染められる…
黒鉄:作

■ 9

 可愛い顔をした制服姿の無垢な女子中学生が、自分の指先の動きでオ○ンコをぐっしょりと濡らしながら、喘いでいる。男は最高の気分を味わいながら、ショーツの中の指の動きを更に強めてやった。このまま続ければ、この女生徒はイクにちがいない、俺のテクニックでイカせてやる、そう思った時、男の目に、席から立ち上がるひとりの男の姿が目に入った。がらがらの車内で、その男はゆっくりとこちらに近づいてくる。
「くそっ、なんでこんな時に…畜生!」
 男は口の中で悪態をつきながら、由香のショーツの中に入れた手を引き抜き、スカートからも抜いた。セーラー服のめくれもさっと下ろしてしまうと、なに食わぬ顔でスポーツ新聞を持った。

「え……? な、何……?」
 いきなり男の指が自分の下半身から撤収し、制服の乱れも直されて、何が起こったのかわからない由香は、目を閉じたままぐったりとシートに身をもたせかけた。スカートのすそはめくれあがって、太腿は半ばまで見えているし、セーラー服の胸当てのスナップは外れたままだ。誰が見ても、制服姿の少女が痴漢されていたというのは一目瞭然の状態だが、男は何食わぬ顔でスポーツ新聞を見ている。なにより、男の尻の下からはみ出した由香の白いブラが、今までここで何がされていたのかを、明らかにしている。しかし、男にはあれほど感じさせられた由香が今更、誰かに助けを求めるなんてことはないのがわかっていたし、この美少女を痴漢してやったんだぜ、と誇らしげに見せつける思いもあった。

 ゆっくりと2人の座るボックス席に近づいて来た男は、2人の様子をじっと見つめながら、そこに立っていた。痴漢をしていた男は、その男がそこから立ち去る様子を見せないので、いらついた視線をその男にちらちらと向けていたが、やがてチッ…と小さく舌打ちすると、尻の下に敷いた由香のブラジャーを引っ張りだし、自分のカバンに丸めて入れると、席を立って隣の車両へと足早に去っていった。

 自分の席でしばらく茫然自失の体であった由香は、隣に座っていた男が唐突に痴漢行為を止め、そして席を立っていったことに対して、なぜ…? という疑問と、そしてそれ以上自分が辱めを受けることはないんだ、という安堵の思いに、少しずつ立ち直っていった。そして、閉じていた目を開いた時、ボックス席のすぐ横で、背の高い30代半ばかと思われる男が立ったまま、じっと自分を見つめているのを知り、乱れた制服姿で座っている自らの状態に思いが至った瞬間、それまで麻痺していた理性が急速に戻り、恥ずかしい! という感情が一気に体全体に広がって、真っ赤になりながら、俯いて自分の制服の乱れを直していった。

 この男の人は、私が痴漢されていたんだ、ということを、わかっている……電車の中でいいように男に弄ばれ、いやらしい快楽に身を委ねてしまった自分…色々な思いが頭の中を錯綜し、唇を噛んで俯いて座っている由香の近くに立っていた男が、その時、口を開いた。
「どうだ、お前の本性が少しは自分でも見えてきたか、由香? あのいやらしい中年おやじに、こんな電車の中でいいように体を玩ばれて、気持ち良くなってオ○ンコを濡らす女子中学生なんだぜ、お前は。お前の気持ちよさそうな喘ぎ声が、俺の所にも聞こえてたぜ。だから言っただろう、お前は隠れマゾだって。男にいやらしいことをされるのが好きなんだよ、お前は」
 その声…電話でしか聞いたことのなかったあの男の声に間違いない。俯いていた由香はあっと声を上げながら、自分の横に立っている男を凝視した。白いポロシャツに膝までのハーフパンツ、素足にサンダルを履いたラフな格好の男だ。身長は180cmはあるだろう、長身ですらりとした体だが、決して痩せているわけではない。体のラインはむしろがっちりとした筋肉質の締まった体を思わせる。髪は茶髪で、短くスポーツ刈りにまとめてある。そして顔は…由香を見下ろしているその顔は、目の前の女生徒を値踏みするようにじっと見つめるその顔は、優しさなどまるで感じられない、冷たい雰囲気を漂わせていた。由香は、その刺すような視線を浴びて、ぞくっと背筋に冷たいものが走った。

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