羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第一章4

貴子へ

どう?素敵な写真でしょ♪
あまりにも素敵な写真だったから、この学校に同じのが後3枚貼ってあるんだよ。もう誰かが見つけたかもしれないねっ♪


貴子は、ショックでその場にヘタリ込んでしまった。誰かがその写真を見ても、貴子だと分かるとは限らない。でも、色々詮索していくうちにきっとバレルだろう。こんな写真を誰かに見られてしまったら、もう学校には来られない。生きて行けない。今の貴子には、どうすればいいのか放心状態である。その時、携帯から着信のメロディーが流れてきた。非通知だ。破いた写真をポケットに仕舞い、貴子は電話に出た。
貴子「もしもし?」
電話「 ……… 」
貴子「誰なんですか?なんで私にこんな事するんですか?」
電話「………、そんな所に座ってゆっくりしてていいの? 皆に見てもらいたいんだ♪」
貴子「はっ!  何処に貼ったんです? 教えてください!」
電話「何その態度! あんたさぁ、自分の置かれている立場分かってるの?」
貴子「うっ、教えてください。お願いします。」
電話「教えてあげようかと思ったけど、止めとくわ。自分で探しなさい。じゃあね」
電話が、切れてしまった。こちらからは、電話をかける事が出来ない。貴子は、呆然として体が動かない。
―― 何とか連絡を取らないと。。。そうだ、メールなら… ――
さっきの電話の相手にメールで、お詫びと写真のある場所を教えてくれるようお願いをした。
1分が経ち2分が経ち3分経った時、着信音のメロディーが流れてきた。慌てて電話を取る。
貴子「もしもし?」
電話「 ……… 」
貴子「すいませんでした。写真のある場所を教えてください。お願いします」
電話「 ……… 」
貴子「お願いします」
電話「仕方がないね。教えてあげるよ。でも、ただじゃ教えられないなぁ」
貴子「どうすればいいんですか?お金ですか?幾ら払えば…」
電話「じゃあ、ゲームをしよう。窓にハンガーがあるでしょう。今から10分以内にそのハンガーにあんたの今、付けているブラとパンティーを吊るしなさい。そしたらヒントをあげるわ。もし10分以内に出来なかったらゲームオーバー。自分で探しなさい」
貴子「 そんな… 」
電話「そうそう、さっき偉そうな態度取ってたから、罰ゲームとしてカーテンを閉めずに窓に向かって脱ぎなさいね♪」
貴子「許してください。ほかの事なら何でもしますので。お願いします」
電話「 ……… 」
貴子「お願いします。    お願いします」
電話「 ……… 」
電話「もう1分経ったけど間に合うの? それとも皆に見てもらいたいのかな?」
全くお願いを聞き入れる気はないらしい。挙句に電話も切れてしまった。
どうしたらいいのか、パニック状態の貴子。
―― どうしよう、どうしよう、、でも、やらないと… でも…… ――
貴子は、窓からB棟を見渡した。人影は見えない。
―― 絶対何処かで見ているはず! 何処? 何処に居るのよ?! ――
何処にも見当たらない。このままでは、写真が誰かに見つかってしまう。それだけは防がなくてはいけない。貴子は、脱ぐ事を決意した。そうとなれば、時間が気になる。携帯の時計を見ると5分が過ぎていた。急がないとタイムオーバーになってしまう。貴子は、もう一度窓の外に人影がないのを確かめると上着の裾から手を入れブラを外し始めた。しかし、窓に向かって脱ぐ事は出来なかった。窓枠ギリギリの所で、窓に対して横向きに脱ぎ始めた。腕を上着の中に入れ肩紐を左右とも外し裾からブラを出した。横にある机に置き、続いてスカートの中に手を入れた。少し躊躇ったが、ここまできて後戻りは出来ない。スカートの裾から白いパンティが見えてくる。貴子は、急いで足を抜くと手の中で小さく丸めてブラの下に置いた。携帯の時計を見た。残り1分半を切っていた。貴子は、ここでまた迷ってしまった。
―― 「ハンガーに掛けろ」って云ってたけど、出来るわけないじゃない。 ――
考えている内に1分を切ってしまった。貴子は、更に覚悟を決め、ハンガーにパンティを掛けた。パンティを隠すようにブラを掛けてカーテンのサッシに吊るした。
貴子の携帯が鳴った。貴子は、慌てて電話に出る。
貴子「もしもし…」
電話「時間ギリギリね。」
貴子「言われた通りにしました。写真のある場所を教えてください。」
電話「 ……。 でも、約束通りでは無いわよね。確か窓に向かって脱ぎなさいって云ったはずよね。という事で、残念でした。ゲームオーバーよ。」
貴子「そんな!! すいませんでした。お願いします。写真の場所を教えてください。お願いします!」
電話「あんたさぁ、私との約束も守れないでさぁ、ちょっとムシが良すぎないと思わないの?」
貴子「すいませんでした。言うこと聞きますので、写真の場所を……」
―― こんな事している内に誰かに見つかっちゃう。早く何とか聞き出さないと ――
電話「まぁ、下着を脱いだ覚悟は認めてあげる。ということで、写真のある場所のヒントをあげるわ。」

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