羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章12

貴子は、奈々に連れられて、近くのトイレによって教室に入った。廊下側の一番後ろにあの3人組がいた。貴子は、奈々のことをおいて3人の所にいった。
貴子「おはよ。。。あの、昨日は……。」
美香「あー、貴子! おはよ〜。昨日? あぁ、昨日はもう大変だったんだから。」
麻衣「もう少しで、犯人の正体が分かりそうだったんだけど、逃がした。」
美紀「でも、犯人は複数なんでしょ? たぶんその1人は男だね。あの背格好は。」
麻衣「その後、辺りを探し回ったんだけどね、いなかった。貴子に電話しようと思ったんだけど夜中1時を回ってたからしなかったんだよね。」
美香「それで寝坊しちゃった。」
貴子は、涙目になって、
貴子「ごめんね。。。ありがとう。。。」
麻衣「いいのいいの。でも惜しかったなぁ、あと少しだったのに。絶対に捕まえて見せるから、だから貴子も頑張ってね。そんな顔しないの! 皆が不審に思うから。」
美香「そうよ、私たちが苛めているみたいじゃない。学校では駄目だよ。」
そこに奈々が来た。
奈々「どうしたの? 貴子? あれっ?」
奈々は、貴子が今にも泣きそうな顔をしてるのを見て、3人組を少し睨んだ。貴子も、それに気付いて、
貴子「奈々ちゃん、違うの! あの、実は、昨日………、そう、昨日、夜道で変な人に絡まれて、麻衣ちゃん達に助けてもらったの。麻衣ちゃん、美紀ちゃん、美香ちゃん、昨日はありがとう、本当に助かったわ。」
貴子は、咄嗟にウソをついた。
――奈々ちゃんにまたウソついちゃった。ごめんね。――
心の中で謝った。麻衣もこのウソに便乗して、
麻衣「でも、よかったよ、私たちがいて。貴子ね、変な男に連れ去られそうだったんだよ。」
美紀「ほ〜んと、でも、私たちが追っ払ったんだよ。」
美香「その男を捕まえようと、追っかけまわしたけど逃げられちゃったけどね。」
奈々「!!!? 貴子、それホント?」
貴子「うん、怖かった。でも、ほんと助かりました。ありがとうございます。」
貴子は、3人に頭を下げて『ニコッ』と笑って見せた。奈々は、なにか腑に落ちない所もあるが、貴子がそう云っている以上、何も言えなくなる。」
麻衣「また、何にかあったら云いなさいね、同じクラスメイトなんだから、ね!」
貴子「うん、ありがと。」
始業チャイムがなり貴子と奈々は、自分の席についた。

授業が始まって5分後、ポケットの携帯が震えた。貴子は、ビックリして体が一瞬起こした。見つからないように携帯を取り出し、見つからないようにメールを見た。
メール「今から、30分以内に廊下に出て、7と1を実行の事。」
貴子は、愕然とし携帯をしまってジッと俯いたまま動かなくなった。
――まさか、授業中まで、しかも、こんな指示なんて。。。――
信じられないと言わんばかりに顔を真っ青にしている。そうこうしている内に時間は、どんどん流れていき、あと少しで30分が立ってしまう。貴子は、意を決して先生に“腹痛でトイレに行きたい”と告げた。先生は、ブツブツ言いながらも許可が出た。貴子は、後ろのドアから廊下に出る。教室と廊下は、ドアのところに磨りガラスがある以外壁である。磨りガラスもかなり濃い為、人影の存在も分かりにくい。反対側は、腰から上がすべて窓で、B棟がハッキリ見える。もちろん、B棟からも丸見えだ。B棟では、幾つかの教室で授業が行われている。貴子は、この廊下の何処で指示に従うか場所を探す。階段は、棟の両端にあり、そこはB棟からは見えない。貴子は、階段に行き、辺りを見回す。シ〜ンと静まり返った廊下。誰もいないようだ。B棟や教室、階段の上から絶対に見えない位置に隠れた。しかし、階段の下からは丸見えである。覚悟を決めてブレザーを脱いだ。ブラウスのボタンが嵌っていても貴子の豊満な胸の頂が布を押し上げ存在を誇示している。ブラウスのボタンを1つずつ外していく。すべて外して肩から脱いでいく。ブレザーとブラウスは貴子の足元に丸まって置かれ、ついに上半身裸になった。両手で胸を隠し、辺りを見回す。ついにスカートのジッパーに手をかけた。ジッパーとホックが外され両足を抜いていく。そのまま背を壁につけジッと十分を待った。1人誰も居ない格好の廊下で、ジッと待つ。いつ誰が来るかもしれないという緊張感が、いつも日の当たらない寒い廊下でも全裸の体をポカポカと温めている。
――何処かできっと見ているんだわ。恥ずかしい、何処に居るの? いったい誰なの――
貴子が、1人全裸で立っている姿を見ている者は1人もいない。早紀や美穂もどこにも居ない。そう、貴子は、本当に独りぼっちなのである。だから、服を脱いでいなくてもバレル事ははいのだ。しかし、貴子には分かるはずも無く、指示に従って1人全裸で佇む。
やがて、10分立ったのを携帯で確認し、急いで服を着込む。隣にあるトイレに入り身だしなみを整えて教室に戻った。その後は、何事も無かったかの様に授業を受けているが、依然、顔は紅潮したままであった。

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