羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章46

思った以上にサイズが小さく、ブラウスが肌にピッタリと張り付いている。生地は薄くは無いがこれほど肌にピッタリだとおっぱいの大きさは勿論の事、乳首の存在まで丸分かりだった。下もフレアのミニスカートで膝上15cm位あり太股が剥き出し状態だった。大凡、ノーブラ・ノーパンで着るような服では無い。
加奈子は、さすがにこんな恰好では出られない。駄目元で脅迫者にメールする。
加奈子「こんな恰好では、出られません。もし、知っている人に会ったらもう、取り返しがつかなくなります。どうか、もう少し、露出度の少ない服に替えて頂けませんでしょうか?」
メール「見せてもらわないと分からないわ。とりあえず、出てきて見せて。」
加奈子は、不安を隠しきれない表情でトイレのドアを少しだけ開けた。右手でカバンと2つのビニール袋を持ち、左手でさっきまで着ていたワンピースを入れた紙袋を胸の前で持ち出てきた。トイレ内にいた女性客から冷たい視線が集中する。加奈子は、俯いたまま重たい荷物をで太股を隠しながらトイレを後にした。トイレを出ると、さっきまでとは比べものにならない数の男女の視線が加奈子に集まる。冷たい女性客の視線、いやらしい中年男の視線、ニヤついた若い男達の視線、もう顔を上げる事が出来ず、階段横のコインロッカーに向かう。右下に開いているロッカーがあった。加奈子は、しゃがんで扉を開け荷物を中にしまう。突然、後ろから「うぉ〜、すげ〜!」と、若い男の声が聞こえた。加奈子はには分かっている、この露出度の高い服を着ているからだと。加奈子は、背を向けたまま、俯く。その時、加奈子の目に飛び込んできたのは、加奈子の股間の黒い繊毛だった。加奈子は、ハッと気付いた。スカートが古今で捲くれて前から繊毛が見えているという事は、後ろでは、お尻が丸見えになっていることに。加奈子は、急いで立ち上がりスカートを直す。しかし、後ろでは、若い男達がニヤニヤと加奈子を見ており、確実に見られた事は明白だった。
加奈子は、男達に背を向けたまま動けないでいる。荷物は、カバン以外すべてロッカーにしまった。しかし、ペットボトルを1本取らなくてはいけない。どうしようかと悩んだ加奈子は、床に膝をついてなるべく姿勢を崩さないように手を伸ばし、ビニール袋から1本抜き、軽くなったビニール袋を取り出した。扉を閉め鍵を掛けた。そこへメールが来た。
メール「可愛いお尻ね。みんなに見せびらかしちゃって。どうせなら前も見せてあげたら。」
加奈子は、悔しさでと恥ずかしさで唇を噛んだ。
加奈子「お願いします。こんな恰好、無理です。許してください。」
メール「7階の休憩スペースにコインロッカーがあるわ。そこに違う服を用意したわ。そのロッカーの鍵は、同じ休憩スペースにある自販機の下に隠してあるから。それと、階段ではなくエスカレーターで行きなさいね。」
どこまでも辱める気なのだ。加奈子は、覚悟を決めてフロア中央にあるエスカレーターに向かう。
加奈子は、エスカレーターの前で立ち止まった。少しでもスカートを下げようと裾を持って下に引っ張る。しかし、サイズが小さめである為、かわる筈も無い。右手で持ったビニール袋で後ろを隠し、左手で持ったカバンで胸元を隠しながらエスカレーターに乗る。
加奈子は、なるべく目立たないように小さくなりながら乗っているが、露出度の高い服で恥ずかしそうに体を隠している姿は、完全に周りから浮いておりかえって目立つ。
加奈子の後ろからは、さっきお尻を見て声を出した若い男達が少し距離を開けて着いて来ている。エスカレーターでも加奈子のスカートを覗こうと頭を下げ角度をかえ男同士喋り合っている。加奈子の耳にも聞こえてきている。階段を上りたくても隙間から覗かれる危険がある。後ろを振向いて諌める勇気も無くジッと我慢をしている。
なんとか4階上がり7階に着いた。
このデパートは、地下2階、地上15階あり奇数階の階段横に休憩スペースが設けられており、ベンチとテーブル、自動販売機とコインロッカーが設置してある。
まだ、後ろから男達がついてきているが、加奈子は、階段横の休憩スペースに急いだ。
休憩スペースに入口で加奈子は立ち止まった。

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