高校の身体検査
にこ:作

■ 3章 【二次検査】1

検診は終わったんだ。
なのに・・・
残る記憶。
そして。
あのビデオは、どうなるんだろう・・・
不安が募るばかり。
どうしよう。
言うこと聞いたのに ばら撒かれたりしたら。

そう怯えつつ私は、普段の日常に戻った

――はずだった・・・・

ホームルームで、私の名前入りで配られたというよりは
渡された紙。
そこには・・・
『内科検診のお知らせ』
「・・・・・」
言葉がつまった。
(あれ?内科って、こういう手紙くるの?なんか初めてなんだけど・・・)

「リコ、それ何の手紙ぃ??」
友達に聞かれた。
「え?あぁ。内科・・・」
私はそう答えた。
「えぇ〜!?内科? なんか珍しいねぇ!?」
友達に言われた。
(やっぱり・・・なんか不思議だよね)
「でしょ?なんか、変なんだよねぇ」
そうとしか言えなかった。
あの日のことは、絶対私しかされていなかったはず。
あのときの先生の様子だと・・・
そうだよね。我慢してたっぽいもんねぇ・・・
嘘でしょ?
二次検査・・・
あのオッサン何するつもりなんだ・・・

そう思いつつ私は手紙を鞄にしまった。

――下校。

電車の中は混んでいた。
その中で見た事のあるようなオジサンが居た気がした。
(いや。違うか・・・)
最寄駅。
私は電車から降りた。
すると
トン。
肩を掴まれた。
「!?」
ビクン
と私は驚きながら・・・
後ろをゆっくりと振り向いた。

そこには・・・・
こないだの医者のオジサンが立っていた。

「やあ。また会ったね?」

また会ったね。じゃない。
絶対にストーカーしていたに違いない。

「検診の手紙見たかな?」
そう私に問いかけてきた。
私は
「はい。 でも、行きませんから」
と答えた。

「ふーん?いいんだ。映像・・・」
ギクッ
私は、内心焦った。
冷や汗がこぼれおちる。

「じゃあさ?検診に来るのと、僕の家に来るの。どっちがいい?」

究極の選択肢を出された。

これはマズイ!
私は、そう思った。
映像をばら撒かれるのも困るが・・・

家は危険だ。

ならば・・・・

「検診に行かせていただきます。約束は守って下さいね」
そう伝えて、一目散に家に向かって、足を止めずに走ったのだった。

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