羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章24

貴子は、眩しい光と股間で感じる快感で目を覚ました。右手が股間に伸びていく。ローターを押さえたとたん、大きな快感が体中をめぐり、ビクッビクッと体を震わした。目を開けた貴子は、朝日が眩しかった。そして朝日が貴子の体を暖めている。もう、貴子を拘束している縄は外されていた。貴子は、体に力が入らない。左手は、肘掛から垂らし、右手は股間の上で固まっている。股間からは、まだ、快感が流れてきている。重い体を起こして股間を見た。足が肘掛に乗せてあり、大きく開いていた。股間では、ローターが股間に半分ぐらい埋まって、震動をしていた。足を床に下ろそうとして下げた時、股間に鈍痛を感じた。貴子は、ローターのスイッチを手繰りよせ、スイッチを切る。そして股間についているローターを引っ張った。『痛い!』テープが繊毛を引っ張る。股間を覗き込んで、ビックリした。黒かったはずの繊毛が、薄っすらと金色に染まっていたのである。貴子は、テープを丁寧に剥がし、クリトリスに当たっている綿棒と肛門に刺さっていた綿棒を外した。ローターを持ち上げていくと、股間から痛みがあった。更に持ち上げていくと、もう1本綿棒が出てきた。しかも、その綿棒は、貴子の尿道から出てきたので、貴子は、手が止まってしまった。
――この痛みは、これだったんだ!――
貴子は、注意深く、ゆっくりと綿棒を抜いていく。最後に綿が抜けたとき、尿道口を刺激した。貴子は、ローターを床に落とし、もう一度股間を覗き込んだ。自分で股間を覗き見るのは初めての行為だ。確実に金色に染まっている。しかし、まだまだ黒い。貴子は、尿意を感じ、重い体を起こして部屋を出ようとした。ノブを持って止まる。全裸で出るところだった。貴子は、いつものジャージを見つけ、袖を通していく。ジッパーが壊されていた。ズボンが見当たらない。貴子は、尿意が切羽詰ってきて、何でもいいからタンスからスカートを取り出し穿く。膝上のスカートだった。貴子は、こんなスカートを持っていたか記憶を探っていたが、まず、トイレに行く事を優先した。部屋を出て、ジャージの裾をしっかりと押さえながら、重い足取りで階段を下りてトイレに入る。尿をすると尿道口がヒリヒリと痛い。さっきまで入っていた綿棒のせいだ。痛いのを我慢しながら尿を終え、トイレから出ようとドアを開けると、タイミング悪く玄関の開く音が聞こえた。いつもならこんなに朝早い時間帯は、母の加奈子は寝ているはずだ。姉の智子も合宿で帰ってこないはず。いったい誰だろうと思ったが、今の貴子の恰好を見られるわけにはいかない。ドアを閉めて、トイレでジッと様子を伺った。廊下をスリッパで歩く音が聞こえ、リビングのドアが開く音がする。貴子は、ゆっくりとトイレから出て、リビングを覗いてみた。リビングのソファで足を放り出して座り、疲れた顔をした母の姿があった。
――なぁんだ、母か。今、帰ってきたんだ。珍しいな。――
いつもの母からは想像も付かない様な、ジャケットを着たまま、魂が抜けてしまったように天井をぼんやり見つめて座っていた。母の加奈子は、入口で覗いている貴子に気付き、慌てて姿勢を正して座り、横においていたカバンを抱きかかえて、
加奈子「あら、起きてたの? おはよ。」
加奈子は、顔を少し赤らめながら、貴子の方をみて笑顔を見せた。貴子も、作り笑顔で、
貴子「おはよ。うん。。。今日は、遅かったんだね。」
加奈子「う・うん、ちょっとね。帰り際に仕事が入っちゃって。」
貴子「そうなんだ。」
会話が途切れてしまう。お互い何かいつもじゃない雰囲気に気付いている。貴子は、リビングに入ろうとしないし、加奈子も、カバンを抱えたまま動かない。貴子は、今の恰好を見られたくないからだった。
加奈子「さて、疲れたから寝させてもらおうかな。おやすみ。」
加奈子は、立ち上がると寝室に入っていく。貴子も後ろから、『おやすみ』と声をかけ、自分の部屋に帰っていく。母がいつもと違う事に気付いているが、今の貴子に母を気にしている余裕がなかった。部屋に入ると、椅子が窓の方を向いて置いてある。朝の事を思い返している。ほんの数分前まで、全裸で窓に向かって大きく股を広げて寝ていたという真実が恥ずかしくて、赤面している。貴子は、ゆっくりした足取りで、椅子の下に落ちているおもちゃを拾い上げ、椅子を机に戻した。ふと目を上げると、机の上にメモ紙がある。

メモ「貴子のか・ら・だ、楽しませてもらったわ。あなた、素質あるかもね。すごく感じてて、淫らにイキまくっていたわね。私達の方が見てて恥ずかしかったわ。でも、約束を破りましたね。ジャージは、良いとしてもズボンは穿かない約束だったわよね。ズボンは、没収します。ついでに、タンスの中もすべてチェックさせて貰いました。ジャージのズボンが後2枚あったので、これも没収します。それと、『罰』として、スカートも丈の長いものは、カットしました。これから服を買うときは、膝上10cm以上の物にしなさいね。そうそう、それともう1つ、おもちゃは綺麗に洗って大切に保管しときなさいよ。じゃあ、また、遊びましょうね。」
メモと一緒に数枚の写真が置いてあった。貴子が、公園で全裸になってオナニーをしている写真や部屋で縛られておもちゃでイッている写真、お風呂場で染めている写真等、10枚位ある。貴子は、目を見開いてじっくり見た。自分が何をしていたのか改めて知って、恥ずかしかった。心臓が早鐘を打って体中に血が巡っているのが分かる。そして、股間が潤み出し太股にまで流れ出した。写真を机に置き、ドキドキしている自分がどうなっているのか分からないでいる。貴子は、部屋の隅まで行って服を脱ぎ出した。ティッシュで股間を拭き取り、タンスを開けて中を確認する。お気に入りのワンピース。しかし、裾が鋏で切られていて、穿くと恐らく膝上15cmにはなるだろう。少し屈むだけで、もしかしたら見えてしまうかもしれない。貴子は、肩を落として、お気に入りのワンピースを抱きしめ座り込んだ。

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