羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章80

石田『智子さんも同じなんだ…。』

石田『女性のすべてがって…本当かな?』

石田『でも、あの智子さんがあんな事していたんだし、誰も想像つかないだろうなぁ。』

石田『………、じぁあ、もしかして奈々にも同じ感覚があるのかなぁ?』

石田『いや、そんな筈はないなっ。あいつは、生真面目だし、人一倍恥ずかしがり屋だからなぁ。』


石田は、画像を見ながらスクロールしていく。
次に目が止まった文字。

〜〜前にも述べた様に、女性は共通した尺を持っている。
しかし、女性には二つのタイプがある。
思うだけで完結するタイプと実行する事で満たされるタイプ。
その見分け方は実に簡単なものだ。
結論から申すと、緊張しやすい女性。
具体的に挙げると、まず始めに、(1)、人一倍羞恥心が強い女性。
こういう女性は、興味を持っている証であり、潜在的に意識しているのである。
次に、(2)、行動と言動がオットリしている女性。
このタイプの女性は、無意識の内に周りの状況を観察しているのと、他人に与えている自分のイメージと違う一面を絶対に見せない。=緊張感を常にキープしている。
三つ目に、(3)、流行ものが好きな女性。
価値も分からずブランド品を身に着けて喜んでいる様な女性は、自分を持っていない表れ。事の善し悪しにも関係なく『楽しければ良し』の感覚で緊張感を楽しむ女性である。
四つ目に、(4)、気の強い女性。
気の強い女性の心理として<私がしっかりしていなければ!>と強く意識している。
一見、無縁に思えるかもしれないが、その実、真相心理で甘えたい願望を持っている証でもある。
甘え対質の女性は、征服欲(受身)の持ち主。きつく言われればどんなことでも服従し、そこに喜びを得られる。
自分が完璧だと思っている女性ほど、より大きな喜びを得られるのだ。
最後に、(5)、露出度の高い服装を好んで着る女性。
言うまでもなく、見られるのが好きな女性である。
真相心理に露出願望を持っている証拠である。

この5つのタイプに1つでも当てはまれば、それは実行して満たされる女性である。〜〜

普通の人が読めば、首を傾げ、馬鹿にするような内容なのだが、石田は違った。
この何の根拠も無い内容が、石田にはこの前の智子の痴態を見ている為、強ち嘘だとは思わせない。
むしろ、納得するほうが大きかった。

石田『智子さんは、四つ目に当たるのかな?』
ぼんやりと画像を見ながらも頭の中では、智子の公園での痴態を思い返していた。

突然、携帯電話が鳴った。
奈々からだ。
石田「もしもし…。」
画像を見ながら奈々との電話。奈々に分かる訳は無いのだが、なぜかごまかそうと気丈に振舞ってしまう。

他愛の無い会話をしばらく交わした後、今度の土曜日にデートをする約束をして電話が切れた。

石田『奈々は、(1)と(2)には当てはまるよなぁ。ブランド品は持ってる所見たことないし、気が強いとも思わないしなぁ。』

石田『あ―っ、でも、(5)は、当てはまるかも、最近、よくミニスカート履いてるもんなぁ。』

石田「3つも当てはまったらやっぱり……。」



教室に入った石田は、友人と会話をしながら自分の席に着き次の授業の用意をする。
始業ベルがなり、みんな自分たちの席に着く。
石田は、ぼんやりと外を眺めている。
ふと、窓際の席に座っているクラスのマスコット的存在の彩香に目が向いた。

石田『彩香……、あいつは、すぐに顔を真っ赤にするから(1)に当てはまるなぁ。しゃべり方もおっとりしてるし、カバンにぶら下げているのはブランドのマークを模ったキーホルダーか、服装も、クラスで一番スカートが短いよなぁ。』

石田『ってことは、5つ中4つも当てはまるのかぁ。案外、あいつもかっ?!』

石田は、一人ニヤニヤとした顔をしていた。
彩香が急に振り向き石田と目が合った。
お互いが目線を逸らしあった。

石田『びっくりした〜。』
今度は、黒板を見つめながら
石田『そういえば、前に彩香のスカートが風で捲れた時、黒い下着を見たって誰か言ってたよなぁ。じゃあ、やっぱりあいつも、かぁ〜〜!』

先生が教室に来て授業が始まってからも、クラス中の女子を思い浮かべ、誰がどれだけ当てはまるのか考えていた。

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