌ」のように四つ足で歩くより能がなくなった俺は、彩美に首輪を引かれて歩く屈辱に悶えたが、全身に横溢する凄まじい興奮にはもう抗い難く、あまりに急角度で勃起させたため腹に当たるペニスの浅ましさを感じながら、まるで娘に甘えるように擦り寄っていた。

「うふふ、こんなにおっきくして、イケない子ね、パパは……」

 彩美の手が優しく股間のモノを撫でて来ると、俺はビクンビクンと激しく脈動を高鳴らせて、危うく暴発してしまいそうになる。

「じゃあ、パパ、約束しましょ。パパは死ぬまで私の奴隷。お家じゃずっとその格好でいるのよ。大丈夫、エサはあげるし、おしっこもうんちも全部私が面倒見てあげる……」

 股間撫での心地良さに理性を喪失し、ついウットリと彩美の言葉の異常さを受け入れそうになっていた俺だが、さすがにすぐに承諾することはためらわれた。彩美の奴隷になることはもう了解していたのだが、自分がどこまで堕ちてしまうのか、怖かったのだ。いや、そうではない。もう1人の俺が悪魔のように呟いた。

――自分に正直になれ。お前はここで拒否して、彩美にきつい「お仕置き」をされたいと、思ってるんだろ?

 それが正解だ。これはもうお互い了解の上でのSMプレイの真髄ではないか。MはSからお仕置きして頂くために、わざと言いつけを守らなかったり逆らったりするものである。こうして俺は心の底では彩美からさらなる責めを受けることを期待して、いやいやと首を振り彩美の提案を拒絶するフリをした。

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