羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章82

【奈々ちゃんの秘密】
本文「あなたは、本当はイヤらしい女の子だったんだね。こんなイヤらしい女が石田君と付き合ってるなんて納得いかないな。どうせ、その淫乱な体を使って唆したんでしょ! あんた石田君と別れなさいよ。」
奈々は、一緒に添付されていた写真を見て驚愕する。
この前、公園で目撃した智子を見ながら知らず知らずに手が胸や股間をまさぐっている写真だった。
奈々『なんで?』

奈々『誰よ、何なの? イヤッ! どうして? どうして?』

奈々は、あの日目撃したすべてを否定的にとらえていた。
当然、自分の行為も認めたくなかった。
奈々『別れる? どうしてよっ?! なんでよ! 一体誰よ?! どうして私のアドレス知ってるの? 私の知り合い?』
また、メールが来た。
メール「石田君があなたなんかと付き合うハズないもん。すぐに別れなさいよ!」

奈々『石田君が私の事好きになるはずがないの? 私がそそのかしたの?』

奈々『そんな事ない! 絶対無い! 石田君は、私の事………。』

奈々は、この誰とも分からない相手に対し返事をする。

奈々「あなたは誰ですか? こんないたずらして、どうして別れなければいけないのよ! 警察に通報しますよ!」
奈々は、強気に抗議したら諦めると思っている。
メール「いいわよ。警察に通報しても。まぁ、その前にこの写真を石田君に送るけどね。もちろん、石田君だけでなくクラス全員、ご近所さんにも配ろうかな。」
奈々『ちょっと、嫌だよ、そんなの。どうしよう。。』
メール「それより私と勝負しなさい。石田君と付き合う資格があるかどうか。それで決着をつけましょう。」
一方的な言い方。
奈々は、すでに石田と付き合っているのに、勝手に割り込んで来て勝負と言うのだ。
奈々に取っては到底納得出来ない話だった。
しかし、あの写真を突き付けられては無礙に断れない。
奈々「いいわよ。どうすればいい?」
奈々は、勝負を受けた。
負ける自信が無いからだ。
メール「私は、来月から1ヶ月間かけて石田君を口説くわ。その間、あなたは、石田君に近付かないで。あなたは、今月中に石田君に好かれているかどうかの証拠を写真に収める事。」
奈々「証拠って何よ? 私は、石田君と付き合っているのよ。好かれてるに決まってるじゃない。」
メール「それは、分からないわよ。石田君にとってあなたはただの遊びかも知れないじゃない?! そうね、石田君と抱き合ってチューしてるとこの写真でも見せられたら私も諦めるかもね。」
奈々『何? 何なのよ、いったい! そんな写真どうやって撮ればいいのよ。』
暫く考え込む奈々。
奈々『今月中に何とかしないと。こんな写真で脅してくる位だから、来月になったら、どんな事をしてくるか分かったものじゃない。何としても今月中に写真撮らないと。』
意気込む奈々は、明日のデートで写真を撮り早く決着をつけたかった。


暫くの沈黙の後……。横に座っている奈々が透き間を埋める様に体を密着してきた。
手を握り、
奈々「ねぇ。。。」
奈々は、上目遣いに石田を見て目を閉じた。
ドキドキしながら石田は、奈々の口に口を近付ける。

奈々『あぁ〜、チューしちゃったー!』
石田は、空いた手を奈々の肩に回した。
奈々も顎を上げより抱き付く格好となる。
石田は、奈々と繋いでいた手を放し肩に回す。
肩に回していた手は、奈々の脇腹からさらに内側に回ろうとしていた。
石田の行動に気付いた奈々は、目を開いて手で制した。
しかし石田は、手を振切り奈々の胸までたどり着く。
奈々は、口を放して小さく「イヤッ」と横を向きながら両手で手を払おうとする。
石田の行動は、止まらない。
首元に顔を入れ軽くキスをしていく。
奈々「あぁぁ。。。」
石田の手が奈々の胸を服の上から荒々しく揉んでいく。
奈々「イヤッ、痛い。」
それでも石田は、手を止めない。
奈々「だめ、だめだょ、誰かに見られちゃうし…。」
石田は、ピクリと手を止めた。
石田「こっちに……。」
石田は、奈々の手を引いて奥の林の方へ歩いて行く。
奈々は、引かれるがまま石田の後をついて行った。
背の高い松の木が幾つも立っている。
その間を通り抜け、神社の境内に入る。
社の裏に回り、二人揃って石段に腰を下ろした。
意思だの手は、すでに肩と胸の間にあり、反対の手は奈々の手を制するように腰に回されている。
石田は、顔を奈々に近づけキスをしようとする。
奈々も、抵抗することなく顎を上げ目を瞑った。
キスと同時に石田の手は、奈々の体を弄ぐりはじめる。
奈々も石田に身を任せて、時折体をピクッとさせていた。
奈々の様子を見ていた石田は、ついにシャツのボタンに手を掛け外していく。シャツがはだけ、手が素肌のお腹に触れて、はじめて奈々は、気付いた。
夜の神社でシャツをはだけ、ブラを晒している自分に。
慌てて手で隠そうとするが、石田が邪魔をする。
奈々「イヤッ! 恥ずかしい。」
石田は、何も答えずにブラの上から揉みしだいていく。
それも荒々しく力強く。
ついにブラを押し上げる石田の手。
奈々は、飛び出す胸を手で隠した。
奈々「イヤッ!!」
小さな声で抗議する。
しかし、
石田「大丈夫、誰も居ないから。」
そういうと、頬にキスをしながら胸を隠している手の隙間から指を差し入れる。
全身を硬直させていた奈々は、石田の言葉と抱擁で腕から徐々に力が抜けていった。
背中から感じる石田の優しさで不安な感情・羞恥心が小さくなっていく。
逆に(もっと…)と思ってしまう程、抱きしめてほしいと言う感情が膨れ上がる。

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