羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章64

麻衣達は、貴子の部屋に入るとみんなで笑い合っていた。
麻衣「大成功ね。」
美紀「こんなにうまくいくとは思わなかった。」
美香「あいつ、ほんとにバカだね。」
麻衣「さぁ、これでもう警察に行くような事にはならないだろうし、命令にも素直に聞くようになるね。もっとも、今までも素直に従っていたけどね。」
美紀「これからは、自ら進んでやるようになるよ。」
麻衣「しっかり露出の快感を教え込まないとね。」
美香「自分から露出するまで徹底的に!」
麻衣「1年後が楽しみだわ。早紀先輩は、これから何をさせるんだろう?」


暫くして、階段を上がってくる音が聞こえた。
みんな話を止めてドアに注目する。
貴子「お待たせ。」
貴子は、さっきまで着ていた服を両手に持って、全裸で部屋の中に入ってきた。
麻衣「ぜんぜん、それより書いてきたの?」
貴子「うん、でも、なんて書いたらいいのか分からなくて。」
美香「アイツが喜びそうな事を書けば問題ないよ。それで、アイツは満足なんだから。」
美紀「でも、アイツってほんとに変態だよね。」
美香「うん! 犯すより恥ずかしがってる姿を見るだけだもんね。」
美紀「そうそう、見た目の怪しいヤツだけど、中身もすべて変態男だね。」
美香「アイツは、写真とかコメント見て興奮して1人でヤッてるのかな? アハハハッ」
麻衣「ちょっと、もういい加減にしなさいよ。」
麻衣は、美紀と美香を睨むそぶりをした。
貴子は、部屋服を抱えたまま今にも泣きそうな顔をしていた。
美紀「ごめん。」
美香「ごめん、貴子。」
貴子は、作り笑顔でみんなを見て
貴子「ううん、いいの、平気。だって、仕方が無いもの。それに鈴木君にはもう、触られたくもないし、、、その為には仕方ないから。」
貴子の気丈な姿をみんなに見せた。
そんな貴子を見て3人は安心したのか、笑顔を貴子に送った。
しばらく談笑した後、麻衣達が帰る支度をはじめた。
麻衣「じゃあ、そろそろ帰るね。」
美紀「貴子、がんばってね。」
美香「負けちゃ駄目だよ。私達がいつでも傍にいるからね。」
貴子「ありがとう、みんな。大丈夫、絶対負けないもん。」

3人が帰って1人部屋に残された貴子。少し寂しかったけど、麻衣達の気持ちが凄く嬉しくて、心強い味方であり親友が出来た思いでいる。
貴子の心の中で、極僅かではあるが、希望の明かりが点いた様な、そんな感じさえも沸き始めている。
窓の外を見ると、夕刻ではあるがまだまだ明るい日差しが街を照らしている。
“よしっ!”
貴子は、タンスから服を取り出すと散歩に出かける用意をはじめた。
どの服も下着無しでは恥ずかしいものばかりだったが、今手に持っているワンピースならここにある中でも一番体のラインを隠せそうだった。貴子は、このワンピースに決めて着込む。カバンを肩に掛け家を出た。


暮れなずむ頃、公園では目隠しをされY字に縛られたままの加奈子が意識朦朧といていた。長時間に亘って縛り付けられている為に手足が痺れ、感覚が麻痺してきているのと、目隠しで公衆のトイレの中に全裸でいる事の緊張と疲労感から来るものだった。
耳で人の気配を感じる度に息を潜んでジッと我慢する。しかし、お尻に刺さった棒が常に加奈子を責めており体を揺すると、乳首に付けられたクリップが揺れ全身に痛みが走る。
そんな事をもう何時間と繰り返していた。

昼間、加奈子が千夏達に責められていた公園のベンチに早紀達が談笑している。そこへ麻衣達3人が合流した。
早紀「お疲れさん、貴子、どうだった?」
麻衣「はい、もうバッチリです。たぶんこれからは素直になんでも言う事を聞くと思います。私達の事、すっかり信用してますから。」
早紀「あらっ、そう。上出来よ。それじゃあ、ちょっとメールしてみようかな。」
早紀は、携帯を弄りはじめる。
早紀「そうそう、あんた達、貴子の母親触ってなかったわよね。良かったら触ってくる? そこのトイレにいるから。これ持って行きなさい。」
早紀は、ヘッドフォンを渡す。
麻衣達は、ヘッドフォンを持ってトイレの中に入っていった。

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