羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章41

目の前で、赤い光が3回点滅した。貴子は、ゆっくりと足を開いていった。暫くして、また光る。今度は、6回。貴子は、顔を正面に向けたままコートをゆっくりとした動作でずり上げていった。股間が辛うじて見えるか見えないかギリギリの所で止まった。又、光る。6回。もっと捲くれということなのだろう。貴子は、観念したのか、またゆっくりと捲くっていく。今度は、お臍辺りまでもが出ている。しかし、外灯も無いここでは全くと言っていいほど見えない。いきなり横からライトが当てられた。貴子は、体を隠して光の方を見る。シーソーの隣にあるブランコの柱上に小型の照明が貴子を狙っていた。貴子は、体が震え出した。この用意周到さに恐怖した。携帯が鳴る。
メール「ダメだよ、勝手に動いては。もう1度さっきのポーズをして。」
貴子は、観念して正面を向きコートの裾を持ち上げていった。貴子には、もう1つ怖い事がある。普段は真っ暗なこの広場の奥で、ライトが点いている事を不審に思って誰か近づいて来ないか、心配だった。恥ずかしいのと、恐怖で体の震えが止まらないでいる。
一刻も早くこの場を逃げ出したいが、出来ない。目を瞑って何も見たくない。しかし、それでは、指示に従えなくなる、結果、今以上に酷い目に合わされるだろう。貴子は、暗い茂みを見つめたまま指示に従った。足を開いて、コートを上げていく。
またランプが点滅する。5回。
貴子は、ゆっくりした動作でコートの襟を持って開いていく。コートから地肌が見えてくる。コートの前がすべて開かれた。そう、貴子は、コートの下には何も身につけていない全裸だった。寒さに乳首が反応しているのか立っている。
それを木の上から興奮した鈴木が見つめている。全裸で。鈴木の股間が大きく反応している。さっきまで小さく縮んでいたのに、今では天を向いて大きく反り返っていた。鈴木は、股間に手を添えたい気持ちでいっぱいなのだが、もし手を離したら落ちてしまうかもしれない、とガマンしている。しかし、顔だけは、前に突き出し少しでも近くで見たいという気持ちが現れていた。
ランプが点滅する。7回。
貴子は、コートの袖を抜いていく。コートがシーソーの上に落ちた。貴子は、全裸になって両手を腹の前で交差させて、辺りを見渡しながら震えている。

ランプの点滅。8回。
貴子は、交差させていた手を解き、シーソーに広がっているコートのポケットに手を入れ何かを取り出した。手に握り締められているのは、ローターだった。貴子は、もう1度辺りを見渡して誰もいないのを確認し、ローターを股間に持っていった。以前は、いつ誰が通るかも知れないベンチで目隠しをしオナニーをしたが、今回は、誰も来ないであろう広場の奥。しかし、ライトが煌々とついた明るい場所。目隠しをしていないので、知っている人が見たら『貴子』だとばれてしまう。
貴子は、この緊張した空間でオナニーを始めた。股間にあてたローターはすでに濡れていた。指にも付いて、貴子自身ビックリした。
――スゴイ、濡れている。どうして? 家でもこんなに濡れた事無いのに。。。――
貴子は、動揺しながらもローターのスイッチを入れる。最弱なのに、いつも以上に感じてしまう。貴子は、口に手を当て声を出さないよう、我慢した。ローターを少し上下させた時、ローターが貴子のクリを捕らえる。貴子は、体を大きく震わせ、くぐもった声を出し、ローターを離す。直ぐにイキそうになってしまった。辺りを見渡し深呼吸をした。
静まり返った公園からは何も聞こえない。
貴子は、もう1度ローターを股間に当てる。微弱な震動が広がっていく。貴子は、ローターを少し上に上げ、自分の意志でクリに持って行く。微弱な震動をクリで感じくぐもった声を出しながら、いつの間にか口を押さえていた手が胸に移動していた。おっぱいを揉み乳首を優しく撫でる。快感を全身で感じ始めた貴子は、目を瞑った。もう、貴子はここが公園の広場である事を忘れているかのように。シーソーに寝っころがり足を開いたまま股間でローターが微弱な震動を与えている。貴子の背中が大きく持ち上がりローターを持っている手に力が入る。強く押し付けられたクリには、更に多きな刺激となり、貴子は小さい声で“イクッ”と言うと体を震わせた。全身から力が抜けたのか、指からすり抜けたローターが地面ギリギリの所で震動している。
貴子は、目を瞑ったまま動かない。暫くして、貴子は起き上がった。両手で股間と胸を隠している。コートを拾い上げポケットを見る。携帯のランプが光っていた。
メール「よく出来ました! どう? 見られながらのオナニーは気持ちよかったでしょう? 約束通り手は出さなかったよ。それに誰かにも見つからないようにしてあるから安心してね。今度は、もっと気持ちよくさせてあげるから。」
貴子は、再度茂みの奥に目を向ける。また、メールが来た。
メール「左の方に噴水があるでしょ。コートを持ったままその噴水まで来てください。」
左の方を見ると広場の端に大きな噴水が見える。夜の為、水は吹き上がってはいない。
貴子は、コートを体に当てて噴水の所まで来た。この噴水の位置からだと通りの道が見える。咄嗟に姿勢を下げた。またメール。
メール「コートを噴水の中に捨てなさい。あなたの服は、後ろに見えるトイレの中にあるからそれを着て帰ってください。」
貴子は、コートを噴水に投げ入れた。貴子は、全裸で両手におもちゃと携帯を握りしめたまましゃがんでいる。後ろに見えるトイレまで行かないと行けないのだが、誰も居ない広場を照らしているライトがついている。通りの道に誰か来たら、不審に思って見るかもしれない。貴子は、動く事が出来ないで居る。また、メール。
メール「早く行かないと誰かに見つかるよ。今なら大丈夫だけどね。」
貴子は、メールを信じて、トイレまで一目散に走っていく。トイレに着いた貴子は、中に入って個室を覗いていく。一番手前の個室にジャージが畳んで置いてある。貴子は、個室に入ってジャージを手に取った。

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