寝取られ男の復讐
二次元世界の調教師:作

■ 16

「でもこれ、山川理事長と木村先生でしょう? そしてこれはいかがわしいホテルではありませんか。どんな用事があって、こんな場所に一緒に入られたのですか?」
「それは……仕事のことで内密の話があって……」

 言い逃れの出来ないほどバッチリ顔の映った写真を前に、愛華先生は苦しい言い訳を始めた。が、これは俺の思うツボだ。

「実の所、僕は突然クビになってあなたに近寄るなと言われても、到底納得出来ませんでした。そこで何か事情があるのではと思い、申し訳ありませんが興信所にあなたの身辺を調べさせたのです。そしたら、こんな写真を見せられたもんですから、もうビックリですよ」
「ですから、それは仕事の話だったんです!」
「へえ、面白い仕事があるんですね……」

 ここで俺が、ついに全裸の彼女が緊縛されている写真を出すと、愛華先生は劇的な反応を見せた。サッと表情が凍りついたかと思うと、俺の手から素早く写真を奪い、ビリビリに引き千切り始めたのだ。そしてパッと立ち上がると、愛華先生はこうキッパリ言った。

「帰ります!」

 どうやらパニックを起こしているらしい愛華先生を見て、俺は申し訳ないがサディスティックな快感を覚えていた。そして本気で去ろうとする彼女に向かって大きな声で叫んだ。

「写真はもっと沢山あるんですよ!」
「返して下さい! 全部!」

 振り向いた彼女はそう言うと、今度は俺に詰め寄って来た。

「返してもいいですけど、プリントアウトしただけですから。データは僕のケイタイとパソコンにあるんですよ」
「じゃそれも返して! 返しなさいったら!」
「まあまあ、落ち着いて……」

 俺が興奮した様子の愛華先生をなだめようと手を差し伸べると、その手を払いのけた彼女はだらしなく手足を投げ出し横座りになると、シクシク女っぽく泣き始めた。彼女は見かけによらずとても気の強い女性で、付き合っていた時も彼女の方が主導権を握り俺を引っ張っていたくらいで、泣き顔を見せるのも初めてだ。そのため絶対的優位に立ったこの状況に俺は大いに気分が高揚し、股間はもう爆発寸前になっていた。だが、急いてはことを仕損じると言うではないか。俺は努めて冷静に口を開いた。

「僕は、あなたが理事長とこんなことをされていたなんて信じられないんです。何か事情があるんじゃないですか? 僕に教えて頂けませんか?」
「あなたに言う必要はありません!」

 涙を見せたかと思った彼女はそれでも強情で、俺は困ってしまった。柔道の心得のある巨漢の俺にとって、小柄な愛華先生を無理矢理組み伏せて拘束してしまうのは、赤子の手をひねるような容易いことだ。だが、いくら何でもホレた女性にそんなマネが出来るわけはない。肉体そのものが凶器と認定される柔道家は、実生活で絶対に暴力に訴えないことが身に染み付いているのだ。これが叩きのめしても良い悪漢が相手なら、どんなに楽だったろう。だが、今さら後戻りは出来ないし、やきもきしながら隣室で観察しているであろう貫太の目も気になった。ともかくここは何としてでも、彼女を脱がせて拘束しなければ。俺はもううまい話の進め方がわからなかったので、単刀直入に頭を下げてお願いしてみた。

「木村先生! ぼ、僕にあなたを抱かせて下さい! お願いします!」
「え!?」

 愛華先生は驚いて泣き顔のまま俺をじっと見ている。よし、今がチャンスだ! 俺は恥も外聞もなく土下座して彼女に頼み込んだ。

「ぼ、僕、あなたとえっちがしたいだけなんです。一度だけでいいから、あなたを抱きたい! ずっとそう願って、夜もおちおち眠れませんでした……お願いします、木村先生! そしたら、こんな写真もデータも、全部お返ししますから!」
「……はい……」

――やったぞ!

 俺は小躍りしたい気分になったが、貫太と打ち合わせていた手順を慎重に踏んだ。

「ありがとうございます! 一生恩に着ますよ! じゃ、じゃあ、服を脱いで下さい、僕も裸になりますから……」

 愛華先生は何か言いたげに目線を上げたが、俺が構わずどんどん脱衣を始めると、意外なくらい少女のような羞じらいを見せながらゆっくり服を脱いでくれたのである。土下座までして下手に出過ぎかと思ったが、ここまでの首尾は上々のようだ。俺は隣室で見張っている貫太に、どんなもんだい、と胸を張りたい気分であっと言う間に全裸になると、まるで女学生のように真っ赤になっている愛華先生の脱衣を見守った。

――ゲ〜ッ!

 愛華先生は予想していた白系の清楚な下着ではなく、セクシーな黒いブラジャーだったので、俺はビックリした。だが、彼女は少女ではない。三十路半ばの立派な大人の女性なのだから、どうと言うことはないはずなのに、こんなことで動揺してしまう自分に俺は苦笑した。そして当然下にはいていたのも黒だったが、これは何とTバックではないか! 俺は、あの学園のアイドル的存在の愛華先生がこんなセクシーな下着を着用して教壇に立ち、女生徒たちのあこがれの視線を一身に集めていたのかと思うと、ますます興奮が高まって来るのを感じていた。

「あ、あの、下着はぼ、僕に脱がさせて下さい! お願いします!」
「…… はい」

 俺はその場でピョンピョン飛び跳ねたくなりそうな興奮を隠し切れず、どもりながら彼女にお願いした。いよいよ最愛の愛華先生が、俺に体を開いてくれるのだ。透き通るような雪白の美肌に貼り付いた黒い下着は、是が否とも俺の手で脱がしてやりたかった。そして黒いブラジャーに手を掛けゆっくりずらしていくと、中から現れた素晴らしい膨らみに、俺は息を呑んで目を奪われてしまった。

――美しい……それに、大きい!

 よくわからないが、Dカップはあるのではないか? 身長は150センチくらいと低く、華奢に見える愛華先生が着やせするタイプだったことに俺は感激し、先端の蕾がキレイなピンクでフルフルと慄えているのを見ると、むしゃぶりつきたくなる衝動を抑えるので懸命だった。貫太から手足を拘束するまで絶対体に触るな、と言われていたが、納得だ。ここで手を出したら、間違いなく俺の理性は崩壊し野獣と化して、彼女を拘束するような面倒な手順はとても踏むことが出来ないだろう。

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