セレブ欲情調教
影山有在義:作

■ 幻惑2

こんなことでは、いけない。夫との生活を大事にしなければ。
それにしても、この身体の火照りを静めなければいけない。
のり佳はベットを抜け出し、バスルームへと向かった。

バスルームでシャワーを浴びながら、のり佳の手は自らの乳房をさすっていた。

“そうだわ。ここではじめて源蔵に犯されたんだわ”

あの時は、ペニスの大きさに圧倒されこん棒を身体に突っ込まれたような感覚に失神してしまったが、今はあの巨根にすっかり馴染んでしまった。
いや、もしかしたら、病みつきになってしまっているのかもしれない。
のり佳は頭を激しく振ってその思いを否定した。

“そんなはずが、あるわけない!”

 だが、現に今まで感じたことのない肉欲にこうして、さいなまれている。

 ああぁ…

深いため息と共に手が胸にのびる。掌で乳首を転がす。すでに硬くコリコリになった小豆から、摘まれる感覚が体の奥を疼かせる。
シャワーヘッドから噴出する湯の糸達を胸にあてた。
湯の糸は、乳首を弾き、叩いてゆく。
のり佳のアップにした髪がほつれ、額に貼りつく。
うっすらと開いた口から舌がのぞいている。

次第に下半身に手がのびてゆく。慈しむようにヘアを撫でていた手は、少しづつ窺うようにバギナにむかっていった。
こわごわとバギナに掌を当てると、まるで別の生き物ののようにぬらぬらとしていた。
明らかにシャワーの水とは異なる液をはく軟体動物がそこにはいた。
掌がふれたとたん、その生き物が手に吸いついた。

 くぅっ!

 疼きが軟体動物からもたらされた。指全体でギュッと押すと熱いひだがまとわりついてくる。
かすかに曲げた中指がクレパスに入り込んだ。そのまま手前に引くと、小粒の核が爆ぜた。

 うぅん!

軟体動物が私を支配している。
自らの指によってもたらされた刺激にすっかり虜になり、中指がしきりに往復する。
何時の間にか片足をバスタブの淵にかけ、腰をつきだす。

源蔵がナマコのように大きなマラを自らしごいている姿が頭によぎる。
きっとあれで私を貫くに違いない。
あの薄汚い小男で、猿顔の源蔵が。あの大きな手で私を鷲掴みにして…。

 あっ、あうっ、あああっ

つい大きな声を出し、慌てる。でも、もう止められない。

源蔵のしごく手が早くなり、マラの瘤のひとつひとつがクッキリと大きくなる。
のり佳の中指と親指が淫核を摘む。
荒い息遣いがバスルームに広がる。

“あの瘤が!あの瘤付の肉こん棒が!クネリながらすごい早さで私を突き上げ、飛沫を上げさせるんだわ!”

耐えられなくなったのり佳は左の手の指を咥えて声を押し殺した。
右手のシャワーをバギナに当てた。

シャワーの糸が力強くあたる。
一本、一本がバギナのひだを、淫核を次ぎから次ぎえと打ちぬく。
咥えた指に舌が這いずりまわっている。
腰が前後にゆられている。
とろんとした顔で、咥えていた指をバギナに滑らした。
シャワーを当てたまま、バギナを中指と人差し指で大きく開いた。
開いた口から舌がしきりに唇をなめている。体を反らし、激しく腰をふっていた。

 その日の夜、夕食の後のり佳は久しぶりに夫の寝室に行くことをねだった。
「今夜、可愛がってくださりませんか」
 正樹は少し驚いた様子だった。
「今日は休んだほうがいいのではないか。それにしても、お前から誘ってくるなんてめずらしいな。はじめてじゃないか」
おどける夫の言葉に、のり佳は赤らんだ。
確かに夜の営みは、すべて夫から誘われた時に行われていた。
その事に詮索がいくことを恐れて、慌ててのり佳は言った。
「ゆっくり休んだせいかしら、あなたが恋しくなってしまったのでしょうか」
「あとで、私の寝室にいらっしゃい」

 夫には特に何も気づかれづに、その場をやり過ごすことができて、のり佳はホッとした。
 バスルームで自らを慰めようとしたが、逆効果となってしまった。
逆に火のついた体を鎮めてくれるのは、もう生身の肉棒だけだ。

 屋敷の使用人達が各々の部屋に戻り、静かになったのを見計らってのり佳は、夫の寝室へと向かった。
久しぶりの夫とのセックスだが、のり佳の気持ちは切羽詰ったような感じだった。
とにかく早く、この重たい欲望を払拭してほしかった。
できるだけ、激しく抱いてほしい。

のり佳は部屋に入って、ドアを閉めるのももどかしく、夫に抱きついた。
「ばかに急いでいるじゃないか」
正樹はにこやかに迎えた。
だが、のり佳はそんなことが、まったく聞こえていないように、夫の唇に貪りついた。

舌と舌が絡む、ねちゃねちゃとした粘膜質の音が部屋に響いた。
のり佳はそのまま、夫とベットに倒れ込んだ。
着ていたスエットを引き千切るように脱ぎ捨て、夫に襲い掛かった。

「どうしたというのかね、今日は。明かり位、消しなさい」
正樹が部屋の明かりを落とし、サイドボードのランプを灯した。
その間ものり佳は夫のガウンとパジャマを剥ぐように脱がせた。
 のり佳の矢継ぎ早の催促に正樹も興奮を覚えた。

正樹の上で唇を貪るのり佳を組し抱き、愛撫を加えようとした。
その時、のり佳の手が下から正樹のペニスを掴み、しごきはじめた。
 こんな妻をみるのははじめてであった。
妻とのセックスは常に正樹がリードし、妻が主導権をとることなど今まで一度も無かった。

“一体どうしたことだろう”

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