寝取られ男の復讐
二次元世界の調教師:作

■ 51

 完全にこの場の主導権を握った貫太は、やはりザーメンを放出したらしきシンボルを校長の口から抜き取ると、自信タップリに言った。

「抱いて欲しいんだな、奥さん」
「はい……」

――マジかよ!……

 とてもあり得ない展開だと思ったが、眼鏡の向こうが完全に淫らな女の表情になった校長は、小声で信じられない言葉を呟きコクリとうなずいた。ふと気付くと、愛華さんの方も俺に贈る情欲がたぎったような熱い視線が、「抱いて」と訴えていた。

「今は時間がねえな」
「そんな……お願いです、もう我慢出来ません……」
「旦那の目の前で抱いてやるわけにはいくまい」
「イヤッ、イヤッ、意地悪う……」

 本当に悪い魔法使いの呪文で操られているかのごとき言葉を呟く校長に、貫太は持参していたいかがわしい道具を見せる。大小2本の刺激突起までビッシリ刻まれた本格的な男根型バイブレータだ。

「悪いがコイツで我慢してくれ。奥さんの中に入れといたチンポより断然デカいし、イボイボ付きだから歯応えがあるぜ」
「はい……」

 自分から着物の裾を捲り上げた校長の突き出す黒革貞操帯を外し、中から小ぶりな責棒を取り出しながら貫太は言う。

「悪かったな、奥さん。こんな子供みたいな小っちゃいやつじゃ、もどかしくてたまらなかっただろう」
「ひどい人……ああ、いい! 気持ちいい……」
「おケツにも入れるぜ」
「は、はい、入れて下さい……あ、あ、あ、凄いいっ!」
「亭主が帰って来るってえのに、歓び過ぎだぜ、奥さん」
「だ、だってえ……」

 そんな嘘のようなやり取りを交わしながら、校長の値の張りそうな麗しい着物の下に大き過ぎるサイズにアップした前後の責具をセットした貫太が黒革貞操帯を施錠してしまうと、何と愛華さんまで俺におねだりして来た。

「あ、あのう、私にも大きいのを下さい……もうこんなのじゃ我慢出来ないの……」

 愛華さんはそう言うと自らズボンを下ろして黒い貞操帯を見せる。彼女は鍵を持っているくせに、自分でそれを装着してしまったわけだ。恐れ入ったマゾヒストぶりである。そして、わざと小ぶりなバイブしか渡さず、快楽振動も与えなかった貫太の手管にまんまとはまった愛華さんは、理事長との大事な話し合いの前だと言うのに、姉と一緒にそんなはしたないおねだりを口にしてしまうのだった。

「ははは、どMのエロエロ姉妹には困ったもんだな。でもちゃんとアンタのためにもイボイボのデカチンバイブを用意して来てやったぞ。信一、急いで着けてやれよ」

 確かに予定通りならもうあまり時間がない。俺は愛華さんが股間の前後ホールに入れてい小さな筒具を、2回りは太く凸凹したペニス型に入れ替えてやり、彼女が歓喜のため息を洩らしていると、貫太は校長に案内させて大きな応接間の収納庫に身を潜めた。隙間から覗き、リモコンバイブを操って楽しむつもりなのだろう。2人の女性は貫太がそんな悪戯を仕掛けて来るであろうことを承知の上で、大きなバイブを欲しがったのだろうか? いずれにしても、理事長との対決を前に緊張が高まるのを感じていた俺は、同時に相席する2人の美女がどんなはしたない乱れぶりを見せてくれることかと思うと、全身の血わき肉踊るような興奮を覚えていた。

「お久しぶりです、理事長先生」
「何でお前がここにおるのだ!」

 妻である校長を立会いに、義妹の愛華さんとの話し合いだとばかり思い込んでいたらしき理事長は、校長に伴われて部屋に入って、馬鹿でかいソファーに愛華さんと並んで俺が座っているのを見るなり不機嫌そうに怒鳴った。理事長は俺を一回り小型にしたような立派な体格で、何の用事があったのかダークスーツをビシッと着こなし、低い声で凄んで見せる迫力は十分だ。

――コイツ、改めて見るとヤクザの親分みたいだな……

 だが、あの理不尽な解雇と愛華さんとの別れを申し渡された日、ただの一言も言い返せなった俺は、もうそんな情けない男ではない。言い逃れようのない決定的なスキャンダル写真を握った上、女たち2人を篭絡して味方に引き入れているのだ。そういう絶対的な優位にある心の余裕からか、理事長の高圧的な態度は相手を威嚇して優位に立とうとする虚勢に過ぎず、恐れるに足りないことを俺は見抜いていた。そして俺より先に愛華さんが口を開いた。

「お義兄様。今日は、彼田島信一さんのことでお話があります」
「うるさい! わしはこんなボンクラになんぞ用はないぞ!」

 理事長はそう愛華さんに怒鳴ったかと思うと、今度は俺に言った。

「この負け犬めが、どのツラ下げて来やがった! 二度とわしらの前に現れるなと言ったはずだぞ!」
「あなた、それは言い過ぎでございます」

 すると解雇宣告の時は少しも弁護してくれなかった校長まで、キッパリした口調で理事長を諌めてくれた。この前とは状況が一変しているのだ。俺はますます心強く感じたが、口答えされたのが癪に障ったらしい理事長は、今度は校長に向かって怒鳴った。

「何い! わしに向かって口を挟むとは、一体何様のつもりだ、沙希!」
「あなたはいつもそう。人の話を冷静に聞くことも出来ないのですか」
「お義兄様! どうか話を聞いて下さい」
「ちっ! どいつもこいつも全く……愛華っ! お前、見合いの話はどうなったんだ!」

――コイツ、愛華さんが見合いの話を受けるつもりで話しに来たと勘違いしてたんだな。全くおめでたい野郎だぜ……

 そうは問屋は卸すものか。俺はどこで切札の証拠写真を持ち出すべきか機会をうかがいながら、愛華さんの返答を聞いた。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊