羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章39

早紀達は、鈴木が送ってきた写メを見て大笑いした。
恵美「なにこれ〜!」
晴美「この前は、あんなに大きかったのに、情けない姿ねぇ。」
典子「毛が無いだけで全然変わるものね。」
早紀「この姿、貴子にも見せてあげようかな。面白そう。」
恵美「早紀〜、あんたも鬼ね。私達の為に一生懸命働いているのに。」
早紀「私達の為じゃないわよ。自分の為。自分の保全と欲望の為よ。」
晴美「それはそうだね。でも、笑えるわね、これ。全身写真も送らせたら良かったかもね。」
みんなで云いたい放題、笑い合っていた。

夜、8時。公園の片隅に現れた影。早紀達だった。公園の中央にあるトイレとその横にある中央広場が見渡せ、各入口から見えない薄暗い場所に陣取った。恵美は、カメラのアングルを確認する為、あちこち動き回ってカメラを構えている。早紀は、皆を集めて刺繍の作戦会議を始めた。美紀は、麻衣達を連れて、用意に取り掛かる。晴美と典子も用意を始めた。
暫くして、正面入口に人影が見える。オドオドとした歩き方。鈴木だ。指定された通り学校のジャージ姿で現れた。小脇に小さなカバンを持っている。早紀が、携帯を取り出す。
メール「あらハンディ、早かったわね。ここは、あなたが初めて貴子のハダカを見たところよね。この前は、邪魔が入ってしまったけど、今日は、ちゃんと見張っているから安心しなさい。目の前にトイレがあるでしょ。一番奥の個室に入ってジャージを脱ぎなさい。」
鈴木は、辺りをキョロキョロ見回しながら、云われるままトイレに入って行く。奥の個室に入ると、張り紙があった。

張り紙「すべて脱ぐ事! 服は、ここに置きなさい。」
矢印が下をさしている。折畳み椅子が用意してあった。鈴木は、何か物言いたげな表情で服を脱ぎ出した。パンツ一枚にになって、メールを打つ。
鈴木「パンツも脱がないといけないんですか?」
メール「もちろんよ! 全裸になりなさい。嫌ならいいわよ、帰っても。その代わりもう私との契約も終了ね。どうなっても知らないよ。」
鈴木は、そそくさとパンツを脱いで全裸になった。片手で股間を隠しながら、脱いだ報告をした。
メール「じゃあ、表に出てきて。股間は隠さないのよ。広場の隅にブランコがあるでしょ。そのブランコから後ろに5m位の所に大きな木があるわ。そこまで行きなさい。それから、小脇に抱えていたカバンは、トイレにおいて行くように! 何ももって行かないように。携帯もダメよ!! 後の指示は木にメモがあるからそれに従いなさい。」
鈴木は、今日の貴子の姿を写真に撮ろうと密かにカメラを持ってきていたのだ。しかし、何も持っていけなくなった。隠し持つにも全裸ではどうする事も出来ない。仕方なくカバンと携帯を置く。個室のドアを開け恐る恐る外に出る。トイレから顔だけを出し、外の様子を伺う。何処にも人の気配を感じなかった。鈴木は、思い切って外に出て、指定された大きな木まで駆け足で行く。5月とはいえ、夜は肌寒い。大きな木に抱きつくように身を隠しながらメモを探した。木元に石で重石をされているメモを見つける。

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