セレブ欲情調教
影山有在義:作

■ かくれんぼ1

 二日程、平穏な日が続いた。
のり佳は、まだ望みは、捨てていなかった。

“そうだ。義男さんだ。あの時、あのバスルームの時、義男さんが、いたじゃない”

前のように悲鳴が、聞こえないが、まだ何処かにいるに違いない。
今の状況では、彼に縋るしかない。なんとしてでも、義男さんを捜しださねば。
 早く義男を捜しださねばと、あせっていた。

「何をなさっているのでしょう」

 ひっ!

 突然の源蔵の出現にのり佳は飛び上がった。
「何でもありません」
 そそくさと その場を立ち去ろうとした。
「何かお探しでも」
「いえ、何でもございません」
「奥様は、暇を持て余してらっしゃる。それでは、源蔵めがお相手させていただきましょうか」
「いえ、結構でございます。それでは」
 切り口上で逃げようとした。

「かくれんぼをいたしましょう、奥様」
「な、何? …」
「一緒に楽しみましょう、奥様!」
 源蔵は笑いながら 凄みのきいた目でのり佳を見つめた。
 のり佳は凍りついた。

「鬼は、源蔵で、奥さまは逃げる役。奥さまが、隠れるのは、この広いフロアーでございます。目隠しをした源蔵が、三十分以内に、奥さまを見つけられなかったら奥さまの勝ちでございます」
 息をころすように、のり佳が答えた。
「もし、時間以内に見つかったら」
「源蔵の、ごっこあそびに、付き合っていただきます」
 ごっこあそび、とやらが、どんな内容か、聞くのも恐ろしく、せき込むように聞いた。
「もし、三十分以上たって、見つからなかったら?」
「奥様、この源蔵からは逃げるおつもりで? ひっ、ひっ、ひっ」
 源蔵の厭らしい笑いに 何かが隠されているのを悟り、のり佳の顔が引き攣る。

「それでは、奥さまは、服を脱いでいただきます」
「何ですか、それは!」
のり佳は、愕然とした。
「子供ではないのですから、ただかくれんぼをしても、おもしろくございません。奥さまには、これを装着していただきます」
源蔵は、ローターと白いバイブレータを見せた。

「これのローターは、奥さまの菊座の中に。それから、この白いバイブは、あそこに装着いたします。バイブのコントローラーは、コードレスになっておりますゆえ、源蔵が、し、除除に強い刺激に、変動させていただきます。さあ、すっかりバイブやローターの味お持ちを知ってしまった奥さまが、声を出さずに隠れることができますやら、ほっほっほっ」
「いやっ! いやですよっ」
怒りと恐怖で青くなったのり佳は、とっさに逃げようとした。
「奥さま、言うことをお聞きにならないと、どうなるのでございましたかな」
その一言で、のり佳は動けなくなった。

 後ろ手に縛られたのり佳は、ソファーの陰で声を押し殺していた。
バイブから伝わる振動が、蜜壷全体を刺激の渦に陥れている。
アヌスからの刺激も心地よく感じる体に変化しつつある。
二つの振動が、のり佳の体を狂わそうと暴れている。

ソファーの肘掛の生地を噛み、声を出さぬまいとした。
腰に回された革バンドに、バイブからのびた紐が腿の付け根から鼠頚部を伝わり、しっかりと取り付けられて、脱落を阻止している。
菊座のローターから延びたコードは革バンドにまとめられている。
ももをすりあわせ、こみ上げる欲情を必死に堪えた。

 目隠しした源蔵が、聞こえよがしに、喋っている。
「さぁ、奥さま、バイブの振動を強くいたしますぞぉ。そおうれぇ。どうですかな。もうそろろ、降参なされたほうが、楽でございますよ。奥さまの体は、源蔵がよく知っておりますからな。最近は、お尻のほうも、だいぶ感度が上がっておりますし。おもいっきり、声を張り上げたいでございましょう、ほっほっほっ」

なんとか気を紛らわそうとするが、源蔵の言葉に欲情が呼び戻されたしまう。
「奥さまの肉襞は、もうすっかり、膨らんで花開いておりますでしょうな。蜜も溢れだし、かわいい芽もすっかり顔を出しておりますでしょうな。はやく捕まえて、源蔵の舌でこりこりと、ねぶってさしあげとうございますぞ。それとも、源蔵めのむすこを、ぐぅっと刺しこむほうが、よろしいでしょうかの。さあ、早く観念したほうがよろしいですぞ」

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