羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章60

上は、ジッパーの壊れたジャージで下は、膝上15pほどのミニスカートだった。
貴子は、胸元をしっかりと持って階段を下りていく。
誰もいない様子だ。貴子に続いて麻衣達もリビングに入っていった。
麻衣「ママさん、居ないみたいだよ。」
貴子は、加奈子の部屋、即ち寝室のドアを開けてみた。
誰も居ない。
貴子と麻衣達も寝室に入ると、美紀がパソコンを立ち上げる。
美紀「貴子、アドレスは?」
貴子「………。」
麻衣「貴子? 教えて。」
貴子は、メモってある紙が部屋にある事を告げた。貴子と麻衣が部屋まで取に行く。寝室を出る間際で、麻衣が美紀にウィンクをして出て行く。
美紀は、麻衣の意図が分かり、携帯を取り出して早紀に連絡する。

貴子と麻衣が帰ってくると、早々アドレスを打ち込みページを開く。
出てきた画面は、アニメーションで町並みが描かれていた。前に見た画面と変わっていて貴子自身不思議に思っていた。
マウスで学校をクリックするとポインタが反応して、教室内が出てくる。
1つの席をクリックすると画面の正面にパスワード欄が出てくる。
美紀「貴子、パスワードは?」
貴子「露出狂 T」
美紀は、言われた通りに打ち込みエンターを押す。
出てきた画面は、貴子の通学風景の写真だった。顔にモザイクもかかっている。
下にまたパスワードがある。
美紀「次のパスワードは?」
貴子「淫乱娘 T」
美紀は、パスワードを入力して画面を開く。
中央に『私の露出日記』と書かれてある。
その下に、“ギャラリー”“Blog”“BBS”“Photo BBS”“Mail”と5つの項目があった。美紀は、まず、はじめにギャラリーをクリック。
出てきた画面は、これまで貴子がさせられてきた学校での露出や公園での出来事の写真が列になって出てきた。
それぞれの写真の横には、宛も貴子自身が書き込んだかのようなコメントが書かれている。

☆ 学校の廊下を極小ビキニで歩いている写真 ☆

コメント「今日は、天気も良かったので授業をサボって学校内露出。誰にも見られなかったのが残念だったけど、すごく気持ちよかったです^^」

☆ トップレスでバスケットをしている写真 ☆

コメント「外に出てみたら、バスケット場にボールが転がっていたので、ちょっと拝借。最近、体が鈍ってきているのでちょっと運動を。ブラがずれちゃう。誰もいなかったので、思い切って取っちゃいました。あ〜、気持ちよかった〜〜〜^^」

☆ 校外で記念写真 ☆

コメント「今日は、ゲームセンターで露出プリクラ。お友達も一緒にいたけど、隠れて撮影。みんな、私がこんな事してるのを知ったらビックリするんだろうな〜。どんな顔するんだろう? 見せてみようかな^^」
貴子は、画面から目を背ける。
麻衣達は、写真を一番下まで見ていく。一番下に“私の正体が分かった人はメール下さい。ご褒美を差し上げます”と書いてある。更に横には、パスワード欄があった。
美紀「貴子、ここのパスワードは?」
貴子は、画面をチラッと見るが直ぐに画面から顔を背けて、小さい声で『自分の名前です。』と答える。
美紀は、パスワードを入力しエンターを押す。
出てきた画面は、さっきと同じ写真だったが、唯一、顔と股間にかかっていたモザイクが外されていた。
写真を下までスクロールしていくと一番したには、貴子のプロフィールまで載っていた。
そのプロフィールには、名前は勿論、住所や学校名、家族構成まで書かれている。
交友関係もあり、奈々の写真も小さく載っていた。
最後に携帯の番号とメアドも書いてある。
貴子のすべてが書かれていた。
貴子は、これを見て叫んだ。
貴子「いやーーーー!」
その場にしゃがみ泣いている。
麻衣「ひどい。あの鈴木、もう許さないから!」
と、麻衣は、貴子の肩を抱きながら、
麻衣「貴子、警察に行く? これだけパスワードがかかっていると、貴子だって事は分からないと思うけど、これは酷すぎるよ。あの鈴木を警察に突き出さないと気が済まないよ。」
麻衣は、貴子の顔を覗き込みながら言う。貴子も小さく頷く。しかし、麻衣は、続けて言う。
麻衣「でも、きっと仲間がこのサイトのパスワードを解除して、ここに写っている写真が世界中に出回って半永久的に消える事は無いけど。しかも、ここには、貴子の家族の名前や写真もあるし、奈々ちゃんの写真も載ってるから、きっとみんなに迷惑がかかるかも知れないけど。どうする?」
貴子は、泣くのを止めて麻衣を見る。暫く麻衣の目を見ていた貴子は、急に首を横に振った。

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