セレブ欲情調教
影山有在義:作

■ 落日2

荒い息をつき、目の前で飛びかからんとしている義男の舌が縦に二枚に割れていた。
蛇の舌というよりは二枚の細い舌が手を伸ばしているようにみえる。
義男はもう、とても人間とは思えぬ様相であった。
こんな性の邪鬼のようなものをけしかけられては、気が狂わないほうがどうかしている。
あまりのおぞましさに、ひたすら絶叫するのり佳。

「おう、おう。すさまじい声だ事。しかし、ここは地下。誰も気づく者はおりませんぞ。さあ、さあ、もっとわめくがよいわ」
源蔵はわざとスレスレに義男をけしかける。
義男の二股に割れた舌がのり佳の頬をチロチロと這いまわる。
ますます、のり佳が抗う。

「義男、奥さまの唇を吸ってさしあげるのじゃ。ほれ、ほれ」
源蔵の言う事は忠実に聞くようで、すぐさま義男の舌はのり佳の唇を狙ってきた。
のり佳は顔を振って必死に逃れる。

義男の舌が口元にまとわりつく。 
隙を見つけては、義男の二本のチョロチョロとした舌先が唇の隙間に入りこんでくる。
そのたびに、顔を振って逃れるが、だんだんと疲労が体の動きをにぶらせる。
スポーツジムで鍛えた肉体も、性の邪鬼のしつこさに息切れし始めた。

外からは完全に遮断されている地下室は暖かな気温がたもたれている。
その陰湿な湿った空気が、のり佳の体を汗にまみれさせてゆく。
顔が汗でひかり、髪も額に貼りついていた。

ふいに、唇が何かに挟まれ、つままれたような感覚がした。
いや、確かに挟まれて引張られている。
のり佳のくちびるの端が義男の舌先に“挟まれ”ていたのだ。
まるでピンセットでつまんでひっぱっているかのようだ。
異様に伸びた舌が義男の口から出ている。
その人間とは思えぬ光景を見たとき、のり佳の意識が遠のいた。

 服を剥ぎ取られたのり佳は滑車に吊るされていた。
背後から源蔵が乳房を下から持ち上げるようにもみあげていた。
重たげな乳房が大きく突き出していた。

義男が前から乳首に舌を絡ませていた。
乳首の根元を二股になった舌で締め上げ、充血しきった乳首全体を舌で“鷲掴み”にした。
ソフトでいて、要所を締める責めにのり佳は、いつ気が戻ったのかはっきりしないまま、淫波にひきずりこまれていった。
もう片方の乳首は源蔵の節くれだった指がコリコリと摘み上げていた。

そのアンバランスな感覚が相乗効果をあげ、のり佳はすでに淫乱地獄におちていた。
吊るされながらも思いっきり仰け反り、胸を大きく前に出していた。
先っぽをいじられる、いたぶりに身を震わせていた。

義男の舌が乳首をしごきはじめた。
根元から先までを舌肉が締めつけながら擦りあげる。
その繊細で、おぞましい行為が延々とつづけられた。
ねちっこさに根負けし、腰を振り、太ももに淫液と汗が混じり、流れ始めた。

「ひとおもいに殺すなど、もったいない。じわじわと殺してくれようぞ。ひっ、ひっ」
 のり佳は淫責に耐えきれずに、低い声を発していた。
つぎつぎと襲いかかる際どく、“往かせない”攻撃に体がのたうち回っていた。

「抗え、そうれ、もっと暴れてみいっ!」
源蔵が黄色い歯を剥き出して、のり佳の胸を絞り上げる。
強く掴んだ指の間から乳房もろとも痛い程固く勃った乳首が爆ぜている。

源蔵がのり佳の耳の穴に舌を挿し込んだ。
のり佳の頭のなかにクチャクチャとした粘着質の音がひびく。
それは源蔵の巨大な肉棒が、肉壷を掻き混ぜる音を連想させ、理性を破壊していった。

 むうううんっ!

 のり佳が苦しげにうめく。
その表情を覗きこんで源蔵が首筋をなめ上げる。
「徹底的に舐ぶってやるぞ。どうじゃ、舐り地獄じゃ。そろそろ下の方へいくかのぉ」
 源蔵はのり佳の前にまわり、しゃがんでのり佳の尻を掴み、左右に広げるように割った。

「義男、尻の穴を責めるのじゃ」
義男は源蔵にいわれるままに、7のり佳の背後に回り、源蔵の手で露わにされている小菊を責め始める。
皺の溝を二本の舌先が掘り返す。
皺の一本一本を丁寧になぞる。
中央の穴に向かって二本の肉先が蠕動しながら進む。

「今まで味わった事がない感覚じゃろう。きもちいいか?」
 のり佳はしきりにくちびるを舐め、淫感にひたっている。

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