羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章71

数日が過ぎ、お昼休みに早紀は屋上に着ていた。
早紀は、空を見上げて微笑んでいる。大空を大きな雲が覆い、今にも雨が降ってきそうな天気。
昨日、恵美から連絡があった。
恵美(なんとか石田のカバンに盗聴器を仕掛けたよ。但し、電池式だから1週間位しかもたないよ。それと、半径500mでないと受信できないから。)
早紀(さすがだね!)
恵美(これが受信機だから)
そういわれて渡されたのが、今、早紀の右手にあった。
早紀は、受信ボタンをオンにする。
雑音の中でいろんな声が聞こえてきた。
教室の休み時間、2年3組の生徒が思い思いに雑談している声だ。
早紀(スゴイ感度ね。)
しばらく聞いていると、早紀の携帯が鳴った。
貴子「今日の写真です。」
貴子から送られてきた写真は、校内のトイレで全裸になった貴子の写真。狭い空間で全身が写るように角度を決め、カメラに笑顔を見せた写真。
早紀は、メールに添付されている写真を見て笑顔を見せた。
早紀は、貴子に毎日1枚、私たちが納得できる様な写真を送る事を指示していた。
貴子も、素直に毎日1枚、色々な写真を送った。
放課後の教室で制服とスカートを捲くっている写真や近くの公園の片隅で服を捲くっている写真、自宅での全裸オナニーの写真、貴子なりに色々と思考を凝らした物ばかりだった。しかも、今日は、学校内で全裸写真。貴子自身も段々と慣れて来ているようだ。
メールには続きがあった。
貴子「そろそろ、生理になりそうなんです。パンティの許可をお願いしたいのですが。」
早紀「いいわよ、明日からは深紅のTバックパンティは許可するわ。但し、今日の夕方、呼び出すから自宅で待機していなさい。久しぶりに楽しみましょ。」
貴子「はい。分かりました。」
早紀は、みんなにメールをする。前に話した企画を実行すると。

放課後になり、鈴木は相変わらず急いで教室を出て行く。
貴子は、少し奈々と会話をして2人で教室を出た。あまり元気が無い貴子を奈々が心配して声をかけたのだが、貴子は、“元気だよ”と作り笑顔を見せた。
途中まで一緒に帰ることになり並んで郊外を歩いている。
早紀は、屋上で野球部の練習を眺めていた。右手には受信機を持って。

日も落ちかけた頃、野球部の練習も終わり、グラウンドを整備し始めた。3年生は部室へと消えていく。3年生が着替えを終え部室を出た頃、グラウンド整備が終わった1・2年生が帰ってくる。2年生が部室に入り、着替えを始める。1年生は、部室に入る事すら許されていないようだ。
早紀は、2年生が部室に入っていくのを見て、貴子にメールを送り、受信機の電源を入れた。
部室での2年生の会話が丸聞こえだった。
先輩の愚痴や顧問の愚痴、友達の事や学校での事など等、他愛の無い話ばかりだった。
そんな会話の中で1人がみんなに提案をした。
野球部1「腹減ったなぁ。まぁ、帰りに飯でも食べに行こか?」
みんな了解の返事をする中、石田は、断りの返事をする。
石田「悪りぃ、俺、今日塾があるから無理だわ。又今度な。」

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