地球侵攻日記
〜悪の組織も辛いよ〜
kyousuke:作

■ 序章 世の中楽じゃない1

 西暦200X年某月…地球は突如謎の異星人”ゲルトレン帝国”から侵攻され、人類の栄華も終わったに見えたか同時期に打倒ゲルトレン帝国を抱える植民地惑星同盟軍と国連軍が密かにコンタクトを取り協力し”防衛戦隊ガイアフォース”を結成し、彼らは幾多のピンチを乗り越えて破竹の勢いでゲルトレン帝国四天王を倒した。彼らの侵攻時に使う時空機動要塞内部から話が始まる。



 玉座にデンと構える主はため息を付いた……地球の少年に見えるが長い耳にキレイな顔立ち……女性にも見えるがゲルトレン帝国の王家は基本的に美顔が多い。しかし、けばけばしい衣装に身を包んでいる。ため息の原因はこれじゃない……ガイアフォースの件だ。

「四天王まで倒されてどうするつもりですか!!!!!!」

 鬼の様な宰相であるジェモンドスは金きり声を上げた。主の前を円を描く様にうろついている。

「地上侵攻基地にある将はいない、歴戦の勇者がこうも簡単に倒されるとは……」

「ジェモンドス……彼女に託してみてはどうかね?」

 ゲルトレン帝国の支配者にしては少々頼りないレクルス三世は言う。

「ハァ…彼女と言いますと…ミレィス・アムーレルですか? 恐れながら彼女の場合は民族学者でありまして…その、戦は専門外と……」

「四天王を育て上げたJアムーレルの娘だ。何とかなるだろう」

宰相は頭を下げると王の間から下がった。あの方の閃きには恐れ参る……宰相は杖を携えて彼女の控え室へと向かった。



「宰相様? それは……無理です……祖父は確かに立派でしたが先の内乱で一族は私を残して全て絶えてます。それは……先祖伝来の戦法も先祖が数多の戦で得た経験も無くなったと言うことです」

 マントに身を包んだ十三歳ぐらいの少女は宰相に悲しそうに言う。部屋は質素な部屋で文献が山のように積まれていて、とても女性の部屋とはいえない。他にはベットにバスルームのみの部屋。

「四天王が戦死した事は知っているな」

「私も戦場に出たいですが……戦士になる事は永久的に禁止されてます。先代によって……民族学者なんて仮初に過ぎません…」

「しかし、君はレクサス様が唯一本音を聞ける者だ……」

「……私にはこの軍に貢献できる体ではありません……出来る事はレクルス様を喜ばす事しかありません」

 確かに彼女はゲルトレン人であるが顔には幾何学模様の刺青されていてしかも全身至る所にある。それはゲルトレン銀河圏に見られる娼婦がしている物で更に彼女の体には男性器官まで生やされている。こうなると本来はここにいられないがレクルス三世のたっての希望で彼女を植民地アドバイサーして取り立てた。それは部下の陰謀自分がオドロされ彼女の一族を滅ぼし彼にとってはせめてのも罪滅ぼしだったがミレィスには場違いな職場であり、地球侵攻が始まると彼女は独自に地球に降りて現地調査していた。

「とりあえず、一度レクサス様の所へ出向いてくれ………ここん所な奥方様と不仲になっている……お世継ぎも未だに誕生されてない、人はアムーレル一族の呪いと言っているがどう思うかね?」

「私には口出しできる問題じゃありませんですので」

 宰相は彼女の部屋を出る。



 「ミレィス・アムーレル……皇帝陛下にお目にかかれて……」

 皇帝陛下のプライベートルームに頭を下げるミレィス………自分の身分なら普通はこれない場所なのだ……。

「固い挨拶は無し、昔のように接してくれたらいいんだ」

「…地球侵攻の最高責任者にはお断りいたします………帝国内には勇猛な武将がいるはずと……」

「君のレポートは読んだよ……やはり知将一族の娘だ……私の責任で観測所を基地に格上げし人員を増やす……」

 ミレィスは直ぐに後ろに下がり土下座した。

「それは、なりません! 私は只の娼婦に過ぎません!」

「私の前には民族学者しかいない……娼婦なぞいない」

 結局…レクルス三世は彼女には数人の部下と一隻の戦艦を与えた。

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