羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章38

貴子は、もう1度、パソコンの画面を見た。下の方に『家族欄』と云う項目がある。貴子は、その項目をクリックした。画面に貴子の母親と姉の智子がどこかで隠し撮りをされたのであろう、スナップ写真が数枚出てきた。その中に、去年の夏に伊豆へ家族旅行をした時、3人で撮った写真もあった。これが何を意味しているのか貴子にも察しがつく。もう逃げられない。貴子はそう実感した。もう言う通りにしないと私達家族は破滅してしまう。
貴子「分かりました。」
メール「何が分かったの? ちゃんと言わなきゃ分からないよ。」
どこまでも追い詰めるつもりだ。貴子は、そう思った。悔しくて涙が出てきそうになる。
貴子「分かりました。鈴木君達のいう事をききます。そのかわりこの写真は絶対に誰にも見せないで下さい。お願いします。」
メール「貴子ちゃんは、ボクにお願いは出来ないよ。でも貴子ちゃんがちゃんという事を聞いてくれてくれたら誰にも見せないから、安心して。貴子ちゃんの今の約束を守ってくれるか、確かめさせてね。今日の夜10時に例の公園、中央広場に来てください。その時に〜〜〜…。」
また、恥ずかしい思いをする事になるかと思うと貴子は絶望した。しかし、貴子には拒む事が出来ない。
貴子「分かりました。今日の夜10時に中央広場に行きます。」
メールの送信を押しながら、ついに涙が頬を流れてしまった。

貴子の様子をモニター越しに見ていた早紀達は、貴子が泣きながらメールをしているのが、とても面白く見えるのか、皆で笑い合っていた。

その頃、鈴木は、自宅の部屋を歩き回ったり、ベッドに寝ころがったり、落ち着き無く過ごしている。今日のお昼休みにメールが来て『今すぐ家に帰りなさい。』と指示されたからだった。なぜ? と聞くと、『あなたの為よ。』と返事が返ってくる。鈴木は、もう怖くなって『担任に気分が悪いので早退します』と告げ、急いで家に帰ってきていた。夕方になって、鈴木の携帯が鳴る。鈴木は急いで携帯を取り開いた。
メール「ハンディ、元気? もう、あなたは大丈夫よ。警察に捕まる事も無いわ。貴子には、ちゃんと処置をしておいたから。」
鈴木は、さっきまで不安でどうしようも無かった気持ちだったのに、飛び跳ねて喜んでいる。
鈴木「ありがとうございます。」
メール「いえいえ、あなたも良くやったわ。ご褒美をあげる約束だったわね、何が良い?」
鈴木の頭の中には、貴子の事しかなかった。
鈴木「貴子ちゃんと、Hしたい。」
鈴木は、舞い上がってしまい思わず本心を云ってしまった。しかし、メールが帰ってこない。5分。10分。待っている時間が非常に長く感じる。鈴木は、段々不安になってきた。
――どうしよう、変なお願いをしたから怒っちゃったのかな?――
鈴木は、心の中で反省した。違うお願いをしようかとメールを再度打ち始める。そこへメールが来た。
メール「あなた、調子に乗らないで。」
冷たい返事だった。鈴木は、謝罪のメールを打った。暫くして返事が来る。
メール「言葉で謝って貰ってもダメよ。ハンディ、罰として下の毛をすべて剃りなさい。そうすれば、さっきの発言は無かった事にしてあげるわ。剃ったら写メを送りなさい。嫌なら、私たちとも終わりね。いつでも警察に連れてってあげるわよ。」
こんな事で、人生を棒に振りたくなかった。鈴木は、部屋を出て、何処からか剃刀を持ってきた。部屋のカーテンを閉めて、ズボンを脱ぐ。サオは縮みあがっていた。引き出しから鋏を取り出した。が、いざとなると手が動かない。しかし、剃らないと警察に…。意を決して鋏を入れていく。切り始めたら早い。さっきまで鈴木の股間に生えていた毛が足元にドンドン落ちていく。鈴木は、股間にクリームを塗り、剃刀に持ち替え剃っていった。15分程で鈴木の股間からは毛が無くなった。鈴木は、タオルで綺麗に拭き取り股間を覗いてみる。なんとも情けない姿になっていた。鈴木は、携帯で股間のみの写真を撮る。それをメールで送った。暫くして、メールが帰ってきた。
メール「ハンディ、あなたの誠意、受け取ったわ。さっきのお願いは忘れてあげる。さて、では、ご褒美だったわね。何が良いかしら。そうね、貴子のエッチな姿でも見せてあげようかな。どう?」
鈴木は、それだけでも十分だった。
鈴木「お願いします。」
メール「そう、じゃあ、今日の夜、9時20分にこの前の公園の中央広場まで来なさい。」
鈴木は、下半身裸のまま、ガッツポーズをして喜んだ。いつの間にか、股間のサオも元気になっている。

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