羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章15

★ 脅迫者、発見?!

金曜日の朝、貴子は重い足取りで学校に向かう。今日もノーブラ・ノーパンスタイルだが、いつもと感じが違う。見た目はいつもと同じだ。しかし、貴子には違うように思えた。理由は分からない。戸惑いを感じながらも教室に入る。まず、麻衣達を捜したが、3人共まだ来ていない。ホッとして机に向かう。奈々が来て二人で談笑していると、3人が教室に現れた。しかし、授業チャイムがなり貴子と3人は目を合わすことなく午前中の授業を受けた。お昼休みになり、麻衣の席を横目で見るが、もう麻衣達の姿は無い。
――麻衣達も気不味く思っているのかな?どうしよう。。。――
貴子には、複雑な思いだ。奈々が近づいてきて、いつも通り談笑をして時間を過ごした。貴子は、今のノーブラ・ノーパンスタイルになってからは、あまり席を離れなくなった。少し前だったら、貴子が奈々の席に行く事の方が多かったのに。午後の授業が始まり席に着く。いつの間にか、麻衣達も席についていた。午後の授業も終わり帰る用意をしながら横目で麻衣の席を見る。もう3人共姿が見えない。その時、ふと気付いた。ポケットに入っている携帯が今日は1度も鳴らない事に。少し嫌な予感を感じながらも家に帰る。

貴子の1日をずっと観察していた者がいる。鈴木だ。ニヤついた顔で貴子をチラチラと盗み見ていた。

早紀達は、お昼休みに招集をかけ、体育館裏に集まっている。
早紀「典子? で、何? 面白い映像が撮れたって?」
典子「そうなの! これ見てよ。」
典子は、カバンからポータブルDVDを出し、再生を押す。
画像は、智子の部屋に設置してある隠しカメラの映像だった。智子が部屋着でベッドに寝そべり電話をかけている映像から始まる。
智子「あっ、もしもし、康二先輩。今何してるんですか?」
智子「そうなんですか? え、うん、実は、来月のゴールデンウィークにバスケの試合があるでしょ、そう、私の最後の試合。でね、明後日の土曜日と日曜日は合宿なんです。でも、月曜日は祭日じゃないですか。でね、母に合宿が月曜日までって言ってあるの。」
智子「えへ、そう、ウソついちゃった。」
智子「先輩の家行っていい?」
智子「やったー。うん、じゃあ、又時間は連絡しますね。うん、じゃあ、おやすみなさい。」
智子は、嬉しそうにベッドから起き上がり鼻歌交じりで部屋を出て行った。
典子「ね? これって彼氏家にお泊りするってことでしょ。」
早紀「へぇ、智子、彼氏居たんだ。康二って誰?」
みんな、首を傾げている。
美穂「今度の日曜日から月曜日だね。後をつけて確かめるか。」
早紀「美穂は駄目よ。面が割れてるから。ここは、私と恵美で行こう。」
恵美「しっかり写真に収めてやるよ。楽しみにしてな、美穂。」
美穂「うん、頼んだわよ。」
典子「それともう1つあるんだ。」
典子は、DVDを入れ替えて再生を押す。今度は、違う場所に仕掛けてある映像だった。
早紀「う〜ん、これは使えそうね。」
典子「でしょ、ちょっと面白くなりそうじゃない。」
美穂「あんた達、遠回りするの好きねぇ。」
早紀「いいじゃない、智子には、きっちりやってあげるから。」
美穂「もう、早紀に任したんだから好きにすれば。」
午後の授業のチャイムが鳴る。
早紀「とりあえず、放課後は、駅前のボックスに集合って事で。今後の計画を立てないとね。」
そう云ってそれぞれ教室へと向かった。

貴子は、家に着き自分の部屋に入る。いつもの場所で服を脱ぐ。恥ずかしいけどでも、少し慣れてしまっているのかもしれない。ポケットから携帯を取り出し見つめている。
――おかしい。どうしたんだろう? 今日は全く鳴らない。――
鳴らないのは、貴子にとって良い事なのだが、この2日間の事を考えれば不気味なのである。
気分転換にラジオをつけ本を読んで、1人の時間を過ごす事にした。暫くして、体を動かしたとき、胸に甘い疼きを感じた。貴子は、不思議に思い、そっと手を胸に持っていく。ビックリするほど、乳首が立っていた。股間に手を持っていく。少しではあるが、濡れている。貴子は、動揺してティッシュでふき取りベッドの中に入った。
――どうしたんだろう? 私の体、変。――
昨日の事が思い出される。麻衣達の前で初めてのオナニー。そこで感じた快感。いつの間にか手が股間に伸びていた。貴子は、無意識に動いていた手に気付き、慌てて引っ込めた。
――何やってるの? 私!?――
動揺を隠せない貴子は、1人ベッドで足を抱えて丸まっていた。しかし、目から涙は出なかった。

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