羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章3

★ 新しい写真

仲の良い友達を誘ってみたが、皆、クラブや塾などで忙しく結局誰も誘う事が出来なかった。とうとう放課後を迎えてしまった。教室で一人悩み落ち込んでいると後ろの方でワイワイ喋っているグループがいる。早紀、恵美、美紀の3人だった。この3人と貴子は、普段殆ど話をする事が無い。グループで仲良くなると他のグループとはあまり関わらなくなる傾向があるからだ。貴子は、悩んだ。今、この教室には貴子と後ろにいる3人組しかいない。
早紀「ねぇ、今からカラオケに行かない?」
美紀「いいねぇ、行こう!」
恵美「そういえば最近行ってないよね。いつ位ぶりかなぁ?」
早紀「最近の歌、歌えないと恥ずかしいもんね。」
恵美「そう! 私、あの歌、マスターしたいんだよね。」
3人組は、カラオケに行くと決めたのに席を立とうとしない。貴子が誘ってくるのをずっと待っているのだ。
貴子は、悩んでいた。悩んだ結果、関を立って後ろの方へ歩いていく。
貴子「あの〜、」
3人組は、「何?」と言わんばかりの目で貴子を見る。「やっと来た。」と心の中で笑っているのが、全く表情には出さない。
貴子「あの〜、もしよかったら私もカラオケ連れて行って欲しいんですけど。。。」
美紀「何で?」
貴子「私も行きたいな〜なんて思って。。。」
貴子は、愛想笑いをしてお願いした。3人組は、目でコンタクトを取り合って、
美紀「いいよ、じゃ一緒に行こうか」
貴子「ほんと? やった〜」
貴子は、喜んだふりを見せた。内心では、行きたくないのだ。当然である。今の貴子は、下着を着けていない。出来る事なら、今すぐにでも家に帰りたかったのだ。しかし、謎の人物との約束を破ると何が起きるか分からない。五日前、あれだけ用意周到なトラップを仕掛けてきたのだ、今は大人しく従うしかない。
貴子と3人組は、駅前のカラオケボックスがあるビルに来た。1Fはゲームセンターになっていて、2Fがカラオケボックスだ。貴子は普段、カラオケをしないのでこんな所にあるのを知らなかった。1Fのゲームセンターは、ガラの悪そうな人々が屯してる事が多く、普段からなるべく近づかないようにしていた所だ。
今日も、隣町のすこしガラの悪い高校の学生がいたる所に屯している。なるべく目を合わせないように下を向いて3人組の後ろをついて歩いている。不意に早紀が話しかけてきた。
早紀「ねぇ、貴子。なんで今日はスカートいつもと違うの? かっこ悪いよ」
ここに来るまで、色々話をして、仲良く慣れたと貴子自身思っていた。
―― 思ってたより案外良い人達かも。。 ――
そんな事を思っていた時だった。貴子は、ドキッっとして咄嗟に
貴子「いつものスカートクリーニングに出してて取に行ってないから…」
と答えた。まだ、心臓の鼓動が治まらない。
麻衣「ねぇねぇ、プリクラ撮らない?」
美香「撮ろう撮ろう。貴子も一緒に撮ろうよ」
貴子「うん、、、いいよ。」
一番近くにあるプリクラの機械に4人で入った。3人がそれぞれポーズを作っている後ろで貴子も笑顔でカメラを見た。写真のデコレーションをしている時、貴子の携帯が鳴った。


貴子へ
  隣のプリクラ機に行って、笑顔でスカートを捲った姿を撮りなさい。
  デコレーションに言葉で、{ 私ってエッチでしょ^^ }って書きなさい。


貴子は、目が点になった。まさかこんな所で命令されるとは…今も監視されているんだ…
貴子は、皆にトイレに行ってくると言ってその場を離れ隣のプリクラ機に入った。中にある台に乗ればカーテンのおかげで外からは覗かれない限り見つかることはない。貴子は、画面を操作して勇気を持ってスカートを捲くって笑顔をして見せた。「パシャ」機械音と共にフラッシュが光った。スカートを戻してデコレーションを書きプリントボタンを押した。
カーテンの隙間から外を伺った。あの3人組はまだプリクラの中で何か遊んでいるようだ。写真が出てくるまで30秒ほどかかる。その時間がもの凄く長い時間に感じる。
そこにまた、メールが来た。


貴子へ
  今度は、ブラウスのボタンをすべて外し両肩とおっぱいを出しなさい。
  続けて、スカートを捲くった写真も撮りなさい。笑顔を忘れないでね。

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