羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章30

加奈子は、左手の中指を膣の入口に当て第一関節まで入れる。官能が湧き上がっている状態で、中に刺激を与えてしまった。もう、指はドンドン中に入っていく。親指がクリトリスに刺激を与え、中指は、Gスポットを捉えた。加奈子は、必死に堪えていた声を思わず出してしまった。指は、更に早く動き、加奈子は堰を切ったように声を上げている。一際声を大きく上げ、腰を浮かし体中を痙攣させてグッタリした。加奈子は、乱れた息を整えるかのように大きくゆっくり呼吸をしている。ゆっくり目を開け、前にあるカメラをボンヤリ見つめていた。ふと、床に置いてあった携帯が鳴る。
メール「イッたフリなんかしてもダメよ。ちゃんとイクまで許しませんから。ペナルティ分、本気で5回イキなさい。イッたフリをして私を騙した罰に、イク時は『加奈子、イキます』って言いなさい。そして、イク瞬間に、鎌田主任への思いを言いなさい。」
加奈子は、書いてある文字の意味を理解するのに時間が掛かった。加奈子は、当初、イクフリをして誤魔化そうとしたのは確かだったが、あまりの快感に呑まれてしまって本気でイッてしまっていたのだ。それなのに『フリ』と思われてしまっている。いや、フリをしようとしていた事が気付かれていると理解した。
加奈子は、携帯を床に置き、改めてオナニーを始める。加奈子の体はもう快感が支配しており、直ぐにトップギアに入る。
加奈子「あああぁ、イキます。加奈子、イキます。ああああぁ、主任、大好きです〜!」
体を痙攣させ、直ぐに絶頂した。しかも、ちゃんと鎌田主任への思いのセリフも忘れずに。
加奈子は、手を休める事無く、指が股間を刺激し続けている。
加奈子「ああああぁぁ、また、また、イキます。加奈子、またイキます。主任、もっと〜!」
加奈子「あああぁ、また、イクイク! 加奈子、イキます。ああぁ、中に頂戴〜〜!」
もう、ここが公衆トイレだということを忘れ、加奈子は1人の世界に入りきっている。
加奈子「ああぁ、ダメ、もう、また、イクッ、加奈子、イキます。ああぁ! もっと〜強く頂戴〜〜〜!」
恐らく、トイレの外にまで聞こえているかもしれない位の声を出している。丁度、世間は、出勤時間に当たる。早紀は、慌てて外に見張りをつける。幸い、声は微かにするが言葉は分からない。道路も、車の音で聞こえていないだろう、誰も気付いた様子はない。
加奈子の体は、もう限界まで感じている。しかし、指が止まらない。間もなく5回目、通算、6回目の絶頂を迎える。
加奈子「ああああああぁぁぁあぁ、ダメ〜〜〜、もうっ、もうっ、ダメ〜〜〜〜! イクッイク〜〜〜イク〜〜〜、加奈子、イキます〜〜〜ああああぁぁぁ!!!」
もう、セリフを言う余裕すらない。言葉に出来ないと云う方が正しいのかもしれない。加奈子は白目を剥き、そのままグッタリとして意識が薄れていった。

鈴木は、1日眠れないでいた。昨日、メールに書いてあった通り○○○公園に行って見たあの光景が忘れられないのと、その後、誰かに殴られ意識を失い、目が覚めた時の事を思うと眠れるはずが無かった。そう、あの後、意識を取り戻した時、まだ、辺りは暗く深夜だった。正面入口から少し中に入った植え込みに持たれかけていた。足は、だらしなく開いて伸びている。腰周りが寒い。重い頭を上げて自分の股間を見た。ズボンを脱がされ、下半身裸。いつも見慣れている股間が皮を被ったまま小さくなっている。辺りには自分のノートや教科書、カバンに入っていた物が散らかっていた。慌てて、股間を隠し、パンツとズボンを捜した。鈴木がもたれていた木の枝に引っ掛かっている。急いで取って穿く。散らかっている自分の荷物を拾いながら、ふと思った。
――あれっ? カメラが無い。――
鈴木は、辺りを見渡して捜した。必死になって。あのカメラには、大切な貴子ちゃんのトンでもない、鈴木にとっては一番大切なものが写っているからである。入口近くまで来た時、門の後ろにカメラを発見した。急いで拾い上げ、メモリーを見る。
『カードがありません』
カメラに入れてあった筈のメモリーカードが無くなっていた。鈴木は、辺りを捜すが見つからない。肩を落として自分の荷物を片付けはじめた。ズボンの中に携帯を見つける。何気なしに開いてみると、1通のメールが来ている。
メール「面白かったでしょ。でも、あなた見つかってしまったわね。きっと貴子にあんな事をさせたのは、あなただと思って警察に届けるかもね。どうする? あなた、犯罪者よ。しかも性犯罪。あなたの人生も、もうおしまいね。せっかく友達も作らず勉強してきたのに、すべて無駄になるわね。高校も中退。きっと、この街にも住めないわ。あなたの親も大恥を曝すわね。でも、1つだけ助かる方法があるわよ。知りたい? 知りたかったら明日の朝7時にこの公園の正面入口で待ってなさい。それとも、犯罪者として、今後の人生を送りたいのなら来なくてもいいわ。あなたの意思で決めなさい。もう、あなたは共犯者よ。私についた方が良い思いが出来ると思うけどなぁ。昨日の様に^^   そうそう、カメラのメモリーは頂いていくわ、あなた綺麗に撮っていたから私のコレクションにさせて貰うわね。」
鈴木は、膝がガクガクと震え出した。
――犯罪者? ボクが? 性犯罪? どうして? どうしよう。。。――
鈴木は、その後どうやって家に帰ったのか覚えていない。

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