寝取られ男の復讐
二次元世界の調教師:作

■ 40

 問題は愛華先生の気持ちだ。昨夜学校での露出プレイにより完全に淫女と化した彼女は、実の姉の陵辱に手を貸すことを承諾してくれたのだが、果たしてそんなに割り切って姉を淫らな罠に嵌めることが出来るのだろうか? だが、俺たちのそんな懸念をよそに、黒革貞操帯のアナル用アタッチメントとして、これまでで最大の、俺のともうさほど遜色のないバイブを尻穴に打ち込まれた先生は、もうとても俺たちに逆らうことの出来る状態ではなくなっていた。それだけで感極まったようにお尻を手で抑えながらブルブル慄えて悶絶し、出来るか? と念を押す貫太に、やります、何でも命令して下さい! と完璧に服従する態度を見せたのだ。どうやらマゾの陥穽にスッポリ嵌ってしまった先生は、内心の懊悩と戦いながらむしろそれをすら楽しんで、命令に従ってくれるものと、俺たちは期待した。

 理事長の不在時が良いだろうと言うので、愛華先生に連絡を取らせると、何と山川理事長は今日の午後から泊り掛けの出張に出掛けて、月曜まで帰らないと言う。すぐに校長とアポを取らせて一旦電話を切ると、貫太が言った。

「俺たちに運が回って来たぞ! おあつらえ向きの大チャンスじゃないか」
「全くだ」

 俺も同意したが、正に作ったような幸運である。

「どうせあの理事長のことだ。出張先でも女とヤリまくるつもりなんだろう」
「だろうな。木村校長がかわいそうだぜ」
「あんな男の人となんて、別れてしまえばいいのに」

 優美ちゃんは若い女の子らしく簡単にそんなことを言うが、愛華先生は複雑な心境らしかった。

「ああ、お姉様……」

 先生の気持ちを察したかのように貫太が言った。

「そう言や理事長のやつ、あれでも嫁さんは大切にしてるようだな」
「はい。ですから姉も、お義兄様のことを愛していると思います」
「理事長の浮気三昧をバラすには忍びないってことか」
「お姉様は、それで幸せなのです……」
 
 ところがここで驚いたことに、優美ちゃんが食って掛かった。

「自分たちだけ幸せで、それでいいんですか!」
「河原林さん……」
「私、理事長にお母さんとの生活をメチャクチャに壊されました。あの人だけは絶対に許したくありません!」
「……ごめんなさい」

 俺たちですら初めて見る優美ちゃんの強い口調での抗議に、愛華先生は感じ入って頭を下げてしまった。

――一番辛いのは優美ちゃんなんだ……

「それに校長先生だって、本当のことを知らされずに幸せだなんて、何かおかしいです! お願いです、愛華先生、校長先生に理事長の本当の姿を教えてあげて……」
「わかったわ」

 こうして優美ちゃんの懸命な説得もあり、愛華先生はとうとう実の姉をおびき出す辛い役目を引き受け実行に移してくれた。そしてその日の夕方、愛華先生に伴われてやって来た木村校長は、驚いたことに何と瀟洒な着物姿だった。家では和装で過ごしているのだろうか。もしかすると、歳の離れた夫で還暦も近い理事長の趣味なのかも知れない。愛華先生がどのように話してここへ連れて来たのか知らないが、校長は俺がいるのを見てビックリしていた。優美ちゃんと貫太は、例によって隣のダイニングで待機しているはずだ。

「校長先生、お久しぶりです」
「あ、あなたは……どうして、ここへ!?」
「妹さんに写真を見せてもらいましたか? あの写真は、僕が知り合いの興信所の人間に頼んで手に入れたものです……」

 さっそく俺が写真の話を切り出すと、校長はハッキリと狼狽の色を見せた。自分の夫が俺に対して理不尽な解雇を言い渡したことを心苦しく思っていたのだろう。そうでなければ、俺としても立つ瀬がないと言うものだ。俺は単刀直入に、自分がクビになった理由に納得出来ず理事長の素行を調べさせてもらったこと、そしてその結果本妻以外の女性とラブホテルにしけ込むヤツの浮気現場を押さえてしまったことを話した。するとまだ何も言わないのに、校長の方からこんなことを言い出した。

「あなたは一体何がお望みなのですか? お金なら、いくらか工面致しましょう……」
「さすがは校長先生、物分りがよろしいですね」

 理事長に恨みを持つ俺の登場で、写真をネタに脅迫され金品を要求されるのだろうと咄嗟に判断した木村校長は、見た目そのままの聡明な女性だ。さすがと言いたい所だが、あいにく俺たちの要求は違う。校長は妹に劣らぬ美女でありながら、自分の体を要求されるとは全く思ってもいない様子だ。

――ひょっとして、校長は自分の女の魅力に気付いてないんじゃないか?

 確かに俺自身在職中は、綺麗な女性だとは思ったものの近寄り難い存在で、彼女にセックスアピールを感じたことは一度もない。だが今、内心の動揺を隠して冷静に振舞おうとしている彼女に対しての優位性がなせる業なのか、俺は初めて木村沙希校長を「女」として意識し興奮していた。見慣れない和服のせいもあるだろうが、彼女の全身から匂い立つような妙齢の人妻の色気が感じられるのだ。

「僕はお金が欲しいわけではありません。ただ、あなたの旦那さんが僕になさったひどい仕打ちを償って欲しいのです」
「それは……夫にも考えがあってのことかと……」
「いきなりクビですか! そして妹さんとも無理矢理別れさせられました。仕事も恋人も同時に失った僕の気持ちを考えてみて下さい!」
「……申し訳なかったと思いますわ」
「校長先生、お久しぶりです」

――え!?

 打ち合わせになかったので驚いたのだが、ここで隣室で待機しているはずだった優美ちゃんが姿を現した。恐らくさっきの激情が続いていて、我慢出来なくなったのだろう。

「特待生を頂いていた、河原林優美です。でも理事長先生に学校をやめさせられました」
「あなたは確か、ご家庭の事情で……」

 当然ながら優美ちゃんが退学になった本当の理由を校長は知らない。

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