羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章65

メール「ちゃんとHPにアップした?」
貴子は、気持ち新たに近所を散歩している時に突然携帯が鳴った。
貴子「はい。」
早紀「オナニーは気持ちよかった?」
貴子「はい。」
貴子は、もう反抗しない方が賢明だと思い、素直に答えていく。
早紀(あらっ、本当に素直になっているじゃない。)
早紀「じゃあ、今すぐ、あなたが最も恥ずかしいと思う様な恰好で写真を撮って送りなさい。」
早紀(さて、どんな写真が送られてくるのかな? 楽しみ)
15分ほどして返信が来た。
早紀はメールに添付されている写真を見て声を出してしまった。
送られてきた写真には、前ボタンを空けて開いた所からおっぱいがすべて剥き出しになっていた。両手はスカートの前の裾を持っており茶色い繊毛が露になっている。
貴子の顔は紅潮していたがしっかりとカメラの方を向いていて、ぎこちない笑顔まで見せていた。
何処かの道路端で撮ったのだろう、写真の後ろでは車が走っているし、その奥には通行人の姿まで写っていた。
早紀(あの子達、どんな調教したんだろう? かなり腕を上げてきたわね。でも、この写真凄いわ。貴子はもう完全に落ちたわね。ようし、じゃあ、次の段階にいこうかな。)
早紀は、またメールを打ち始めた。
早紀「素敵な写真ね。せっかくキレイに撮れているからこの写真をあなたの携帯の待ち受け画面にしておきなさいね。」


早紀達みんなトイレの中に入って行った。
早紀「あんた達、いつまで遊んでるの?」
麻衣「だって、スゴイ面白いですよ、これ。」
そう言うと麻衣は、手に持っている棒をクルクル廻しながら抜き差しをしていた。
加奈子は、声にならない声を出し、顔を左右に振ってお尻を震わせていた。
早紀「もう、お遊びは終わりよ。」
麻衣「は〜い。で、これからどうするんですか?」
早紀「ちょっと場所を変わって。」
早紀は加奈子の前正面に立ち、縄を解いていく。
加奈子は、自力で立つ事も出来ず公衆トイレの汚い床にそのままお尻をついて座り込んだ。
加奈子のお尻に刺さっているゴム棒が更に奥に押し込まれ加奈子は体を伸ばしたがお尻を持ち上げる事も出来ず、床に寝転がるように倒れる。
早紀は、みんなをトイレから出て行かせて、加奈子の耳に付いているヘッドフォンを外すと急いで外に飛び出した。
加奈子は、犯人の正体を知る絶好のチャンスだったのだが、体を動かす事すら儘ならない状態だった。

どれ位時間が経ったのか、朦朧としていた意識が戻ってきて、ようやくにも体を動かす体力が戻ってきた。
加奈子は気だるい体を動かしてアイマスクを外した。
口元を縛っている縄を解こうと結び目を触っているが、かなりきつく縛られておりなかなか外せない。
時間をかけて縄を解き、ようやくに自由を取り戻し、安堵のため息をついた。
暫く呆然とトイレの床に座り込んでいると、外に人の気配を感じた。
加奈子は、助けを求めようと思ったが、今の姿を見られたら……、そう思うと素直に声が出てこない。それどころか、開けっ放しになっていたドアを閉め、ジッと息を静めて様子を窺った。
加奈子(もし、犯人だったら何かしてくるだろうし、もし入ってきた人が男の人で、全く関係の無い人だったら、間違いなく犯されるだろう。でも、もし入ってきた人が女性だったら助けてもらえるかもしれない。)
加奈子は、まず入ってきた人を確認してからでも遅くないと判断した。
暫く様子を窺っているとどうも犯人の様ではないようだ。しかし、女性でもなさそう。
そう、ドアの外から聞こえてくるのは、男性用の小便器に水が当たる音しか聞こえてこないからだった。
加奈子は迷っていた。助けを頼むべきか。
加奈子は、今の姿を改めて見てみる。全く衣服を纏っていない全裸。体中のいたる所に卑猥な言葉等が落書きされている。

きっと助けを求めれば助けてもらえるかも知れない。しかし、犯される可能性もあるし、ましてやこの事が大事になり警察沙汰になれば近所の人や娘達にも知られてしまう可能性だって大いにある。更に警察に行けばきっと犯人は捕まるだろう。しかし、今までの痴態が撮られた写真も公になり、鎌田主任との事も明るみになれば、きっと鎌田主任の出処進退の問題にも発展するだろう。
色々悩んだが結局声を出す事が出来ないまま、ドアの外にいる男性はトイレから出て行ってしまった。
加奈子(これで、いいのよ。私が我慢して……、私自身で脅迫者と交渉して事態を乗り切るしかないのよ。)
加奈子は、そう自分に言い聞かせていた。もう、涙すら出てこない。

公衆トイレの外では早紀がペットボトルを持って笑顔で立っていた。
早紀(偉いわね、加奈子。)
助けを求めなかった事に満足している様子だった。そう、さっき入って行ったのは男性を装っていた早紀だったのだ。
早紀は、トイレから離れると携帯でメールを打ちはじめる。

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