羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章54

奥には、何やら怪しいおもちゃが並んでいる。加奈子でも、それが何に使うのか想像はついていた。千夏と綾子は、店員の目が届いていないことをいい事に、じっくりと見ていた。
早紀「今からお買い物をして貰います。バイブを2本とローターを2個、SM用のロープ2束(10mと20m)とアイマスク1つ、後は、お姉様方に適当に選んでもらって合計10個買いなさい。分からない事があれば、店員に聞いてちゃんと使い方を覚えるのよ。」
メールを見た千夏と綾子は、目を輝かしながら商品を物色しはじめた。加奈子は、俯いたまま、何も出来ないでいる。
千夏と綾子は、色々手に取って、キャッキャッと騒ぎながら選ぶ。千夏達が選んだものを加奈子に手渡していく。加奈子は、訳が分からないまま、次々に手渡され、抱えるように持っていた。
千夏「これで、何個ある?」
綾子「どうだろう? ちょっと、数えてよ。おばさん。」
加奈子は、“おばさん”というフレーズに眉をピクッと動かしたが、グッと堪えて近くの台に置いて数えはじめる。
加奈子「全部で、7点あります。」
千夏「何と何があるの? ちゃんと買わないと、彼氏に怒られるんじゃないの?」
加奈子「エッ? でも、何が何なのか分からないし………。」
加奈子は、困った表情で千夏を見る。
千夏「もう、しょうがないわね、え〜っと、買わないといけないものは揃っているわね。じゃあ、後は、私達の好みで選ぶだけけね。」
千夏と綾子は、楽しそうに商品を選んでいた。

早紀達は、加奈子の買い物を覗こうと思っていたのだが、入口で博子が待っていたので近づけないでいた。予定外の展開に困っていた。

暫くすると、店から加奈子と千夏、綾子の3人が出てきた。千夏と綾子は楽しそうな顔をしている。加奈子は、恥ずかしそうに顔を俯けたまま、大きな紙袋を持っていた。
早紀はメールを打った。
早紀「この店の先に小さな公園があるわ。そこのベンチで今買ってきた物を並べて、写真に撮り1つずつメールで送りなさい。」
携帯は、千夏が持っていた。千夏がメールを開き、加奈子の腕を引っ張って公園に向かって歩き出す。綾子、博子も後ろに続いていった。

この公園には、子供連れの親子が1組、隅のブランコにいるだけで、加奈子達は、反対側の木立が並ぶ木陰にある屋根付きベンチに集まった。周りに囲いもありテーブルもある。
千夏が加奈子に促して、紙袋から1つずつテーブルの上に並べていった。それを千夏が1つずつ携帯のカメラに収め、メールを送った。
加奈子は、テーブルに並べられた淫具がこれから私の体に使われるのかと想像し、困惑の表情を見せている。
早紀は、送られてきた写真を確認する。
早紀「へぇ、面白いものを買ったわね。バイブは、太いのと細めで2股になった物、ローターは、通常のタイプと細長くて防水の物、ロープも2束、アイマスクも1つ、後は、手錠とゴムのような棒状が数本入った物とクリップみたいなものね。あの子達、こういうのが趣味みたいね。私と同じ種の人間ね。」
美穂「このクリップって何? この棒のヤツも?」
早紀「あらっ?知らないの? この棒は、恐らくお尻に使うものよ、そしてこのクリップは、おっぱいの先に飾る物ね。」
早紀は、これくらいの事、知ってて常識よ、と言わんばかりの顔で美穂に答える。
加奈子にメールを打つ。
早紀「その中から、あなたの好きな物を1つ選びなさい。」
加奈子は、どれを選んでいいのか分からない。千夏達が、バイブやゴム棒を勧めてくる。
しかし、加奈子が選んだ物は、普通のローターだった。
早紀「じゃあ、私も1つ選ばせて貰おうかな。シルバーの手錠にしようかな。」
千夏が手錠を持つ。千夏は、これから何が始まるのか楽しみでたまらない様子だ。
また、メールが来る。

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