染められる…
黒鉄:作

■ 8

 ラブジュース…愛液…自分の体から出て来た液体を表す卑猥なその言葉を耳にして、由香は耳をふさぎたかった。男の言う通りなのはわかってはいたが、自分がこんな卑劣な男の手によって濡れたという事実を認めたくなかった。
「違う…違います……私、濡れてなんかいません……そんなわけ……ない…」
 事実を認めたくない由香の口から漏れたその言葉を聞いて、男が耳元で囁く。
「そうかい? それじゃもっとたっぷりと濡らしてあげようね。お嬢ちゃんが否定できないくらいたっぷりとね。お嬢ちゃんも立派な女なんだってことを、いやでもわからせてあげるよ」
 そう言うと、男の手がすっとスカートの中に再び滑り込み、今度は前置きなしに、すぐにショーツの中へと突っ込まれる。そして、2本の指が由香のスリットの両側のふっくらとした唇を左右に大きく開き、その中へと差し込まれる。スリットの中の粘膜の襞をなぞる指先が前後に大きく何度も動くと、湿った水音が由香の股間から漏れてきた。ピチャ…クチュ……ヌチャ……
「ああっ! いや……そんないやらしい音を……聞かせないで……ひどい…っ……」
 由香はいやでも耳に入ってくる、自分自身の濡れた音を聞いて、泣きじゃくるような声を上げた。男の指が割れ目の中で我が物顔に、自分自身の女としての全てを弄り回してくる。耐え難い屈辱と恥ずかしさに、涙が頬を伝って流れる。
「恥ずかしいだろう? でも、すぐにその声も歓喜のよがり声に変えてあげるからね」
 男が指を更に滑らせると、まだ包皮をかぶったままの小さな突起へと指先が行き当たった。包皮の上からそこを軽く突かれた瞬間、由香の下半身に、これまで感じたことのない鮮烈な感覚が走り、ウッ! という呻き声を上げながら、由香の全身がビクリ! と大きく震える。

「ああ、ここだね、お嬢ちゃんの一番敏感な部分は。ほら、ここにある小さな皮をかぶった豆をなんというか、知ってるよね?」
 由香の頭に、クリ○リスという単語が閃いた。女の子の体の中で一番過敏な小さな突起…普段シャワーを浴びている時でも、股間に水流が当たると、そこから鈍く甘い感覚がにじみ出してきたりして、そこにそれがあるということは、薄々感づいてはいたが、これほど鮮烈な感覚を生み出す部分だとは知るよしもなかった。一呼吸おいて由香はその男に答えた。
「し、知りません…何が……アアァァッ! だ、駄目っ! そ、そんなに…しない…でっ」
 由香の答えが遅れたのを見透かすように、男の指が由香の肉芽の包皮の上に指をあてがい、小さく円を描くようにその指先を回してくる。下半身から背筋へ熱い電流が走ったかのように由香の体がのけぞり、刺激の強さに思わず大きく甲高い悲鳴をあげてしまった。

「嘘つきはいけないなあ。いまおじさんが、この豆が何か知ってるかい? って聞いたのに、知らないふりをしただろう? ほら、本当はこれが何なのか知ってるよね?」
 男が再度質問を繰り返しながら、由香の肉芽をクリクリと指先で転がし続ける。由香は刺激の強さに息を乱しながら、必死に首を縦に振った。
「ご、ごめんなさい…あ、あっ! …知ってます、そこは……そこは…クリ…○リスです!」
 由香の口からその肉芽を表す言葉が出ると、男の指が止まった。しかし、それも束の間のことで、今度は包皮を前に引っ張るように力を加えてくる。襞に包まれた少女の敏感な突起は、男の指が包皮を剥き上げるように引っ張ることで、その本体を露わにされる。そして、男の指が力を緩めると、また元のようにその襞の中へと隠されていく。引っ張り、戻し、また引っ張り…何度も何度も繰り返し男の指がクリ○リスを出し入れさせると、柔らかい包皮と擦れて、敏感な突起がじんわりと刺激を受ける。

「ハァ…ハァ…やっ……そんなに…んっ! ……ん…あ、あぁ……駄目ぇ……」
 じんわりと股間からわき出る気持ちよさに、由香は目をつぶり、頭をのけぞらせるようにシートに押しつけて、甘い吐息を漏らした。その腰がゆっくりとうねるように動き、少女が悦楽に浸っていることを告げる。
「ほおら、気持ち良くなってきただろう? 素敵な気分だね? さあ、それじゃさっきの嘘をちゃんと訂正しておこうか。お嬢ちゃんのオ○ンコは今、どうなってるのかな?」
 オ○ンコ、という言葉の意味を、由香はわかっていなかった。でも、それが自分の大切な部分を刺す隠語だということは、すぐに理解した。それでも、男の言葉に従うのにはまだ一抹の理性が残っており、それが最後の抵抗を示した。目をつぶったまま、由香はふらふらと頭を左右に振って、それは言えない、というジェスチャーを示した。
「ふふ、そうかい。それじゃ、もっと酔わせてあげないと駄目みたいだね…」
 男が嬉しそうに言うと、包皮を引っ張っていた指を滑らせ、ヌルヌルの愛液を吐き出し続けている少女の秘孔の入り口へと移動させた。

「あっ!! そ、そこは……そこは許して…許して下さい! 私…まだ……」
 男の指が膣を穿つ…と思い、本能的に体を竦ませて、処女としての恐怖におののく由香の耳元で、男が囁く。
「だから最初に言っただろう? おじさんは、女の子を気持ち良くさせるのが趣味なんだって。タチの悪い痴漢なら、とっくにお嬢ちゃんをトイレにでも連れ込んで犯しているんだろうけど、おじさんはお嬢ちゃんを傷つけることなんてしないよ」
 男の指は、由香の膣からにじみ出る愛液をたっぷりとその先端に絡ませると、再び膣口から離れていく。由香の体から力が抜け…薄く開いた目が男を見つめた。自分を傷つけることはしない…気持ち良くさせるだけ…その言葉にこっくりと小さく頷くと、ふっくらとした小さな唇を開いて、小さな声を出した。
「わ、私は…私のあそこは……お、おじさんの指で…気持ち良く…なって……ぬ、濡れて……います……あ、あっ…」

 由香のその告白を聞いて、男は嬉しそうに頷きながら、たっぷりと愛液を絡めたその指先で由香の包皮を剥き上げ、剥き出しになったクリ○リスを直に擦りだした。包皮越しの間接的な刺激と違い、直接その敏感な肉芽を責められ、由香の体がビクッ、ビクッと大きく跳ねる。
「ひっ! …あ、す、すごい! ……駄目…刺激…あぐっ……強過ぎ…あっ! あっ! …お、おじさんっ……駄目えぇ!」
 由香は口を手で抑えて、恥ずかしい声が少しでも周りに聞こえないように、必死で我慢しようとしたが、男の指が自分の肉芽を擦りあげるたびに、鼻にかかったような甘えた喘ぎ声が漏れてしまうのを、止めようがなかった。テレビの濡れ場のシーンで、女の人がこんな恥ずかしい声を出すのを聞いて、こんなの嘘よ、いやらしい…と眉をひそめていた自分が、今、電車の中で痴漢されて、同じようなエッチな声を抑えられないでいる…。
「ハァ…ハァ…いや……あ…ああ…んぐっ! ……き…気持ち…いい……ハアァァ……」

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