羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章5

麻衣 ⇒ 早紀
  うまく信用させる事に成功しました。予定通り今から貴子の家に行きます。

早紀 ⇒ 麻衣
  了解、じゃあ1時間後に貴子にメールするから作戦通りよろしく!」

貴子の部屋では、4人で今後について話をしている。
麻衣「ところで、どんな理由で脅されているの?」
貴子「それが……、。。。」
麻衣「何?」
麻衣は、いかにも親身になっている素振りで優しく聞いた。
貴子「写真を撮られて……。」
麻衣「どんな写真?」
貴子「それが………。」
貴子は、俯いて目に涙を溜めている。麻衣は、貴子の手を両手を力強く握り
麻衣「大丈夫、私達を信じて。私達は、あなたの見方だから」
貴子「……うん。実は、トイレで盗撮されて」
麻衣「そうなんだ、で、その写真は?」
貴子「えっ?」
麻衣「大丈夫、見せてなんて言わないよ。回収したとか、後、何枚位あるとか」
貴子「一応、今日全部返してくれたはずなんですけど。」
美香「えっ?! じゃあ、もう脅される事ないじゃん。」
美紀「なんだぁ、もう解決しちゃったね。」
貴子「でも……、もし、ウソだったら。。。」
麻衣「そうだよね、脅してくるようなヤツが簡単に自分の切り札を捨てるはずないよ」
貴子「やっぱりそうだよね。どうしよう」
貴子は、目に溜めていた涙を零しながら泣き出した。麻衣は、そっと肩に手をまわし抱きしめてあげた。
麻衣「辛いかもしれないけど、今までどんな事をされたのかゆっくり話して。犯人を見つけたいでしょ。大丈夫、私達は貴子の見方だよ。誰にも言わないから、ねっ?」
貴子は、泣きながら小さく頷き、今日までの事を詰まり詰まりゆっくり話はじめた。

なんとか、今日のプリクラに至るまでの話を終えた。貴子は、顔を真っ赤にしながら泣き腫らした目が床の一点から動かないでいる。
麻衣は、貴子の肩を強く抱きしめ、
麻衣「辛かったんだね。でももう大丈夫、私達がきっと助けてあげるから」
麻衣は、笑いを堪えながら然も心配しているかのように貴子に言った。
美香、美紀は、貴子の後ろで、笑う声を必死で押し殺していた。
突然、貴子の携帯が鳴った。

貴子へ
  楽しく遊んでいるかな?
  てっきり奈々と遊ぶのかと思ってたのに、新しい友達を見つけたんだね。
  折角だから皆で裸になって写メを送りなさい。
そして添付ファイルがついている。開くと、今日、教室でブラウスとスカートを捲くっている写真だった。自ら自分のすべてをさらけ出している、しかも顔がハッキリと写っていた。
貴子は、携帯を見つめたまま動けないでいた。
麻衣「貴子? もしかして脅迫者からなの?」
貴子は、小さく頷いた。3人がそのメールを覗く。
美紀「えー?! 何コレ………。」
美紀は、貴子の携帯を取ってみんなで見た。それは、麻衣、美紀、美香もはじめて見る写真だった。メール文を見て、
美香「えっ? ヤダよ私、出来るわけないじゃん、そんな事」
美紀と美香は、思った。
――まさかホントに撮らないといけないの? 早紀先輩――
麻衣「貴子、残念だけど私たちはこれに従う事は出来ない。貴子を助けてあげたいけど、これとそれは別でしょ。分かって。」
貴子「分かってる。私も出来ない、だって皆を巻き込みたくないし……。でも、どうしよう。」
麻衣「ここはまず、話し合いをしよう。この脅迫者に、なんで貴子なのか、何が目的なのか、聞き出すのよ。今まで聴いた事ある?」
貴子「無い。」
麻衣「よし、じゃあ、携帯貸して。」
麻衣は、貴子の代わりにメールを打ちだした。
メール「そんな写真は送れません。それよりどうして私を脅迫するんですか? 何が目的なんですか? こんな事して楽しいのですか?」
しばらくしてメールが返ってきた。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊