羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章51

清水は、さっき拾ってきた袋の中からオペラグラスを取り出すと、周りの人に見つからないよう手で隠しながら覗きはじめた。
――やっぱり裸だ! スゴイ!!――
清水は、目の前で裸を曝している女性に釘付けになっていた。
――顔も綺麗な、歳は30位かな。でも、どうして? 脅されて? いや。。――
あまりにも綺麗な顔をしている。それでいて、羞恥に悦びを感じているようにも見えた。
清水は、その女性が自らの意志で曝しているのだと思った。
――ペット。。。へぇ、こういう事して遊んでいるヤツか。で、智子をこういう風にしたいから譲れって事か。面白い。――
清水「へぇ、面白い事やってんじゃん。」
早紀「そう? なんなら、何かリクエストを聞くよ、あの女にさせたい事ある?」
清水「ほぉ〜、じゃあ、パンツ脱がしてみろよ。」
暫くすると、目の前の女性が体を曲げていく。パンティを掴むと周りを気にしながら腰を振り足から抜いていく。

――すげぇ、本当に脱ぎやがったぜ。なら……――
清水「じゃあ、そこでオナニーをさせろ。」
また、暫くすると、女性は俯いたまま左手をおっぱいに持っていき下から救うように揉みはじめた。
右手も股間に当てモゾモゾと動かしている。
清水「顔が良く見えないなぁ。」
暫くすると、加奈子はゆっくり顔を上げ、向かいのビルを見つめる。
――うぉー! イヤラシイ顔してやがる。相当な露出狂だな。やりてぇー!――
清水の股間は大きく膨らんでいた。清水は、携帯を取り出し電話をかける。
清水「やらせろよ。」
早紀「それは、あなた次第よ。さぁ、昨日の答えを聞かせて。」
清水「智子をこんな風にしたいんだな。」
早紀「そうよ。」
清水「いいだろう、しかし、今すぐは無理だ。」
早紀「どういう事?」
清水「智子には、やってもらわないといけない事がある。」
早紀「何?」
清水「お前には関係ないだ。」
早紀「いつ頃?」
清水「そうだな、2ヵ月後でどうだ?」
早紀「いいわ。」
清水「但し、今後俺の詮索はするな。」
早紀「わかった。こちらも条件があるわ。」
清水「何だ?」
早紀「まず1つ目に、あなたも私達に近づかない事! 2つ目に、智子の恥ずかしい写真を頂戴。」
清水「写真? いいだろう。で、あの女は、くれるんだろうな?」
早紀「どうして? そんな事言った覚えは無いわ。」
清水「何!?」
早紀「どうしてもって言うのなら、貸してあげるわ。男って1回ヤレば十分なんでしょ。」
清水は、思った。
――なんてヤツだ。男をバカにしやがって。――
清水「まぁ、いいだろう。じゃあ、連れて行くぞ。」
早紀「今日は駄目よ。智子を受け取った後でないと。」
清水「しっかりしてやがるな。」
早紀「どうも。お互い、フェアにいきましょ。」
清水「分かった。智子の用意が出来たら連絡する。」
清水は、そういうと電話を切った。
清水は、脳裏に焼き付ける様に、目の前で裸を曝している女性を見る。
周りが少し騒ぎ出した。どうやら、加奈子に気付いたらしい。
清水は、オペラグラスをポケットに仕舞うと、ビルの屋上を後にした。

――そろそろ、潮時ね。――
早紀は、加奈子にメールを送る。
早紀「どう? 気持ちがいいでしょ。向かいのビルの屋上を見てごらん。」
加奈子は、火照った体のまま、向かいの屋上に目を向けた。
加奈子「きゃっ!!」
加奈子は、手を口に当て声を出しそうなのを押しとどめた。
早紀「どう? 沢山の人に見られて良かったね。」
向かいのビルでは、加奈子を指差して騒いでいるように見える。
早紀「周りを見てごらん。」
加奈子は、恐る恐る振り返って辺りを見ると、怪しい視線が加奈子に注がれていた。
加奈子のコートの中は見られているわけではない。しかし、向かいのビルで騒いでいる様子から加奈子が何かをしているのは想像がつくのだろう。
加奈子は、開いていたコートを閉じて、顔を伏せた。
携帯のメールには、まだ続きが書いてあったのを思い出して、見る。
早紀「早くここから出たほうがいいわよ。向かいの人がここに来るかも。もしかしたら、もう近くまで来てたりしてね。コートを剥がされて、スッポンポンにされたりして^^」
加奈子は、体中が震え出した。加奈子は目を出入り口に向けた。
早紀「出入り口の横に傘立てがあるでしょ。あの下に鍵があるわ。その鍵は、13階にあるロッカーの鍵よ。新しい服があるから着替えてきなさい。早く行った方がいいわよ。その服目立つから途中で向かいのビルにいた人に見つかるかもね。」

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