羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章79

★新しい標的

たまに校内で出会う智子。
石田は、見掛ける度にあの時の事を思い出す。

石田『でも、本当にあの智子さんだったのだろうか? こうして見ていると、絶対あんな事をする様には見えないしなぁ。』

石田『でも、見間違える訳ないしなぁ。』

石田『でも、スタイル最高だったなぁ。胸も大きかったしウエストもキュッと絞まってて、それでいてお尻は、モッチモチそうで。智子さんの表情も紅潮していて思い出しただけでドキドキが収まらないや。』

石田『でも、もうちょっと慎重にさえいれば、見つかる事も写真を奪われる事も無かったのになぁ。あーっ! クソッ!! 悔しいー!!!』

石田『でも、あの男はいったい誰だろう? 智子さんの彼氏なのかなぁ? 彼氏でなきゃあんな事出来ないだろうしなぁ。でも付き合ってたらあんな事をするのかなぁ? まさか!? レイプとか!? なんて、そんな訳ないよなぁ。あの時の智子さんの甘えた声なんか、あの男を信頼している証拠だもんなぁ。あんな怖そうな男がタイプなのかなぁ?』

石田『あっ! 目が合っちゃった。知らない振り、知らない振り。』


石田『ふぅ〜、ビックリした。智子さん、俺を見ても何にも気付いてない。あの男、智子さんに内緒にしてくれたんだ。と言うより、あの男も言えないんだろう、きっと。見られてたなんて言ったらもう二度と外で出来なくなるだろうし。ましてや、俺の身がヤバいし。』

石田『まぁ、どっちにしろ助かったな。』

石田『もう一回見たいなぁ。』


「何をブツブツ言いながら歩いているの?」
突然、背後から背中を叩かれてビックリする石田。
石田「何だよ。ビックリするだろ。」
奈々「だって呼んでるのに無視するんだもん。で、何を考えていたの?」
石田「いや、別に何でもないよ。」
奈々「そっ、私には教えてくれないんだ。」奈々は、頬を膨らませて怒った素振を見せる。
奈々「ねぇ、今度の土曜日は何処に行くの?」
石田と奈々は、久しぶりにデートをする予定の日。
石田「そうだなぁ、何処がいいかな?」
暫くの沈黙…
石田「なぁ………。」石田は、問い掛けたが言葉に詰まった。
奈々「何?」
石田「いや、何でもない。土曜日は、考えておくよ。次の授業の用意をするから、じゃぁな。」
石田は、奈々に手を振りながら走って教室に向かう。
奈々「えっ!? ちょっとぉ〜! もうっ!!」
中途半端な会話で終わって、少し不機嫌そうな素振を見せたが、手を振って見送った。

石田は、教室に向かう途中、昨日の事を思い出していた。
昨日の昼頃、石田の携帯に突然見知らぬメールが来た。
よくある迷惑メールだと思い消そうとするが、タイトルを見て手が止まる。



迷惑メール
          【女性の心理・野外露出】

ドキッとした石田は、消さずに携帯を閉じた。
学校が終わり、部活も終わり、自宅に急いで帰る。
夕飯を食べ、自分の時間になると、自室に篭り携帯を開く。
ドクドクと心臓が脈打つのが分かる。
メールの中をスクロールしていくとサイトのURLが青く光る。
迷った挙句、親指がボタンを押した。
画面が開くまでの間が非常に長く感じる。
しばらくののち画面が変わり文字の羅列でいっぱいになる。
しかし、画像等がありそうな場所は、表示されない。
携帯からでは見れないらしい。
しばらく考えた後、部屋にあるパソコンの電源を付け立ち上げる。
待っている間、石田の頭の中ではこの前の智子の映像が鮮明に甦っていた。
石田は、ハヤる気持ちを押さえながらもURLを打ち込む。

出た画面には、文字と画像。
幾つか目を通していく。
石田の目が止まった。

          【女性の心理】

〜〜人(ここでは女性)とは元来すべてに於いて千差万別、ひとそれぞれと言われている。
しかし! 共通した尺を持っていると私は確信する。
その共通した尺とは、母性と性欲である。
あなたの周りのよく知る友人知人、彼女や奥様、すべて持っている。
ただ、本人が自覚しているかいないかは、別の話だが…。
真相心理の中の尺である。
………〜〜。

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