染められる…
黒鉄:作

■ 10

「わ、私は…ま、マゾなんかじゃありません! こんなこと…ここにだって別に好きできたわけじゃ……」
 それでも必死に言い返そうとする少女に向かって、馬鹿にしたような笑いを口から漏らすと、男は大きく足を踏み出し、由香のすぐ前に立つや否や、いきなりその手を由香の胸元へと無造作につっこみ、ブラを無くして無防備になったその乳房を鷲掴みした。大きくて太い指が柔らかい膨らみに食い込み、強い力で絞り上げてくる。あまりの痛さに由香は悲鳴をあげて懇願した。
「痛い! 痛いです…っ…お、お願い、止めて下さい! ああっ、痛い! …痛いいぃ!」
 由香が涙を流しながら痛みを訴えると、男の指が入ってきた時同様、すっ…と引き抜かれ、どっかりと由香の対面に腰を下ろした男が、逆に由香の腋を抱えるように持ち上げて、自分の前に立たせた。

「さっきの痴漢はな、ありゃへたれな奴だ。せっかくお前をいい所まで追い込んでおきながら、俺が近寄ったらやばいと思ってすぐに手を引きやがっただろう? あいつはそういう奴さ。小心者だ。俺なら、例え誰かが来ようとも関係なくやってたな。これからそれを実証してやろうか? ほら、パンツ脱げよ」
「そ、そんな…いきなりパンツ脱げって言われても……で、できるわけ…」
 理性の戻った由香が、怒ったような口調で言いかけた途端、その言葉が終わる前に、男の手がすっ…と上がり、目の前の少女の胸を平手打ちした。パーン! と大きな音が車内に響き、由香のノーブラの胸が大きく揺れる。痺れるような痛みを胸に感じて、少女は大きなショックを受けた。痛みよりも、自分の女としてのシンボルが、男に打たれる、というその行為が信じられなかった。そして、この男に抵抗することの無意味さをまざまざと見せつけられ、やっぱりこの男には抵抗できない…と絶望的な気分が頭を支配してくる。

「わ…わかり……まし…た……脱ぎます…脱ぎますから…どうか……それ以上ぶたないで下さい! …ひっく…ひっく……うっ、うっ、ううぅ……」
 しゃくり上げながら手をスカートの中に差し込み、白いショーツをゆっくりと下ろしていく。丸まったその下着を太腿から膝へと下ろした由香は、そこで一瞬躊躇したが、やがて観念したようにスカートからそれを出して、片足ずつ引き抜いて、それを受け取ろうと無言で手を出した男に手渡した。
「よし、それじゃそこの座席に手をついて、尻をこっちに向けて突き出してみろ」
「うっ…うっ…わかり…まし…た……」

 言われるままに男に背を向けると、座席に手をついて、腰を男に向けて突き出すようなポーズを取る。男の手が由香のスカートにかかり、それを無造作にバサッと捲りあげると、丸みを帯びたお尻が全て丸見え状態で露わにされる。男の手が由香のお尻にかかり、左右に大きくそれを割るように開くと、さっきの痴漢の余韻をまだ存分に残している、ねっとりと濡れた割れ目に指を差し伸べ、いきなりクリ○リスを直にこね回しだした。
「あっ? い、いやっ…はうっ! 駄目…そこは…さっき……すごく敏感に……なって…んっ! …んんんっ! …アッ……アッ…アッ……」
 男の指が尖りだしたその肉芽を擦りあげるたびに、由香が甘えたようなアッ! アッ! という甲高い喘ぎを漏らす。男はもう片方の手で、白い由香のお尻の肉を軽くピシャ! と叩くと、由香のお尻がくねくねと怪しく揺れ動く。

「ふん、さっきの痴漢野郎にいい感じにされてるじゃないか、由香。いきなりこんな風に悶え始めるとはな。お前はな、こうやって男にいたぶられるのが好きなんだろう? ほら、正直に言えよ? 私は、いやらしいマゾの女子中学生です、ってな」
 由香は、また麻痺していく自分の理性にすがり、男の言葉にかろうじて首を横に振った。自分からマゾなんて宣言するなんて…絶対にしてはいけない…。
「へえ、なかなかご立派な自制心だ。じゃあ、俺がお前のその尊大な理性を狂わせてやろうか。なあに、簡単なことさ。あの痴漢野郎みたいにチキンじゃねえからな、俺は」

 男が立ち上がると、由香の体に後ろから自分の体を寄せていき、由香の太腿を抱えてその小柄な体を後ろから持ち上げる。丁度赤ん坊におしっこさせるような格好で由香を抱えると、ボックス席を出て、一般客の座っている所へと移動を始めた。由香は、男に抱きすくめられて高く持ち上げられ、恥ずかしさのあまり顔を両手で隠すしかできることはなかった。あっという間に男は他の乗客の前に由香を連れて行くと、大学生風の若い男が参考書を開いて座っている前に仁王立ちになった。
「なあ、そこの大学生の兄ちゃん、いまからすごくいい物を見せてやるから、そんな小難しい本なんか閉じて、前を向いてみな」

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